親の高校経験、子供の進路に影響あり約6割
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調査は2025年2月6日から12日にかけて行われ、通信制高校に通った経験のある子供(卒業済み・在学中を含む)をもつ親1,027名から有効回答を得た。調査の背景には、近年の通信制高校の進学者数の増加がある。文部科学省の資料によると、通信制高校の生徒数は26万4,974人(2023年文部科学省「学校基本調査」)で、高校生全体の約8.3%を占めている。これは、不登校やいじめ、心身の理由で全日制・定時制への通学が難しい生徒に加え、学業以外の活動と両立したい、または自分のペースで学習したいという多様なニーズが背景にあると考えられる。
調査結果によると、通信制高校に在学中または卒業した子供をもつ親の70.4%が「自分自身は全日制高校に通っていた」と回答。また、子供の進路決定にあたり、自分自身の学生時代の経験は「影響を与えなかった」と考える親が62.3%にのぼった。これは、親の経験や通っていた学校形態にとらわれず、子供自身の意思で高校を選んでいることを示唆している。
通信制高校が全日制と比べて魅力的だと感じる点については、「自分のペースで学習できる」が53.7%で最多となった。ついで、「学業以外の活動と両立しやすい」が26.0%、「学費が比較的抑えられる」が19.2%と続いた。
また、子供の進学先を選ぶ際に親自身の学生時代の経験が「大いに影響を与えた」「ある程度影響を与えた」と回答した人に、その理由を尋ねたところ、「心身の理由で学校に行くのがつらかった」や「決められた通学スタイルではなく、自分のペースで学びたかった」といった回答が多かった。親自身の経験をふまえつつ、「子供には後悔させたくない」という思いのもとで子供を通信制高校へと送り出しているようすがうかがえる結果となった。
通信制高校は、柔軟な学びの選択肢としての役割を果たしており、今後もその可能性が広がることが期待される。調査結果の詳細は、「ズバット 通信制高校比較」のWebサイトで確認できる。
《吹野准》
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