「昨日の夜何食べた?」すぐ出てこない人は要注意。40・50代でも認知症の一歩手前「軽度認知障害(MCI)」かも。認知症になる人とならない人の違いとは【筑波大学医学医療系教授が解説】 | NewsCafe

「昨日の夜何食べた?」すぐ出てこない人は要注意。40・50代でも認知症の一歩手前「軽度認知障害(MCI)」かも。認知症になる人とならない人の違いとは【筑波大学医学医療系教授が解説】

社会 ニュース
「昨日の夜何食べた?」すぐ出てこない人は要注意。40・50代でも認知症の一歩手前「軽度認知障害(MCI)」かも。認知症になる人とならない人の違いとは【筑波大学医学医療系教授が解説】
「昨日の夜何食べた?」すぐ出てこない人は要注意。40・50代でも認知症の一歩手前「軽度認知障害(MCI)」かも。認知症になる人とならない人の違いとは【筑波大学医学医療系教授が解説】 全 1 枚 拡大写真
  

「昨日の夕食、何食べたっけ……?」。40代を過ぎた頃から、そう遠くない出来事が思い浮かばなくなることはありませんか。「単なる物忘れでしょ」と思っているかもしれませんが、認知症一歩手前の症状かも。

早めの対策をするためにも、オトナサローネでは、伊藤園が主催した『最先端 抹茶サイエンス 認知症予防と共生の新たな一歩』と題したウェルネスフォーラムを取材。登壇されていた筑波大学医学医療系 臨床医学域精神医学教授の新井哲明先生に、認知症や一歩手前の「軽度認知障害(MCI)」について解説していただきました。

MCIは、40・50代から目立ち始めます。認知症とMCIは2022年に1000万人を超えるほどになっており、MCIを含めて認知症対策は喫緊の課題です。

MCIと診断された場合、認知症に移行する人は年間約10%で、10人に1人の計算になります。もちろん、MCIのまま進行しない人、あるいは認知機能が戻る人も。そのような人たちは、正しい知識の元にMCIの段階から早期発見・対策に努めています。認知症の予防やその後の健康的な生活を保つために、MCIのときから意識を持って行動することが有効なのです。

◀◀◀認知症一歩手前の「軽度認知障害(MCI)」。認知症と合わせて1000万人超え」

▶多趣味な人ほど認知症リスクは低い!?

読者世代にリスクが高いMCI。スポーツ、音楽、芸術、脳はあらゆる刺激を欲しがっている!

近年、MCIの人を対象にした「多因子介入」が注目され、筑波大学でも研究しています。具体的には、スポーツ、脳トレ、音楽、美術などをメインとしたプログラムを提供。認知力を高めるのに、1つのトレーニングを繰り返すのではなく、複数の活動で脳の認知機能を多方面から刺激する目的があります。

認知機能に対する効果をプログラムの出席率で分けたところ、2年間で70%以上出席した人はある程度の認知機能が保たれていることが分かりました。一方、出席率が70%未満の人は少し低下傾向に。脳の容積や脳血液なども、出席率が高い人ほど保たれる傾向があります。つまり、さまざまなことにアンテナを張って楽しんでおくと、脳により良い刺激となってMCIの予防につながるのです。

▶脳の老化予防食があります

日常生活では、生活習慣病に要注意。抗酸化物質たっぷりの地中海料理は、脳の老化予防食!

今から心がけておきたい日常の注意点は、いくつかあります。まず、生活習慣病に気をつけましょう。糖尿病、高血圧、肥満、高LDLコレステロールなどは認知症につながりやすくなります。難聴、喫煙、過度の飲酒、頭部外傷、運動不足などに加え、偏った食生活、睡眠不足なども指摘されています。また、老年期の社会的孤立も重要なファクターです。

中でも食事については、「久山町研究」が目安となります。「久山町研究」とは、福岡県久山町の地域住民全員を対象に、長期間に渡って行われている大規模な生活習慣病の疫学調査です。それによると、大豆製品、野菜、海藻類、乳製品を多く摂取し、米(糖質)の摂取量が少ない食事では、認知症リスクを低下させる効果が認められました。

また、認知症予防でよく知られているのが地中海料理です。地中海料理は、緑黄色野菜、果物、魚、豆類、オリーブオイルを多く摂ることが特徴。そのほか、チーズやヨーグルトなどの乳製品もプラスします。地中海料理は、ポリフェノール、ビタミンA・C・Eなどの抗酸化物質が多いため、脳の老化を防ぐのに優れています。

▶認知機能悪化を防ぐ飲み物とは

バランスの良い食事に加え、抹茶のカテキンで抗酸化作用を味方に!

「地中海料理を毎日とるのはハードルが高い」という人は、バランスの良い食事を日常的に取り入れるだけで十分です。そして、毎日抹茶を飲んでみませんか。抹茶には「カテキン」が多く含まれています。カテキンは、認知機能の悪化の原因となるタンパク質が線維になることを抑える効果が期待できます。

認知症は、年をとれば誰でもかかる可能性があります。一番大事なのは生活習慣病への対策はもちろん、適度な運動や栄養バランスの良い食事を心がけること。認知症になっても、薬物療法や非薬物療法によって進行を遅らせることはできますが、現代医療では完治させるまでには至っていません。そのため、「物忘れが多くなった」といったMCIの段階で気づき、予防に努めることが大切です。現在の生活習慣を見直し、ティータイムに抹茶を楽しみながら、認知症とMCI対策に励んで心豊かな人生を目指してください。

▶▶▶ストレス緩和、睡眠改善、体脂肪低下も!?40・50代が積極的に飲むべき「万能ドリンク」は?1杯で「注意力」「判断力」をアップさせ認知症予防にも【伊藤園研究所部長と健康医療ジャーナリストが解説】

【解説】

筑波大学医学医療系 臨床医学域精神医学 新井哲明教授

1990年筑波大学医学専門学群卒業、筑波大学附属病院医員。医療法人社団有朋会栗田病院、東京都立松沢病院精神科、東京都精神医学総合研究所を経て2010年より筑波大学大学院講師、2016年より筑波大学附属病院精神神経科教授 兼 筑波大学附属病院 認知症疾患医療センター部長。2022年より筑波大学人間総合科学学術院長 兼 筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学教授 兼 筑波大学附属病院認知症疾患医療センター部長。


《OTONA SALONE》

アクセスランキング

  1. 「ごくせん」「仮面ライダー」出演俳優、恋人の存在を実名で公表「結婚を前提に真剣に」

    「ごくせん」「仮面ライダー」出演俳優、恋人の存在を実名で公表「結婚を前提に真剣に」

  2. 山賀琴子、美腹筋際立つビキニショット公開「バキバキでかっこいい」「完璧ボディ」と反響

    山賀琴子、美腹筋際立つビキニショット公開「バキバキでかっこいい」「完璧ボディ」と反響

  3. ME:I、雨吹き飛ばす迫力パフォーマンスで観客沸かす【「MAIZURU PLAYBACK FES.2025」ライブレポート】

    ME:I、雨吹き飛ばす迫力パフォーマンスで観客沸かす【「MAIZURU PLAYBACK FES.2025」ライブレポート】

  4. 板垣瑞生さん訃報、芸能界から悲しみの声止まず 元メンバー・「ハイロー」「ブラックシンデレラ」共演者ら追悼

    板垣瑞生さん訃報、芸能界から悲しみの声止まず 元メンバー・「ハイロー」「ブラックシンデレラ」共演者ら追悼

  5. SixTONES松村北斗&田中樹、ゲリラライブ実施に意欲 構想語る「歌舞伎町でやるの良くない?」

    SixTONES松村北斗&田中樹、ゲリラライブ実施に意欲 構想語る「歌舞伎町でやるの良くない?」

ランキングをもっと見る