「すべてが満ち足りている」製紙会社に勤めるごく普通のサラリーマン、マンスは、心からそう思い、妻と2人の子ども、2匹の犬と共に幸せな日々を送っていた。25年勤めた会社から突然解雇されるまでは…。
1年以上におよぶ就職活動は難航し、愛着ある自宅を失う状況に陥ったとき、追い詰められたマンスは成長著しい製紙会社に飛び込みで履歴書を差し出すが、無下に扱われてしまう。しかし、「自分こそが最もふさわしい人材」と確信するマンスは、ある決断を下すーー「空きがないなら、自分で作るしかない」。
『オールド・ボーイ』でカンヌ国際映画祭グランプリ、『別れる決心』で同映画祭監督賞を受賞。常にタブーを打ち破り、緻密さと完璧な美学で観客を魅了してきたパク・チャヌク監督。

突然の解雇で人生が一変し追い詰められていく主人公マンス(イ・ビョンホン)に対し、危機に直面するほど強さを増す妻ミリ(ソン・イェジン)、そしてマンスとポジションを争うことになるライバルたちーーそれぞれ矛盾や葛藤を抱えたキャラクターの関係は、アイロニーとブラックユーモアに満ちた予測不能な展開へと観客を引き込んでゆく。
今回、予告映像とともに監督とキャストからの特別メッセージ映像が到着。予告映像では、イ・ビョンホン扮する主人公マンスが長年勤めていた会社をクビになり、家族を巻き込んで生活が一変していく様子が描かれる。
こめかみを叩き、「私の愛すべき家族は、私をフルサポートしてくれる」と唱える人々、謎の仮装舞踏会。銃、斧、ペンチの凶器、異様な手袋まで…おどろおどろしくもどこかユーモアを感じる“パク・チャヌクワールド”全開のユニークな映像に期待が高まる。
そして特別メッセージ映像では、パク・チャヌク監督とイ・ビョンホンをはじめ、ソン・イェジン、パク・ヒスン、イ・ソンミン、ヨム・ヘラン、チャ・スンウォンという韓国映画やドラマでお馴染みの豪華な顔ぶれが勢揃い。映画の魅力を熱くアピールしている。

BBCは「★★★★★五つ星。狂おしいほど面白い!この韓国の名作は今年の『パラサイト 半地下の家族』だ!」と大絶賛。Deadline(デッドライン)は「最高に楽しく、予想を裏切り続けるアンサンブルキャスト。イ・ビョンホンはマッツ・ミケルセンとバスター・キートンを融合したかのような予測不能で破天荒な存在感を放っている」、Variety(ヴァラエティ)は「眩い殺人コメディは抑圧されたカオスを極めた傑作!リストラを狂おしいほどのユーモアと風刺で描き、ヴェネチア国際映画祭コンペティションを暗くも鮮やかに照らしている」と評し、IndieWire(インディワイヤー)は「キャラクターが虚無へ進めば進むほど、より愛おしく見えるというパク監督の才能に、この世で匹敵する者はいない」と、The Guardian(ザ・ガーディアン)は「社会の病巣をえぐる鮮烈な風刺劇」と賛辞を贈っている。
第30回釜山国際映画祭オープニングに続いて、本作は来年の米国アカデミー賞国際長編映画賞の韓国代表に選出されたことも発表された。
『NO OTHER CHOICE』(英題)は2026年3月、全国にて公開。