「どうか温かいエールを」藤元明緒監督『LOST LAND/ロストランド』ヴェネチア国際映画祭で3冠 | NewsCafe

「どうか温かいエールを」藤元明緒監督『LOST LAND/ロストランド』ヴェネチア国際映画祭で3冠

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『LOST LAND/ロストランド』授賞式 ©2025 E.x.N K.K.
『LOST LAND/ロストランド』授賞式 ©2025 E.x.N K.K. 全 11 枚 拡大写真
世界で最も迫害されている民族の1つといわれるロヒンギャの人々を描いた藤元明緒監督作『LOST LAND/ロストランド』が第82回ヴェネチア国際映画祭のオリゾンティ・コンペティション部門でワールドプレミアされ、審査員特別賞を受賞。さらに、独立賞である最優秀アジア映画賞特別表彰、ビサート・ドーロ賞(金の鰻賞)最優秀監督賞も受賞し、3冠を達成した。

日本、フランス、マレーシア、ドイツの国際共同製作で完成した本作は、ロヒンギャの人々の証言をもとに紡がれた物語。無国籍の幼い姉弟が家族との再会を願い、いくつもの国境を命がけで越えていく旅路を描いている。

世界で初めてロヒンギャ語で制作された長編映画となる本作は現地でも注目度が高く、現地時間9月1日に行われたワールドプレミア上映では1,500席キャパの会場は満員。

上映終了後には大勢の観客によるスタンディングオベーションが巻き起こり、会場のSalaDarsenaは熱気に包まれた。

ワールドプレミア終了後、藤元監督は「体感したことのない熱量が会場に充満していて、映画がしっかりと届いたことを実感しています」とコメント。

「本当は主演の子どもたちなどロヒンギャの出演者とも一緒にこの日を迎えたかったが、彼らには市民権も国籍も今はなく、パスポートも取れないので、海外に来ることは出来ない。いつか皆さんと一緒に、ふたりも映画を見ることが出来ればと思う」と話していた。

今回、本作の受賞を受け、藤元監督、プロデューサーの渡邉一孝、ロヒンギャ側の共同プロデューサーであるスジャウディン・カリムディンからコメントが到着。

また、2026年春の日本公開も決定した。

ヴェネチアでの受賞を受けコメント到着
【藤元明緒監督】
このような光栄な場をくださったヴェネチア国際映画祭、審査員の皆さま、そして観客の皆さまに心から感謝します。

国籍を奪われ、
故郷を奪われ、
命を奪われ、
今も迫害に苦しむロヒンギャの人々。

同じくミャンマーで苦境にあるすべての人々に、明るい未来が訪れることを願っています。

この映画を支えてくれたロヒンギャの仲間たちの才能が、世界に広がっていきますように。

映画を愛する皆さま、どうか温かいエールをお願いします。

【プロデューサー 渡邉一孝】
ロストランドは、ロヒンギャの人たちや日本人だけではなく、中華系マレー系インド系マレーシア人、フランス人、アメリカ人、ドイツ人、インド人、バングラデシュ人、タイ人、オランダ人など、多くの人種と言葉を持つ人たちが集まってできた映画です。世界の各地でそれぞれの人生を歩んできた人たちが一つの企画に共感し、行動を起こした先にこれらの賞があることを重く受け止めます。

【共同プロデューサース ジャウディン・カリムディン】
映画に参加できたことを光栄に思います。そして、これを実現したチームに賛美を送ります。

監督の試みはシンプルでありながら力強いものです。それは、映画がなければ、自分たちの声を世界と分かち合う術を持たない人々の物語を伝えることです。

その声は、一つのメッセージを伝えています。ロヒンギャの人々が「故郷に帰りたい」ということです。他のあらゆるコミュニティと同じように、私たちもまた、先祖代々の故郷で、平和と信仰と安全の中で暮らすことを切望しています。

この映画を受け入れてくださったように、どうか私たちの旅路も受け入れてください。私たちと共に、助け合い、この願いを現実にする手助けをしてください。
どうか、この映画が、世界の多くの人々が触れるものになりますように。

藤元明緒監督 プロフィール

在日ミャンマー人家族を描く初長編『僕の帰る場所』(2018年)が第30回東京国際映画祭「アジアの未来部門」作品賞&国際交流基金アジアセンター特別賞を受賞。

2021年公開された、ベトナム人技能実習生を描く長編第2作『海辺の彼女たち』(日本=ベトナム共同製作)は、2021年度「新藤兼人賞」金賞、第13回TAMA映画賞最優秀新進監督賞、第31回日本映画批評家大賞・新人監督賞などを受賞してきた。

『LOST LAND/ロストランド』は2026年春、公開。

《シネマカフェ編集部》

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