英国の国家サイバーセキュリティセンター〈NCSC〉のエリート諜報員ジョージ(マイケル・ファスベンダー)に課せられた機密任務<ブラックバッグ>は、世界を揺るがす不正プログラム<セヴェルス>を盗み出した組織内部の裏切り者を見つけ出すこと。

マイケル・ファスベンダーは映像のなかで、「ソダーバーグから『ブラックバッグ』の脚本がメールで送られてきて、“一緒にやらないか”と。スティーヴンとは2010年の映画で出会って、また仕事がしたいと思っていた。脚本を読んですぐに“やる”と返答した。まず、ジョージはどんな人かを想像したんだ」と、出会いから再タッグまでの経緯をふり返る。
その即答ぶりからも、両者の信頼関係とお互いへの期待がうかがえる。

「ジョージの趣味が料理と釣りという設定は、面白いほどしっくりきた。孤独を好む人だからね。ジョージにとって、1人で何かに打ち込むことは精神を整える手段なんだ。社交的な性格ではないから、他人と交流するのもおっくうに感じてしまう。だからジョージは料理や釣りなど、1人になれる趣味を好むんだ。自分の思考に没頭し、考えを消化できるからね」と語るように、孤高の人物像を、趣味というディテールから立ち上げていくアプローチも印象的だ。


さらに、共演のケイト・ブランシェットについては「ケイトは本当に、女優として卓越している。普通なら見過ごすようなことも、台本からすくいあげるんだ。余白を感じさせるような柔らかな演技をする」とコメント。
「意図的ではなかったのかもしれないが、キャスリンからは保守的な気配を感じた。ジョージにすら薄い壁が張られていて、内面のもろさがにじみ出ていた。ケイトは役の真の姿を見抜けるんだ。キャスリンは常に実権を握る存在でもある。ディナーパーティでもキャスリンに主導権があると、全員が認識していた」と、映画界を代表するケイト・ブランシェットへ最大級の賛辞を送っている。
