【７億円を稼ぎ出した投資家「勝つには、人間の本能に基づく『間違った投資行動』をやめればいいだけ」】自分に合った「投資金額」の決め方とは？ビギナーが失敗しないためには？

記憶に新しい「トランプショック」では、株価が大暴落！　慌てた方も少なくなかったのではないでしょうか。初心者が投資で失敗しないためには、どうすればよいのでしょう？　また、投資金額はどのくらいが妥当？

「相場が気になって、しばしばスマホやPCでチェックしている人は要注意」と語るのは、メディアやyoutubeなどでも投資法を発信している人気投資家の上岡正明さん。これまでに７億円を稼ぎ出した、いわゆる「億り人」です。

少ない資金から投資を始めて、暴落によりどん底を経験したこともある上岡さんが送るビギナー投資家へのアドバイスを著書からご紹介したいと思います。

※この記事は、『7億稼ぐ「投資の兵法」』上岡正明・著（徳間書店）より一部を抜粋、編集したものです。

投資金額は「恐怖感」で決める。暴落以前に「平時」の投資額を減らすこと

相場で恐怖を感じずに、淡々と売買するにはどうしたらいいでしょうか？　まず、ビギナー投資家の人にお伝えするとしたら、余裕資金の範囲で投資をスタートしてくださいということです。

投資初心者の軍資金は、それこそ人それぞれです。２０代の若者でしたら数十万円程度でしょうし、６０歳で定年を迎えて退職金を受け取って投資資金が数千万円ある人もいるでしょう。独身と家族がいる場合でも、投資金額は大きく違うはずです。

いずれにせよ、証券会社の口座に資金を預けて、投資を始めると、パソコンやスマホで株式市場をチェックするのが楽しみになります。評価益が増えればガッツポーズ。評価損が膨らめば、１日に何度もスマホの画面を開くでしょう。日々の相場の値動きに一喜一憂するはずです。

そうして１年もすれば、保有銘柄の調整局面が訪れるはずです。調整局面では、日経平均で数％から１０％程度。個別銘柄によっては２０％程度、株価が下落します。

利益が乗っていたら、評価益が減っていきますし、評価損ならばさらなる損失の拡大で、恐怖感に襲われます。この「恐怖感」を感じるか否かが、ご自身の投資金額が余裕資金かどうかを知る上で、大きな判断基準になります。調整局面の下げ程度で恐怖を感じるのなら、とても「戦時」の大暴落で生き残ることはできないでしょう。

例えば調整局面で、相場が気になって、スマホのアプリで四六時中、評価損益を確認したり、株価チャートに釘づけになってしまっていたら要注意です。おそらくその投資家は、恐怖の感情に支配されて、「次の一手」で誤った売買をする可能性があります。

つまり「戦時」における暴落対策以前に、「平時」である調整局面での損失ですら恐怖を感じるようでしたら、まずは「平時」における投資額を減らすことをお勧めしています。

「今買わないと損をする」という恐怖感がくせもの

行動経済学でダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーが提唱している「プロスペクト理論」は、私たちの投資家心理を見事に言い当てています。

人間は今買わないと損をすることに対する恐怖「損失回避バイアス」があるといいます。いわば、手に入るべき利益よりも損失に対して敏感に反応することがわかっています。投資家は損をしたくないという恐怖にとらわれてしまうあまり、思いもよらぬ行動に出てしまうことがあるのです。

投資家が保有銘柄の評価損に耐えきれず、損失を埋め合わせようとして株を買い足す「難平」という手法がありますが、残念ながらプロ投資家から言わせれば、「難平はスカンピン」へ一直線です。

「おそらくこのへんで、株価は上がってくるはずだ」という思い込みこそ、投資家には禁物です。初心者から中級者までは、無計画な難平買いは避けるべき投資手法であると心得ておくべきでしょう。

ただ逆説的に言えば、ほとんどの投資家が陥る間違った行動をしなければ、おのずと相場では有利に振る舞うことができるようになります。

「大暴落を味方につける超マイノリティ」を目指すことが、「勝てる投資家」になる方法

かつて阪神やヤクルトの監督を務めた野村克也氏は、「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」という名言を残しました。負ける投資手法を、徹底的に排除していけば、最終的には勝てる投資家になることができます。

99％の投資家は、人間の本能に基づいた間違った投資行動を取ってしまい苦しんでいます。ならば、少数派に徹することが勝てる投資家になるための秘訣です。マジョリティでは負ける投資家にしかなれません。

つまり、徹底したマイノリティ志向の追求です。否、マイノリティレベルでは、投資家としては大成したとは言えません。ならば、大暴落を味方につける超マイノリティになるしかないのです。

★【関連記事】では、少ない資金から投資を始めて、暴落によりどん底を経験したこともある上岡さんが考える「今」の状況や、暴落が起きた場合にはどう対処すればよいかなどをご紹介しています。

■BOOK:『暴落を「利益」に変える　7億稼ぐ「投資の兵法」』上岡正明・著　1,870円（税込み）／徳間書店

■著者：上岡正明（かみおか・まさあき）

株式会社フロンティアコンサルティング代表取締役。放送作家と並行してスタートした株式投資は、投資歴27年を誇り、これまでに7億円を稼ぎ出した。「週刊ダイヤモンド」「東洋経済オンライン」「プレジデントオンライン」や投資情報番組、講演会などにも多数出演。著書に「株メンタル―トップ３％投資家の最強ソリューション」（東洋経済新報社）、「最強の高配当投資　売却益×配当益　爆速で資産を増やす！」（SBクリエイティブ）、「投資脳一生お金に困らない頭を手に入れる方法」（すばる舎）など
多数。コロナ禍にスタートした自身のYouTubeチャンネルは登録者数30万人の人気ビジネス系インフルエンサーとしても活躍中。