こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#24
【こちらも読まれています】◀介護者ならもちろん知ってるよね?「要介護度」によって金銭的メリットは変わります。認定調査で注意すべき「よくある失敗例」とは
▶事前準備をするべきは…
重要なのは「介護の手間」の伝え方。事前におさえておくべき3つのポイント
ちなみにケアマネさんからは、認定調査に向けて以下のようなアドバイスがありました。
1.家族(夫か私)が同席できるよう、日程を調整したほうがよい
2.調査員と事前に面談する時間を設けたほうがよい
3.現状を知らせるためのメモを作成しておくとよい
認定調査で測られるのは「介護の手間がどのくらいかかっているか」。たとえばお義母さんが「着替えは1人でできます」と言ったとしても、実際には季節にあわせた洋服選びができないため、私たち家族やヘルパーさんが着替えを手渡すなどのサポートをしています。もちろん、これらも「介護の手間」。だからこそ、「そこにかかる細かい時間、労力などもメモしたほうがよい」などのアドバイスがありました。
先ほどの友人ではないですが、認知症の症状に加えプライドの高いお義母さんが「何でも1人でやっています」と答えるのは想像がつきます。調査員に日常の様子をメモにして渡しておくと、調査をスムーズに進めることができるようです(本人の前では言いにくいことも、メモで伝達)。
▶「一人でできる!」と見栄をはる義母
まさかの片足立ちも披露。義母が終始ハイテンションな認定調査の行方は……?
予定通り、先に施設のエントランスにて調査員との事前面談から! 作成したメモを見てもらい、「介護の手間」を伝えます。「私も最近まで親の介護をしていたんです。うんうん、分かります」と言いながら、調査員は丁寧にメモを読み込んでくれました。まずは順調なスタートか?
一通り話が終わったところで、お義母さんのところへ。インターフォンを鳴らして待っていると、「ようこそ、いらっしゃいました。どうぞこちらへ~」と玄関先まで来て、深々と頭を下げるお義母さん(なに? このシャキッと感。もっと、いつもみたいにして……と願う夫と私)
最初に基本的な生活動作のチェックから。「関節が動く範囲(拘縮の有無)」「座った姿勢の保持(座位保持)」など、実際に動いてもらいながら確認します。ここで、お義母さんのシャキッと感がパワーアップ! 「立ち上がり」は、いつものように壁などに手をつかずスムーズに立ってみせ、「片足での立位」は、手を横にピンと伸ばし5秒ほど静止。これには思わず「おー、すごいじゃん!」と言って、うれしそうな夫とドヤ顔のお義母さん……。
しかし、「今いる場所」「今の季節」などに質問が及ぶと、たちまち不安な面持ちに。「まぁ寒くはないからね、冬、じゃないでしょ?」と夫や私に答えを求めてきたので、笑顔で無視(笑)。生年月日も即答できず、「そうねぇ、○年の……○月○日だったと思うけど」と曖昧。年齢は、「先日100歳になりました!」(だいぶ違うけど……)と自信満々な回答でした。
続いて「食事は1人でとれますか?」「歯磨き、洗顔は1人でできますか?」など生活機能に関わることを淡々と聞く調査員。「はい、すべて1人でやっています」と笑顔で答えるお義母さん(まぁ、これは事実)。ただ着替えや髪を整えるなど、実際に介助してもらっている内容も同様に「もちろん、1人でできますよ」と回答してしまいます。
外出頻度について聞かれると「出かけるのが好きなので、いつも電車に乗って買い物に行ってます」と返答していました(実際は1人で電車に乗れないし、買い物もできない状況)。
そんなこんなで、なんとかすべての調査が終了! 本当に「メモの存在」があったから、何とか焦らず乗り切れました。案の定、やっぱりいろいろ頑張っちゃったお義母さんは、終わってからグッタリ。「2人ともお疲れさま」と言い、そのままベッドに横たわってしまいました。そして結果を待つ約1ヶ月の間、お義母さんにある変化が訪れるのですが……。これはまた、次回お話ししたいと思います。