「キネコ国際映画祭」は、1992年にベルリン国際映画祭の児童映画部門の協力を得て、第1回目を開催して以来、今年で32回目を迎えるアジア最大級の子ども国際映画祭。
期間中は、世界中から集められた子どもに向けた良質な作品群、約700作品の中から、厳選された長編、短編合わせて67作品(コンペティション作品51本/特別上映16本)を全24プログラムに分けて上映。楽しくてワクワクする映画はもちろん、楽しさだけではない多様な感情を体験する映画も上映することで、子どもだけでなく大人にも、社会問題の気づきなど学びがある映画体験を提供する。
■親子で楽しめるファンタジー作品から、社会課題を扱った作品まで幅広いラインアップ
長編コンペティション部門は、小学生以下を対象とする「チルドレン長編映画部門」と13歳以上を対象とする「ティーンズ長編映画部門」の2部門。映画を通して社会問題への気づきや学びがある作品まで、幅広くラインアップ。上映作品のほとんどが日本初上映となっている。
■ウクライナの戦火の中で生きる若者たちのリアルを描いたドキュメンタリー
ドキュメンタリー部門では、ウクライナ・ドンバスの紛争地域で閉塞した日々を過ごす5人の10代の若者たちの姿を、彼ら自身の言葉と表情で描く『私たちは終わらない』のほか、虐待や迫害、貧困10代の妊娠など、様々な困難に耐えながら現代を生きる6か国の少女を描いた『GIRLS DON'T CRY』などを上映。社会性と芸術性を兼ね備えた必見の作品群となっている。
長編コンペティション部門上映6作品(チルドレン長編映画)
事前に募集した9~12歳(小学4年生~小学6年生)の「キネコ審査員」が、映画を鑑賞した上で、本当に見たい、心に残った作品を選んで、グランプリ作品を決定する。
■ランポ~旅するわんこ~(ポーランド特集)<日本初上映作品>

重い心臓病を抱える11歳の少女ズージャと、一匹の白い犬ランポの友情が織りなす物語。治療費を集めるクラウドファンディングやSNSでの拡散など、今の時代の要素が随所に描かれる。難病という重いテーマを扱いながらも、全体のトーンは明るく、子どもから大人まで観終わった後に希望と笑顔を届けてくれるハッピーエンディングの作品。
11月2日(日)15:00-17:10
会場:ライズホール
■ディプロドクス~恐竜とボク~(ポーランド特集)

現実の「コミック作家の世界(実写)」と、「彼が描いたキャラクターの世界(アニメーション)」が行き来する、ユニークで大胆な表現手法で描かれるファンタジー。ポーランド映画の特徴でもある、人間の心の奥にある暗い感情にも鋭く向き合って作られた作品でありながら、小さな恐竜が「消されゆく世界」から逃げ出すスリリングな緊張感とワクワク感が同居するエンタメ作品としても楽しめる。
11月1日(土)15:10-16:55/4日(火)10:00-11:50
会場:ライズホール
■こびと~新しいはじまり~(ポーランド特集)<日本初上映作品>

小さい頃から、お母さんの「こびと」のお話が大好きだったハニアは、いじめられっ子で孤独を抱えながらも、母が語ってくれた「こびと」の存在を信じ続ける。「大切な存在を失ったとき、どう受け止め、どう前に進むのか」子どもが抱える喪失や心の葛藤を、温かく優しいトーンで描く作品。
11月2日(日)17:55-20:05
会場:ライズホール
11月2日(日)14:00-15:50
会場:玉川高島屋 S.C.
11月3日(月)16:00-17:50
会場:シュクレペールカフェ
■ふつうの子ども

主人公は“ふつう”の10歳の男の子。子どもたちの何気ない日常や感情をそのまま切り取ったような作品。「純粋な気持ちや正義」や、それにともなって行動することが、他人に迷惑をかけたり、周囲を巻き込みトラブルになってしまう。そのとき、当事者である子どもは、親は、どうするのか? どう向き合うか? 鑑賞後に親子で会話が生まれる作品。世界で最も歴史ある子ども映画祭ズリーン国際映画祭(チェコ)ノミネート作品。
11月1日(土)13:35-15:35
会場:109 シネマズ
11月3日(日)16:35-18:35
会場:玉川高島屋 S.C
■ちくわっちゃ!

東京で暮らす兄弟カイとヒロ。下関の叔母のもとで夏休みを過ごす中、名産品ちくわの配信番組作りに挑戦し、地域の人との出会いを通して、自分の可能性に気付いていく成長の物語。山口県下関の人々も出演し、海や森の豊かな自然や地域の温かさやリアルな日常が描かれる。2025年第78回カンヌ国際映画祭のショートフィルムコーナー(SFC)正式出品作品。
11月2日(日)13:40-15:15
会場:109 シネマズ
■あの川の向こう<海外初上映作品>

壮大なチベットの大自然で暮らす幼い姉弟。お家を出たお母さんとの再会を願い、2人はとある古い言い伝えをたどってみることに。子どもたちが、大自然に翻弄されながらも成長していく姿が、圧倒的なスケールの美しい映像表現とともに描かれる。主演の姉弟が最後に見せる表情は、観客の心を深く揺さぶる。
11月1日(土)16:00-17:45
会場:109 シネマズ
<長編コンペティション部門上映6作品(ティーンズ長編映画)>
事前に募集した13歳~18歳(中学1年生~高校3年生)の「ティーンズ審査員」が、映画を鑑賞した上で、本当に見たい、心に残った作品を選んで、グランプリ作品を決定する。
■ナウィ~未来の私へ~ <日本初上映作品>

違法ながらも、児童婚が横行し続けるケニア。13歳の少女ナウィは、地域トップに輝くほどの学力を持っており、都市の高校への入学を夢見る。しかし、一家の生活は苦しくなり、ナウィは家畜と引き換えに嫁ぐことになる。本作は、ケニアの全国ライティングコンテストで選ばれた実話に基づくフィクション。多くの人に支持された“語られるべき物語”として映画化された。現在、世界では5人に1人の少女が18歳未満で結婚しており、毎年約1200万人が児童婚を経験していると言われている。
11月2日(日)15:40-17:35
会場:109 シネマズ
■秘密のお届け物<アジア初上映作品>

第二次世界大戦末期、雪深い山岳地帯でフランス人パイロットを救うために立ち上がったのは、村の子どもたち。敵の目をかいくぐりながら、ひそかに“使命”をつなぎ、命を守るためのリレーを続けていく。友情と勇気、そして希望を運ぶ姿を描いた、胸を熱くするファミリーアドベンチャー。戦時中の過酷な時代の実際の出来事に基づく物語が、子どもたちの視点で描かれる。
11月1日(土)17:40-19:50
会場:ライズホール
■HONEY~わたしの歌~<日本初上映作品>

主人公ハニーは、家庭の事情や心の中の迷いを抱えながらも、自分の「ほんとの気持ち」を見つけたいと願っている少女。隠してきた想いを、音楽という形で外に出すことで、ハニーは自分自身に向き合い、勇気を取り戻していく。
11月3日(月)13:55-15:45
会場:109 シネマズ
■イーダと動物たちの魔法学園 3 <日本初上映作品>

ドイツで大ヒット!子どもから大人まで夢中になる大人気映画シリーズの第3弾。とある町の特別な学校に通う生徒はみんな、ある時期になったら相棒として「魔法の動物」を得る世界の物語。ティーンの等身大の葛藤や初恋の痛みを、歌唱シーンやファッションショーの視覚的な華やかさに加え、環境問題も織り交ぜられたストーリーでリアルに描写される。
11月3日(月)17:15-19:30
会場:ライズホール
■夏の日のカメラ<日本初上映作品>

写真家の父親が亡くなり、大好きな写真を辞めてしまった少女。ある日、サッカーチームのスター選手である同性の同級生に恋心を抱き、思わず彼女の姿を写真に収める。カメラに残っていた父の写真も一緒に現像すると、父の秘密も知ることになり…。サッカーチームのスター選手に恋をする、10代の淡く純粋な恋心。同性愛は一つのテーマだが、それよりも“人を愛することとは何か”という普遍的なテーマを扱っている。
11月3日(月)16:10-17:45
会場:109 シネマズ
■BISHU~世界でいちばん優しい服~

世界三大毛織物産地・尾州を背景に、発達障害を抱える少女史織(しおり)が家族や友と共に夢へ挑む姿を描く。ぶつかりながらも、支え合い、寄り添いながら歩む家族の愛と絆が胸を打つヒューマンドラマ。尾州を象徴する機織りの音、夕景、美しいランウェイのシーン、そして胸に残るセリフの数々が観る人の心に響く。主演は日本アカデミー賞新人賞の服部樹咲、姉役に岡崎紗絵、父役に吉田栄作。監督は西川達郎、音楽は小山絵里奈。ファッション業界からは装苑賞を受賞した大下彩楓も参加している。
11月2日(日)18:00-20:15
会場:109 シネマズ
<ドキュメンタリー部門上映5作品>
世界中の映画祭関係者で構成される国際審査員が、映画を鑑賞した上で、優れた作品をグランプリ作品に決定する。
・ドキュメンタリー部門長編作品
■GIRLS DON'T CRY<日本初上映作品>

虐待や迫害、貧困、10代の妊娠など、様々な困難に耐えながら現代を生きる6か国(タンザニア、チリ、セルビア、韓国、イギリス、イラク/ドイツ)の少女。彼女たちのありのままの姿を描いたドキュメンタリー。国や文化の違いを超えて、映画を通じて“世界で起きていること”を体感できる作品。
11月1日(土)18:10-19:55
会場:109 シネマズ
11月2日(日)16:30-18:10
会場:玉川高島屋 S.C
■「私たちは終わらない」

ウクライナ・ドンバスの紛争地域で閉塞した日々を過ごす5人の若者。ある日、ヒマラヤ山脈の登山に参加する唯一無二の機会を得る。ウクライナ・ドンバスに暮らす日常の不安や閉塞感を抱えた10代の姿が、彼ら自身の言葉と表情で描かれており、世界中の映画祭で様々な賞を受賞し注目を集める作品。
■つながりミライ

夢を描くことさえ難しいカンボジアの子どもたちと、日本から訪れた若者たち。小学校建設をめぐる日々を通して見えてきたのは、“助ける/助けられる”の関係ではなく、ともに生き、未来を強くしていく姿だった。生きる力の根源をあらためて問い直すドキュメンタリー。
11月2日(日)13:40-15:15
会場:109 シネマズ
ドキュメンタリー部門短編作品
■おやまのじかん~ゆっくりと、はやく~<海外初上映作品>

山中のオレンジ農園で暮らす姉弟。季節や、やってることによって時間が遅く感じたり、早く流れたりと、山はいつだって楽しいことがいっぱい!
11月1日(土)13:35-15:35
会場:109 シネマズ
11月3日(月)16:35-18:35
会場:玉川高島屋 S.C
■はじめまして、パパ

「パパのお仕事は?」と聞かれても、よくわからないと返事に困る子どもたち。そんな中、パパの職場に突入することに!
11月1日(土)11:40-13:10
11月3日(月)10:00-11:30
会場:109 シネマズ
【開催概要】
名称:第32回キネコ国際映画祭
開催期間:2025年10月31日(金)~11月4日(火)
開催場所:〈作品上映会場〉
二子玉川ライズ スタジオ&ホール(世田谷区玉川1-14-1二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット2F)
109シネマズ二子玉川シアター1(世田谷区玉川1-14-1二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット3/4F)
玉川高島屋S.C.南館6Fホワイトモール(世田谷区玉川3-17-1)
世田谷区民会館 せたがやイーグレットホール(世田谷区世田谷4-21-27)
シュクレペールカフェ(世田谷区玉川3-34-2 リオヴェルデ 1F)
ふたこビール醸造所(世田谷区玉川3丁目13-7柳小路南角2F)
<イベント/ワークショップ会場>
二子玉川ライズ 中央広場(東京都世田谷区玉川2-21-1)
二子玉川ライズ ガレリア(東京都世田谷区玉川2-21-1)
主催:一般社団法人キネコ・フィルム(32.キネコ国際映画祭事務局)
寄付協力:ティーワイリミテッド株式会社
チケット:
<ライブシネマ>
子ども(3歳~17歳) 前売券 700円/当日券 1,000円
大人(18歳以上) 前売券 1,700円/当日券 2,000円
<その他(日本語・英語字幕)>
子ども(3歳~17歳) 前売券 400円/当日券 500円
大人(18歳以上) 前売券 1,200円/当日券 1,500円
<寄付つきチケット>
一般(大人・子ども共通)前売券のみ 5,000円
映画を観ることで子どもたちの未来を応援できる「寄付つきチケット」をご用意いたしました。チケット代金の一部は、子どもたちに映画を届けるための活動資金として活用させていただきます。ご協力いただいた方には、感謝の気持ちとして、キネコオリジナルステッカーをプレゼントいたします。
(二子玉川ライズ スタジオ&ホール/109シネマズ上映作品のみ)
前売チケットは、10月15日(水)10:00より公式サイトにて販売開始となります。
※前売券販売は10月28日(火)23:59までとなります。
※当日券販売は上映当日9:15~となります。
※高校生は子ども料金となります。