本作は、怪談話が好きな、ちょっと変わった女の子・松野トキと外国人の夫・ヘブンが何気ない日常を歩む夫婦の物語。
明治時代、武士の時代が終わった世の中で、松江に新しくやってきた外国人英語教師の家の住み込み女中の仕事を得たトキが、世間からの偏見を受けることも覚悟の上で、女中になることを決意する。
池脇が演じる松野フミは、そんなトキ(髙石あかり)を温かく見守る母。
出雲大社の上官の家で育ち、出雲の神々の物語や生霊・死霊の話に詳しく、トキの怪談好きは母譲り。優しくしっかり者で、トキの幸せを誰よりも願っている。ーー演じる役・フミについて
池脇フミは寛容で旦那様とおじじ様のマイペースなところを全部受け止めているけれども、自分もどこか抜けているのが魅力かなと思います。
完全に時代劇なので所作が決まっていて、どちらの手を上に重ねるかなどにもお作法があり、気持ちやセリフと連動させて動くのが難しいです。フミは所作をきちんと教わって育ってきたはずなので、そのあたりはしっかりしたいと考えています。
ーー東京から戻ってくるおトキを迎え入れるシーン(第4週・第20回)のフミの心情について池脇おトキが東京へ行ったときは、おじじ様がお金を捻出して東京行きを認めたことだし、「これをきっかけに東京で銀二郎(寛一郎)さんと幸せになってほしい」と背中を見送りながら納得していました。自分の足で添い遂げる人を見つけて、東京で幸せになるんだったらそれでいいと思っていたんです。
でもとにかく心配でならなかったから、松野家へ帰ってきたときはやっぱりうれしかったですね。すごくうれしいんだけれども、おトキが病気をしてないか怪我してないかという心配が先に立ち、映っていたかどうかわかりませんが、着物のほこりを払ったり足を触ったりしています。銀二郎さんとの間に何があって戻ってきたのかは、その後にゆっくり聞いたのではないかと思います。
ーートキの育ての母としての、フミの気持ちについて
池脇おトキに対しては「絶対に私が育てる」というプライドを持っているので、それをところどころでちゃんとタエ様に見せなくちゃいけないと思いながら演じました。タエ役の北川景子さんも認めてくださっている感じのお芝居ではあるのですが、家柄は雨清水家の方が上というのもフミとしては気になるところで。
おトキが傳様(堤真一)の看病をしていたときは、傳様とタエ様が「本当は自分たちの子だ」と言っておトキに迷いが生じてしまったら、この子はどっちの家を選ぶんだろうという不安もあったと思います。雨清水家のお2人に気は遣うけれども物申すところは物申すのがフミですから、そこはもう自分の子どもを守る一心でやりました。
ーー視聴者へのメッセージと見どころ池脇大真面目にバカなことをやっているところを肩の力を抜いて見てクスッとしてもらえたら、それが一番うれしいです。松野家での撮影は本当に和気あいあいとしていて楽しいんですけど、本番が終わった後も楽しいんですよ。その仲の良さがいい具合に松野家のシーンににじみ出ていると思うんです。うそじゃない楽しさを皆さんにも味わってもらえたらうれしいなと思います。
連続テレビ小説「ばけばけ」は月曜から金曜8時~NHK総合ほかにて放送中。※土曜は1週間のふり返り



