30代前半までの若者、残業より「自由時間」8割が回答 | NewsCafe

30代前半までの若者、残業より「自由時間」8割が回答

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若者の“時間価値”に関する意識調査
若者の“時間価値”に関する意識調査 全 7 枚 拡大写真
 イードは2025年10月31日、若者の「時間価値」に関する意識調査について発表した。調査の結果、8割超が「残業代1時間分(時給換算)よりもプライベートの自由な1時間の方が価値が高い」と回答し、若者世代の働き方に対する価値観が明らかになった。

 イードは2025年9月23日から30日にかけて、30代前半までの若者583人を対象に「時間価値」に関する意識調査を実施した。

 「残業代1時間分(時給換算)」と「プライベートの自由な時間1時間」のどちらの価値が高いかを質問したところ、「プライベートの時間の方が圧倒的に価値が高い(54.7%)」と「どちらかと言えばプライベートの時間の方が価値が高い(26.1%)」を合わせて80.8%となった。約8割の人が「プライベートの時間の方が価値が高い」と回答した。

 一方、「残業代の金額や、その時の状況によるが残業代の方が価値が高い(15.3%)」と「残業代がもらえるなら、プライベートよりも圧倒的に残業代の方が価値が高い(3.9%)」という意見を合わせて19.2%と、「残業代の方が価値が高い」と答えた人は全体の2割弱にとどまった。

 プライベート重視派の理由を調べたところ、もっとも多かったのは「心身の健康を維持し、長く働き続けるために休息や睡眠が必要だから(48.3%)」との回答だった。また、「会社の給与だけに依存せず、自己投資や副業で将来の安定を築きたいから(4.4%)」といった、明確な「自己投資」を目的とした回答もあった。

 最多の回答である「健康維持」は、仕事のパフォーマンス維持や向上にもつながるため、一種の「自己投資」であると考えられる。以上のことから、プライベートの時間の価値が高いと考える人は、多様な「自己投資」を目的とするケースが多い傾向がうかがえる。

 対して、残業代重視派の理由は「現在の生活のためにとにかく収入を増やす必要があるから(37.4%)」がもっとも多い結果だった。ついで「将来の資産形成(貯蓄や投資)を最優先したいから(26.6%)」「プライベートで特に予定がなく、時間を持て余すよりは稼ぐ方が有益だから(25.9%)」「会社での評価や昇進・昇給につながると思うから(7.9%)」と続く。これらの結果から、残業代の価値が高いと考える人は、残業で得られる収入面に着目している人が多いとわかった。

 プライベートの予定をキャンセルして残業する場合の時給について質問したところ、回答の多い順に「通常の時給の1.5倍以上は欲しい(49.1%)」「通常の時給の2倍以上は欲しい(20.4%)」「お金の問題ではないので、原則として断りたい(17.3%)」「通常の時給の1.25倍(法定通り)で納得できる(13.2%)」という結果だった。

 法定の基準よりも多い「通常の時給の1.5倍以上」または「通常の時給の2倍以上」の残業代なら、プライベートの予定をキャンセルしても納得できると回答した人が約7割を占めている。

 一方、「お金の問題ではないので、原則として断りたい」との意見も全体の2割近くにのぼる。これは、1つ目の設問で「プライベートの時間の方が価値が高い」と回答した約8割の人の意見が反映されている結果と言えるだろう。

 「残業が多い人」に対する印象を質問したところ、「会社への貢献度が高い、熱心な人」と肯定的な見方をしている人が半数近い48.2%だった。若者世代は「プライベートの時間の方が価値が高い」と考えている人が多数派であるものの、「残業」に対する価値を低く見積もっているのではなく、どちらかと言えば、会社への貢献度や熱意の現れであると考える人が多いようだ。

 一方で、「仕事の要領が悪く、生産性が低い人(17.7%)」や「自己管理ができていない、大変そうな人(7.7%)」といった、否定的な見方をする人が25.4%と全体の約4分の1を占めている。さらに「特に何も思わない」という意見は26.4%と、同じく全体の約4分の1を占める結果だった。

 将来のキャリアについて質問したところ、「定時で帰り、『自由な時間』を使って学習や副業など自己投資を行う(69.3%)」と回答した人がもっとも多く、約7割近くを占めている。次に「今の会社で評価されるために、頼まれた残業は可能な限り引き受ける(12.5%)」「残業してでも『お金』を稼ぎ、将来のための金融投資などに充てる(10.1%)」との回答が続いた。

 将来を見通した場合、社外での時間を活用して「自己投資」を行うことで、現在所属している会社の中でのキャリア形成に限らず、広く通用する力を身に付けてキャリアアップにつなげたいと考える人が多いようだ。

 タイパ(タイムパフォーマンス)を良くするために意識していることを質問したところ、もっとも多い回答は「情報収集の効率化(29.3%)」だった。ついで「移動・スキマ時間の活用(25.6%)」となり、「コミュニケーションの効率化(12.8%)」と「学習・インプットの効率化(12.3%)」はほぼ同率という結果だ。

 特に昨今のAIツールの台頭により、「情報収集の効率化」を図りやすくなっていると言えるだろう。今回の調査対象の人は、デジタルネイティブ世代に該当しているため、最新のデジタルツールを積極的に取り入れて活用していると考えられる。

 今回の調査では、若者世代の8割超が「残業代」よりも「プライベートな時間」の価値を高く評価していることが判明した。

 若者がプライベートな時間を重視するのは、単に余暇を充実させるためではなく、現在の会社に依存せずに、副業や投資による資産形成、自主的な学習、自己管理を徹底しパフォーマンスの維持・向上に努めるなど、多様な「自己投資」を通じてキャリアアップを図ろうとする意識の表れであると言えるだろう。

《風巻塔子》

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