
こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記】#27
◀前回の記事◀◀「認知症だからすぐ忘れるよ」は大間違い!友人から「あなた認知症?」と指摘された義母は、再び引きこもり生活へ。どう立ち直らせればいい?▶「私の下着に触らないで!」
ヘルパーさんとの関係が良好な義母。次なる課題は「尿漏れ対策」か

3年ほど前、脳神経外科にて「認知症」(軽度~中等度)という診断を受けたお義母さん。現在は、我が家の近くにある<サービス付き高齢者向け住宅>(サ高住/食堂付き)で暮らしています。
認知症は緩やかに進行中ですが、今のところ食事と歯磨きや洗面、排せつは(一応)1人で行うことができ、入浴や着替え、服薬は訪問介護サービスにて一部介助をお願いしている状態です。
掃除と洗濯に関しては、「自分でできるのに(ヘルパーさんが)手を出してくる」と文句を言い続けていましたが、最近では「掃除のコツを聞くから教えてあげたの。そしたら、『じゃあ、さっそくやってみます』って。だから任せることにしたわ」とご満悦(ヘルパーさん、さすがです!)
そんなある日、訪問介護サービスの責任者より連絡が。「次にいらっしゃる際で構いませんが、新しい下着をお持ちいただけますか? このところ下着に尿漏れなど、汚れが目立つと(現場から)報告があったんです。どうやら、ご自身でも1日に何度か交換しているようで、洗濯が追い付かなくて……」
この話を聞き「あぁ、やっぱり」と思った私。実は数日前にお義母さんのもとを訪ねた際、トイレの床に無造作に脱ぎ捨てられた下着を発見したのです。「こっちに入れておきますね~」と、急いで洗濯物をまとめた袋に移そうとしたのですが、これがマズかった。
お義母さんは私の手から下着を即座に奪い取り、「勝手に触らないでちょうだい!」と激しく怒り出し、機嫌を損ねた結果、その後の入浴も拒否……。でも確かに自分が逆の立場なら、嫁に下着を(しかも汚れているであろう状態で)触られるのは、ちょっと耐え難い。こんなふうに冷静に考えれば分かるのに、いざとなると上手く実践できないのが介護の難しいところです(涙)。
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その夜、夫に状況を一通り報告。ひとまず新しい下着を届けなければということで、私が購入して夫に託すつもりでしたが、出張と重なり調整が難しい様子。「やっぱり、こういうことは女性同士のほうがいいと思う。ラッピングしてあげたら喜ぶかもよ~」と、なんとも能天気な夫にイライラしながらも、「パンツの替えがありません」と連絡が来ても困るので、翌日やむを得ずお義母さんのもとへ。
受付でタイミングよくヘルパーさんに会ったので様子を伺うと、「先ほどお風呂だったんですが、下着はそこまで汚れていなかったみたいです。ただ、日によって状況も変わると思うので、今から『大人用紙おむつ』に慣れておいたほうがいいかもしれません」とのこと。
「おむつ……」
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