
コロナ禍で生きる希望をつなぐ本として人気を集めた『ぼく モグラ キツネ 馬』、覚えていますか? 少年とモグラ、キツネ、馬の冒険と心の交流を描いたアート絵本で、世界で1000万部を売り上げて、『ハリー・ポッター』シリーズの次に売れたハードカバー本なんだそうです。2020年日本でも大ヒットしましたよね。
今年、待望の続編『きみをわすれない ぼく モグラ キツネ 馬 そして嵐』が発売され、再び注目を集めています。
第1弾以上に美しいイラストと、つらいときにも心に寄り添ってくれる新しい名言たち。
子どもでも大人でも楽しめる絵で読む人生寓話です。
著者のチャーリー・マッケジーさんご自身による2冊の楽しみ方とは……。
※本記事は著者・チャーリー・マッケジーの書籍「ぼく モグラ キツネ 馬」「きみをわすれない ぼく モグラ キツネ 馬 そして嵐」序文から一部抜粋・編集しました。
著者が語る、読み方・楽しみ方とは?
―――日本でもとても有名なこの絵本シリーズ。どんなお話なのでしょうか?
私が描いたのは、男の子、モグラ、キツネ、そして馬。
モグラが顔を出したとき、男の子はひとりぼっち。ふたりは森をじっと見つめて過ごす。森は人生に似ていると私は思います。おそろしいけど、美しい。森をさまよっていると、ふたりはキツネに出会う。モグラにとっては、やっかいな相手。男の子は知りたがりで、モグラは食いしんぼう。キツネはほとんどしゃべらず、いつもなにかを疑っている。つらい目にあってきたから。馬は、彼らが出会ったもののなかでいちばん大きい。そして、おだやか。
彼らはみんな違う。私たちが一人ひとり違うように。そして、みんな弱いところがあるんです。それぞれのキャラクターの中に、私は自分を見出せる。きっとあなたもそうじゃないかな。
冒険の季節は、春。雪が降ったかと思えば太陽が輝き、それはどことなく人生にも似ています。ほんの一瞬でがらりと変わるところがね。この本が、あなたを勇気付けられますように。
―――どのような方向けの絵本なのでしょうか? 読み方のポイントは?
この本はだれでも楽しむことができます。8歳でも、80歳でも。
いつでもどこでも、どこから読んでもらってもかまいません。書きこんだり、折り目をつけたりも、どうぞご自由に。
―――ぼく モグラ キツネ 馬。第二弾『きみをわすれない ぼく モグラ キツネ 馬 そして嵐』はどんなお話なのでしょうか?
馬はいつもそこにいて、拠りどころになっている。
みんな無口なキツネのことを愛しているが、キツネにはその理由がわからない。
モグラの頭の中はケーキのことでいっぱいだ。ケーキより好きなのは、友だちだけだ。
男の子は彼らのことが大好きだ。でももし彼らがいなくなったらと、こわくてたまらない。
人生では達成しなくてはならないことがたくさんあるように見えるけれど、ただここにいて、自分の歌を歌えればそれだけで優勝。
人生がどれだけめちゃくちゃであろうとも、自分にやさしくすること。あきらめないこと。モグラのいうとおり、あなたの声は重要なんです。
―――第二弾に込められた思いは?
私はイラストレーターなので、絵を見てもらうのが大好きだったけれど、まさかそれが本になるなんて思いもしなかった。
そして新たに、一冊つくりました。押しつぶされそうだったけど、この本で心が軽くなる人がいるかもって想像したんです。あなたのことかもしれないですね。
この本を、すべての人たちに贈ります。きっと何歳でも読める本のはず。この本を読んで、あなたが愛されていること、あなたがかけがえのない存在であることを思い出してくれますように。あなたは勇敢で、偉大です。
今回の翻訳を担当した川村元気さんも「仲間を見つけた”ぼく”でも、ふと不安になる時がある、寂しくなる時もある、そんな時にどうすればいいのか。この本は、心の”嵐”の乗り越え方を、優しく教えてくれる」と評しています。
自分を元気づけたいとき、穏やかに気持ちを整えたいとき……そっと寄り添う言葉が見つかる1冊です。
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