「ホットフラッシュの汗くらいで病院に行っていいの?」更年期症状で病院を受診したほうがいい「目安」って? | NewsCafe

「ホットフラッシュの汗くらいで病院に行っていいの?」更年期症状で病院を受診したほうがいい「目安」って?

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「ホットフラッシュの汗くらいで病院に行っていいの?」更年期症状で病院を受診したほうがいい「目安」って?
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「お会いするだけで更年期の沈んだ気持ちが前を向く」「楽しくお話して、気づいたら心にわだかまっていた重いものが消えていました」とファンも多数の産婦人科医・小川真里子先生。現在は福島県立医科大学での診察と併せて、週に一度、東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで更年期外来もお持ちです。

長年に渡って女性特有のトラブルに向き合ってきた小川先生に、更年期時期の女性へのメッセージをいただきます。今回は「更年期症状でクリニックを受診する際、どんな症状なら予約すべし?の目安」について。

【女性の身体、思春期から更年期までby小川真里子先生】

「こんなことで病院に行っていいのかな……?」いいんです。我慢しなくてもいい!

更年期症状について、とてもよく聞かれる質問の一つが、「どのくらいの症状があったら受診するべきなのか、目安が知りたい」です。答えはとてもシンプル、「更年期に該当する年齢で、月経周期が乱れ始めていて、更年期を疑う症状で生活に何かしら困難があったら、産婦人科に相談してください」です。

「更年期に該当する年齢」とは、40代半ばから60歳ほど。「月経周期の乱れ」は、今までよりも月経の間隔があいてきた場合を言います。「困難」は、何だかよくわからない症状が最近あって、日常生活にうっすらとでも困っているという場合。これらに合致すれば婦人科で相談してみてください、という気持ちで私は説明しています。

でもきっと「先生、やっぱりこんなことでかかっていいですか……?」と心配なさいますよね。なのでもう少し具体的に説明します。

他の病気ではない症状で、なにか困ることがある。仕事や家事で、今までのようなパフォーマンスが出せない。朝起きてもだるさがあって、仕事に行きたくないなという日がしばしばある。

「こうした症状がなければ毎日をもっとスムーズに送れるかな」と思うようなことがあったら、じゅうぶん受診対象です。

では、みんなはどんな症状で来院しているのでしょうか?

最近患者さんの来院が増えているのがホットフラッシュです。かつては「汗が出るくらいで病院に行くなんて……」と遠慮されてしまう筆頭でしたが、なかったものが急に始まるため気づきやすい症状でもあります。更年期の情報が出回るようになり、最近では高市さんの話もあったため、「早めに行ったほうがいいかしら?」と気づくのでしょう。「ほてりや汗が出ないほうが快適だな」と思ったら受診していただくとよいでしょう。

サプリはどうですか? とも聞かれます。試すのはもちろんいいけれど、1つを3カ月ほど試してみて効果が薄いなと思ったら来院してほしいです。というのも、ある程度症状が強いにもかかわらず、ひたすらいろいろなサプリを試し続ける方が一定数いらっしゃって、何種類も飲んでいて「どれをやめてもいいですか?」と聞かれることがしばしばあるのです。

そもそも来院する方の半数くらいは何かしらサプリを飲んでいます。確かに病院は待ち時間もありますし敷居が高いでしょう、手近なところからセルフケアをするのはいいことです。でも、サプリだけで頑張りすぎてしまうと、それはちょっと違うかもと思います。1つ試してあまり手ごたえがなく、かつ「この症状はないほうがいいな」と思ったら受診のタイミングです。

「この症状は単なる老化ですか? それとも更年期ですか?」代表的な例は

老化なのか、更年期症状かというのもよくある質問です。前提条件として、更年期症状は女性ホルモンの変化で引き起こされる症状なので、更年期以降も続くことは基本的には更年期障害ではありません。

まず聞かれるのが老眼や髪の変化。白髪の増加だけでなく、髪が抜けること、薄毛が進むことは相談されます。髪の毛がくるくるしてくる、と相談されたこともあります。正直、これらは私もどうすればいいか知りたいくらいです。

太るという相談もよく受けます。女性ホルモンの減少に伴って内臓脂肪がつきやすくなるため、お腹だけぽっこり出てくるんですね。しかし、髪と肥満はホルモン補充療法(HRT)では治りません。

更年期の時期に体重が増えやすくなるいちばんの原因はエストロゲン(女性ホルモン)の低下です。エストロゲンと男性ホルモンの割合が変わり、男性型の肥満になりやすくなるのです。皮下脂肪ではなく内蔵脂肪がつきやすくなり、中高年の男性によく見られるぽっこりしたお腹になりやすくなるのです。内臓には筋肉がないため、これら内臓脂肪は運動では簡単には落ちません。蓄積されやすく太りやすいのです。

20代30代のころは、ちょっと食べ過ぎてもややダイエットをすれば体重が調整できたでしょうから、ケーキバイキングも怖くなかったかもしれませんが、更年期以降はちょっと増えすぎるとどんどん増えていきます。

「太りやすい」と言うけれど、更年期は体重の「数字」よりも筋肉、骨を第一に考えてほしい

なのですが、体重よりも体調第一です。健康診断を受けたら必ず結果を確認すること、骨密度も測ったことのないかたは一度は測りたいですね。

動脈硬化リスクを考えて標準体重であるBMI18.5から25未満に入るようにしつつ、いずれにしても筋肉を保つことです。標準体重に入っているならば、体重を無理に増やす必要も、やせる必要もありません。

更年期ごろに始まる手指の痛みについても質問をいただきます。いわゆる「メノポハンド」ですね。変形性関節症や初期の関節リウマチの可能性もあるので、ホットフラッシュも何もなく手指だけの問題なら1回は整形外科を受診してください。整形外科で何もないですよと言われたら、産婦人科も受診してみてください。

つづき>>>「これは更年期症状なのですか?」肩こり、睡眠の質の低下、疲れやすい、物忘れ、おしっこが近い、漏れやすい…

お話/小川真里子先生

福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授

1995年福島県立医科大学医学部卒業。慶應義塾大学病院での研修を経て、医学博士取得。2007年より東京歯科大学市川総合病院産婦人科勤務、2015年より同准教授。2022年より福島県立医科大学 特任教授。日本女性医学学会ヘルスケア専門医、指導医、理事。日本女性心身医学会 認定医師・理事。日本心身医学会 心身医療専門医・代議員。2025年11月から福島県立医科大学 ふくしま子ども・女性医療支援センター 教授。東京・JR五反田駅のアヴァンセレディースクリニックで、毎週金曜午前に完全予約制の更年期・PMS外来もお持ちです。


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