
春が近づき、本格的な花粉の季節が到来しました。すでに目の痒みやくしゃみ、鼻水などの花粉症の症状のせいでQOLが下がっている人もいるのではないでしょうか。そんな花粉症の対策としてよく「腸内環境を整えると効果的」、「ヨーグルトが効く」という話を最近よく聞きます。今回は「温活ドクター」として温活や腸活などに詳しいイシハラクリニック副院長の石原新菜先生に花粉症と腸活の関係について聞きました。
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▶花粉症対策にいいヨーグルトの選び方
花粉症対策として効果的なヨーグルトの選び方は?
ヨーグルトに関しては「ビフィズス菌入り」を選んでください。すべての製品に「乳酸菌」は入っているので、「ビフィズス菌入り」を選ぶことでどちらの菌も同時に摂取できるでしょう。「乳酸菌」は小腸、「ビフィズス菌」は大腸で働く善玉菌です。
ちなみに、お酢も「酢酸菌入り」のにごり酢を選び、納豆にかけることをおすすめしています。酢酸菌入りのお酢とは、お酢の発酵に必要な酢酸菌をろ過せずに残したお酢で、濁っているのが特徴。酢酸菌は内臓脂肪減少や血糖値上昇抑制などの効果のほか、免疫細胞を活性化させる作用があります。
また善玉菌をお腹の中で育てて増やしていくために、エサとなる食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂ることをおすすめします。ゴボウ、いんげんなどの野菜、果物、芋類、海藻、ハチミツなどを意識して食べてください。野菜や果物を食べるときは食物繊維が豊富な皮ごと食べるのも◎。りんごの皮には抗酸化作用やアレルギーを抑える効果のあるポリフェノールや水溶性食物繊維であるペクチンが豊富です。ペクチンは他にも柑橘類やバナナ、キウイなどにも多く含まれています。またにんじんやレバーなどは、粘膜免疫の原料になり、抗酸化作用を持つビタミンAを含む食材なので花粉症対策にはぴったりです。
▶花粉症になる人の体の状態、どう違う?
「水毒」と呼ばれる花粉症。陽性の食品で体を温め、水の巡りをよくしましょう
花粉症は東洋医学で「水毒」と呼ばれています。東洋医学では「気」「血」「水」の3つの要素が体を巡ることが健康にいいとされていますが、花粉症は「水」の巡りが悪くなっている状態。水の巡りが悪いと冷えやすく、むくみやすく、免疫力にも影響するのが特徴です。
そこで大事になってくるのが体を温める陽性の食品。冬に旬を迎える食材や寒い土地が原産の食べ物、赤黒橙色など濃い暖色をした食材です。具体的にはにんじんやごぼう、大根、レンコンなど土の中で育った根菜、牛肉や鶏肉、羊肉、マグロ、イワシ、アジ、卵などの動物性たんぱく質食材、紅茶やココアなどの飲み物、味噌や醤油、黒豆、玄米、小豆などです。
このほかにもできる花粉症対策としては、お風呂は40度くらいのぬるめの温度設定にして長く入り過ぎないようにすること。腸が冷えると善玉菌の働きが鈍くなるためお風呂で温まるのはいいことですが、42度以上のお風呂に長時間入浴するのは要注意。必要以上に体を温めすぎると体内でヒスタミンが放出されて痒みや鼻水などのアレルギー症状がひどくなることがあります。
▶1年中やることで変わる!花粉症対策とは
腸活は1年中大事!花粉症対策は飛散がひどくなる前から取り組んで
栄養バランスのとれた食事や腸活にいい多様な菌をとることに加えて、体を適度に動かし、しっかりと睡眠をとる。さらに冷えがある人は腹巻きなどでお腹を軽く温めるなどすることで、病気予防のための免疫ケアや体調管理に繋がっていくでしょう。
よく「花粉症対策はいつから始めたほうがいいですか?」と聞かれるのですが、花粉の飛散がひどくなる前から取り組み始めるのが大事です。ただ腸活は薬のようにすぐに効果が出るような即効性はありません。早くても4週間くらいはかかるので、腸活という意味では一年中、マスクや薬などそのほかの花粉症対策は花粉の飛び始めにはスタートしましょう。
花粉症に限らず、何か体に不調が起きると「お腹が痛いから内科へ」、「目が痛いから眼科へ」とそれぞれの科に行きますよね。しかし例えばお腹の痛みだけを取り除いたとしても、体の免疫自体が下がってれば別の不調や病気は引きこされてしまいます。
つまり体そのものが強く健康になれば、不調ごとにあちこち病院に行かなくて済むというのが東洋医学の考え方です。花粉症で鼻水が出るから耳鼻科へ、目が痛いから眼科へ、皮膚が痒いから皮膚科へと、ならなくて済むように体の免疫力を高めましょう。薬でくしゃみや鼻水をピタっと止まらせるのもいいですが、腸活で体本来の免疫を高めていくことも花粉症対策にはとても大事です。
イシハラクリニック 副院長
石原新菜先生

ヒポクラティック・サナトリウム副施設長、健康ソムリエ理事。1980年 長崎市生まれ。小学2年生までスイスで過ごし、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学し、卒業後は同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。日本内科学会会員。日本東洋医学会会員。 日本温泉気候物理医学会会員。二児の母。



