
婚活アドバイザーとして17年以上、多くの女性の「幸せになりたい!」を支えてきた植草美幸氏。フジテレビ系『ザ・ノンフィクション』にも度々登場し、放送のたびにSNSでトレンド入りするほど話題を集めています。そんな植草氏のもとには、これまでに2万件以上の恋愛&婚活のお悩みが寄せられてきました。
膨大な相談を受ける中で植草氏が気づいたのは、「真面目で素敵な女性ほど、実は“あざとさ”が足りなくて損している」ということ。消極的な男性が増えている今、“あざとさ”が、恋も結婚もグッと前に進めてくれる最強の味方になるのだそうです。
本稿では、架空の3人の女性をモデルに、婚活現場でよくある相談やお悩みをストーリー形式で描いた植草氏の著書から、“「あざと女子」とはなにか”を解説付きでご紹介します。
※本記事は書籍『結局、女は「あざとい」が勝ち! 仕事もお金も恋愛も結婚も、すべてを勝ち取る最強ルール50』(植草美幸:著/清談社Publico )から一部抜粋・再編集したものです
【登場人物】
町田真衣(33)

職業 食品メーカー事務(勤続10年)
年収 400万円
趣味 漫画、ゲーム
恋愛経験 つきあった彼氏2人。彼氏いない歴5年以上
結婚相手に望む条件 大卒、年収500万円以上。やさしくて真面目な人
休日の過ごし方 インドア派。漫画を読むか、動画配信サービスで映画を観る
結婚観、理想の夫婦像 夫婦で共通の趣味を一緒に楽しみたい
幸せをただ待つだけの「電柱」になっていませんか?
真衣は、周囲の恋愛・結婚話に焦りを募らせていた。やがてマッチングアプリで出会った相手に突然連絡を断たれ、感情が限界に達した真衣は、あざとさが垣間見える友人・優の結婚祝いの席で嫉妬をぶつけて関係をこじらせてしまう。後悔の夜を過ごした末、真衣は「自分も変わりたい」と決意し、結婚相談所への予約を入れる。
「行動しよう」
そう決心した真衣は結婚相談所に入会。さっそくカウンセリングを受けることになった。 「そんな自分を変えたいから、今日は私のところに来てくれたんでしょう?」という植草の言葉に、真衣は力強くうなずいた。
真衣 私、変わりたいんです!優ちゃんという友だちに言われたんです。私は行動しないのに文句ばかり言うって……。本当にそのとおりだなって。このまま何もしないでいたら、私の人生、いいことなしで終わっちゃいます。私もできることなら、「あざと女子」になって、自分が欲しいものを手に入れたいんです。
植草 とっても素敵な心がけだと思う。その気持ちがあれば、きっと大丈夫。「行動しないのに文句ばかり言う」って言っていたけど、そういう女性は多いの。いつも後出しで文句ばっかり。そのくせ自分からはいっさい動こうとしないし、何かを変えようともしない。幸せが自分のもとに舞い込むのをただボーッとして待って、行動できる人をうらやんでいるだけ。
真衣 うう……はい。私のことです。
植草 私はそういう女性のことを「電柱」と呼んでいます。
真衣 で、「電柱」ですか?
植草 ボーッと待っているだけの「電柱」が幸せになれると思いますか?
真衣 なれません……でも、そうは言っても、私も少しは行動する努力をしたんですよ。マッチングアプリを始めたのもそうです。頑張って出会いを探そうとして、その結果、失敗しちゃいましたけど……。
植草 行動するといっても闇雲に動けばいいというわけじゃありません。そもそも真衣さんは恋愛して、結婚するのが目的なのでしょう?
真衣 好きな人と結婚して家族になれば、いちばん幸せかなって思いますけど……。
植草 最近は婚活のためにマッチングアプリを始める人も多いけど、真衣さんのように焦って婚活して、空回りして、合わない男性ばかりつかまえてしまう。私はそれを、「走り出しマグロ状態」と呼んでいます。
真衣 走り出し……?
植草 「走り出しマグロ状態」。本人は勢いよくスタートダッシュを切っていると思い込んでるけど、実際はぐるぐる回っているってこと。結婚したくてマッチングアプリを始めたのに、実際は結婚というゴールからどんどん遠ざかっているケースね。
真衣 ………。
痛いところを突かれて、真衣は黙り込むしかなかった。
「あざとい」という言葉にイライラしてしまう理由
植草 とはいえ、たとえマッチングアプリでも、「あざと女子」なら、すぐに好条件の男性を見つけて結婚しますよ。
真衣 先生、私それを知りたいんです。私と優ちゃん……「あざと女子」は、いったい何が違うんですか?顔ですか?愛嬌ですか?たしかに、私は愛想もよくないし、地味顔だし、ぶりっ子もできないし。「あざとい」とかけ離れてるというのは、自分でもわかってるんですけど。
植草 真衣さんの話を聞いていると、「あざと女子」になりたいというわりに、「あざとい」に対して嫌悪感を感じているように思えますが。
真衣 憧れはあるんですけど、まだ心のどこかで引っかかる部分もあるんです。最近は「あざとい」ってフレーズを見るだけでも心がざわざわするようになってしまって。「あざとい」を売りにする芸能人や、「あざとい」をテーマにしたファッション誌の特集、見てると全部イライラして、そういう自分にも落ち込むんです……。
植草 そもそも真衣さんは「あざとい」の何がそんなに気に入らないのですか?
真衣 かわいいそぶりをするだけで、いいとこどりしていく感じ……ですかね。みんなが必死に努力してる横で涼しい顔してゴールしていくっていうか。女の武器を利用しているところも計算高くて、なんかいやです。ぶりっ子したり、泣いたり。ずるいと思ってしまうんです。
植草 つまり、「あざと女子」は、たいした努力もしていないのに、世の女性が欲しいものを簡単につかみとっているから、ずるくて腹が立つ……ということですね?
真衣 はい。そんな感じです。
植草 それは真衣さん、少し勘違いされていますね。
真衣 勘違い?
植草 たしかに、「あざとい」って、計算高くて、ずる賢いという意味で使われがちよね。ねぇ、「あざとい」って漢字でどう書くかご存じ?
真衣 漢字……ひらがなのイメージしかなかったです。
植草 こう書くんですよ。
植草は目の前のメモ用紙にスラスラッと「小聡明い」と書いてみせた。
真衣 へー、これで「あざとい」って読むんですか。
植草 聡明っていうのは頭がいいってこと。そこに小をつけて、いくらか小バカにしたニュアンスで頭がいい、と言っているわけ。私はこの漢字の聡明っていう部分が「あざとい」のポイントだと思うんです。
▶「優しいだけ」では選ばれない、婚活市場の現実
「あざと女子」は、実は最高の「ギバー」である
真衣 たしかに、「あざと女子」って小利口で、自分の得になることに関しては抜け目ないっていうか、貪欲っていうか……。
植草 真衣さんは欲しいものを手に入れたり、人生で得したり、したくないんですか?欲しいものをつかみとることって、そんなに人からとやかく言われるような悪いことかしら?
真衣 それは……別に悪いことではないですけど。
植草 そうですよね。自分の人生で欲しいものが定まっていて、それを最短かつ最小の労力で手に入れようとする。それって決して簡単なことじゃないし、文字どおり聡明じゃないと、できないことだと思いませんか?
真衣 たしかに、賢いなって思いますよ。私みたいな不器用で損ばっかりしてる人間と違って、要領よくて、頭もいいと思います。でも、自分さえよければいいって感じもして……男性にニコニコ、ヘラヘラしてるのだって、なんか痛々しいし……。
植草 そういう、「あざと女子」が結局、自分が欲しいものをすべて手に入れてるからムカつくと。要するに真衣さんは嫉妬しているんですね、「あざと女子」に。
真衣 嫉妬?たしかに、嫉妬かもしれません。でも、それだけじゃないですよ。なんというか、やり方がイヤラシイと思って。
植草 やり方ね。じゃあ真衣さんは、「あざと女子」が欲しいものを手に入れるための「やり方」をすべて知っていますか?
真衣 それはわかりませんけど……でも、私の友だちの優ちゃんは、すごい「あざと女子」なんですけど、その子を見てると、なんとなくわかります。必要以上に男性を喜ばせることを言うんです。「かっこいい!」とか、「その服、似合うね!」とか。そんなほめる必要ある?って、いつも思って見てます。
植草 それも立派な努力、と言えないかしら?だって、同じことがあなたにできる?
真衣 うっ……それはできないかもしれない、ですけど……。
植草 真衣さんは漢字の「小聡明い」のように、どこかで、「あざと女子」を小バカにしているようだけど、「あざと女子」っていうのはね、相手の気持ちを考えて行動できる人のことを言うの。相手が喜ぶこと、相手が欲しい言葉、相手の求める行動……その結果として、自分が欲しいものは手に入るし、人生が楽になる。いいとこどりしているように見えるけれど、本当はその手前でたくさんのものを相手にGIVEしているのです。
「優しいだけ」では選ばれない、婚活市場の現実
真衣 そうでしょうか?そんなふうに思ったことないですけど。
真衣は優のことを思い出す。優に何かしてもらったことなんてあっただろうか。 何より、「あざと女子」が自分より努力したり、気を使ったりして生きているなんて認めたくなかった。
植草 「あざと女子」は損得にも敏感だから。自分にとって得になると思ったときこそ、その聡明さを発揮するのよ。でも、それって当然のことじゃないでしょうか?能ある鷹は爪を隠すっていいますよね。
真衣 なるほど……。「あざと女子」が聡明で、じつは努力もしているってことは理解しました。でも、まだ腑に落ちない点もあります。
植草 どんなところ?
真衣 「あざと女子」が仮に相手の気持ちを考えて行動できているから欲しいものも手に入るんだとしたら、私が男性から選ばれないのは相手の気持ちを考えて行動できていないからってことですか?自分で言うのもアレですけど、私、基本的に男性とつきあったら相手の意見や好みに合わせるタイプですし、みんなに「やさしい」って言われます。いつも自分より相手のことを思って行動してきたつもりなんですけど……。
植草 それこそ大きな勘違いです。それはこれから真衣さんにゆっくりアドバイスしていきます。ねぇ、真衣さん。もし本気で変わりたいと思っているのなら、まずは自分が、「あざと女子」に憧れていることを認めてみてはいかがでしょうか。
真衣は黙って考えてみる。これまでの人生のあれこれが頭を駆け巡る。大学時代、誰よりも先に内定をゲットして残りの学生生活を謳歌していた優を恨めしく思ったこと、自分より大手の会社でキラキラと働く姿にモヤモヤしたこと、久しぶりの同期飲み会で蓮の隣をキープして楽しそうに話す2人の姿、そして届いたLINEの結婚報告の笑み……。
真衣 ……認めます。私、「あざと女子」に憧れてます。
植草 では、イメージしてみてください。「あざと女子」になって欲しいものがすべて手に入る人生を。真衣さんもそうなりたいと思いませんか?
真衣 なりたいです。いまからでもなれるなら、私だって「あざと女子」になりたい!
植草 そう。じゃあ、さっそく始めましょう。
植草はその言葉を待っていたとばかりに立ち上がると、手を差し出して微笑んだ。熱い握手が交わされた。
植草 こうやって知り合えたのも何かのご縁。真衣さんの人生を取り戻すために、「あざとい」のすべてを教えます。「あざとい」は別にモテるためだけの道具じゃないのよ。異性だけじゃなく同性にも、職場の人間関係にも、人生すべてで役に立つの。
真衣 私なんかが本当に、「あざとい」を身につけられますか?
植草 特訓していけばわかりますよ。「あざと女子」になる覚悟はできていますか?
真衣 はい……できてます。先生、お願いします!
こうして真衣の「あざと女子」になるためのレッスンが始まったのだ。
【カリスマ婚活アドバイザー・植草美幸が解説】 「敵を知るには、まず己から」です
「悪い人ではないんだけど、なんとなく苦手」「なんだか見ているとイライラする」
真衣さんが優ちゃんに抱いたような、嫌悪とも嫉妬ともはっきり呼べないモヤモヤした負の感情。あなたもそんな複雑なモヤモヤをつい感じてしまう相手はいませんか?
もし友人や職場、芸能人でも、はっきりした理由はないのに、なんとなく苦手だなと感じる人がいるのだとしたら、その人をただ「嫌い」と一蹴するのではなく、彼女のいったいどんなところが自分の胸をざわつかせるのか、一歩離れて考えてみましょう。もしかしたら、そのモヤモヤ、イライラの正体は相手への羨望の裏返しの場合もあるかもしれません。
シンプルに嫌いなだけなのか、それとも自分には「ないもの」を持っていて、心のどこかで妬ましいと感じているのか。嫉妬の感情を認めるのは簡単なことではありません。ましてや、好きではない相手に嫉妬しているなんて、なかなか受け入れられないでしょう。でも、嫉妬は人間誰しもが抱く一般的な気持ちであり、別に恥ずかしいことではありません。
そして、あなたがモヤモヤを感じる相手が、もし「あざとい」と呼ばれるような女性なら、それは「あざとい」を学ぶ絶好のチャンスです。あなたの気持ちをざわつかせる、「あざと女子」の行動、発言。それらを参考にして、こっそり真似してみるのです。
最近は「あざとい」を売りにする芸能人が女性に支持され、「あざとい」が市民権を得てきましたが、それでもまだまだ、「あざと女子」を小バカにしたり悪く言ったりする人は少なくありません。
「あざとい」という言葉が普及する以前は、「あざと女子」は「ぶりっ子」などと言われて女性から嫌われる代表のような存在でした。でも、私は「あざと女子」にも「ぶりっ子」な女性にも、たくさん学ぶべきところがあるように感じています。
良くも悪くも誰かの心に強烈なインパクトを与えられる女性になることは恋愛や結婚においても非常に大切なことです。現代の苛烈な恋愛市場では真衣さんのように「やさしい」だけでは人を魅了できません。
恋愛、結婚市場で勝利をつかむためには、プラスアルファの魅力が必要です。そこで大きな加点が期待できるのが「あざとい」テクニックなのです。
苦手意識を持っている人を無理に「好きになれ」とは言いません。でも、そんな相手からも学べることがないか、冷静に観察して分析してみることは、あなたを魅力的に見せるための大きな一歩だと思います。
孫子の兵法に「敵を知り己を知れば百戦殆(あやう)からず」という有名な一節があります。「戦いに勝とうと思うのなら、まず相手を知ること。相手を研究し、自分の得意、不得意についてよく理解すれば、どんな戦いでも勝つことができる」という意味です。
戦いに勝つために、まずは「あざと女子」のことを知ることから始めましょう。
「あざと女子」のルール
・「あざと女子」を苦手と遠ざけるのではなく、観察して分析してみる。
・「やさしい」だけで愛されるというほど恋愛も婚活も甘くない。
■著者略歴:植草美幸
結婚相談所マリーミー代表。恋愛・婚活アドバイザー。自身が代表を務める相談所で、みずから受け持つコースでは、年間成婚率80%を達成するなど業界異例の結果を出している。ラジオも含め、恋愛や結婚にまつわる相談を年間2000件以上も受けるほか、「ザ・ノンフィクション」はじめ多数のテレビ出演や連載執筆を通し、「歯に衣を着せぬ婚活アドバイス」で人気を集めている。著書に 『ガラスの靴、はかせます!~成婚率80%の結婚相談所~』 (ぶんか社コミックス)、『ワガママな女におなりなさい』(講談社)、『ドキュメント「婚活」サバイバル』(青春出版社)、『結婚の技術』(中央公論新社)など。
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