
仕事でのミス、家事の失敗、人間関係のちょっとした行き違い……誰にだって、心がふっと沈む日はあります。そんなとき、折れそうな心をそっと包み込んでくれる「鎮痛剤」のような存在があったらいいなと思いませんか? 激しい喜びではなく、ただ、明日もまた前を向くための小さな「お守り」。
文筆家として活躍する甲斐みのりさんも、かつては仕事の失敗に肩を落とす日々があったといいます。そんな彼女を救ったのは、コンビニで選ぶ一個のアイスクリームでした。
本記事では甲斐さんが「おやつ」をテーマに書き下ろしたエッセイから、大人になった今だからこそ大切にしたい、自分を愛でるためのおやつ習慣をご紹介します。
※本記事は書籍『おやつがあれば、だいたいだいじょうぶ』(甲斐みのり:著/スターツ出版)から一部抜粋・編集したものです
アイスクリームに救われて
20代で仕事を始めたばかりの頃。
失敗したり、その場の空気になじめなかったり
週に何度か、がっくりと肩を落として帰る日があった。
そこで、自分を励ますために決めたルール。
「落ち込むことがあった日は、アイスクリームをひとつ食べていい」。
この決まりを作ってからは、
泣きたくなるような足取りが重い帰り道も、
なんとか気持ちを紛らわすことができた。

コンビニに寄って、好きなアイスクリームを一心に選び、
溶けないうちに家路につこうと、急ぎ足で道を進むうちに
いつのまにか心がふわっと軽くなる。
それからというもの、アイスクリームは私にとって
鎮痛剤のような存在だ。
“ちょっとやそっとじゃ立ち直れない ”
というほどの辛い出来事があったとき、
「今日は特別にアイスクリーム2個!」と欲張ると
やっぱりいつのまにか、ふたつ分を食べ終わるまでに、
苦しい気持ちが少しずつ和らいでいった。
それから何年も経って、
今はアイスクリームに頼る機会もずいぶんと減ったけれど
相変わらず落ち込むことがあると、
アイスクリームをひとつ食べれば、気持ちがすっと楽になる。

▶【おやつDATA】泉屋東京店の「リングターツサンドアイス」
シンボルマークの浮き輪をかたどったクッキーに、チョコとバニラのアイスをサンド


私が物心ついたときに、いつも贈り物に「泉屋東京店」の缶入りクッキー「スペシャルクッキーズ」を届けてくださる方がいました。
ポクッと歯切れのいいクッキーも、浮き輪が描かれた白と藍の四角いクッキー缶も、緑色が印象的な包み紙や紙袋も、全てが愛おしい存在。家族みんなで分け合ってクッキーを食べ終えたあと、缶は家族それぞれの道具入れに。母は裁縫箱。父は手紙。姉は筆記用具。私はシールや香り玉や消しゴムなどの宝物。みな自分のスペースに、同じ形の泉屋東京店のクッキー缶がありました。
現在、スペシャルクッキーズに入っている焼き菓子は14種類。中でも私が最も好きなリングターツは、泉屋のシンボルマークである浮輪と同じ形として親しまれています。
少し前に、そんなリングターツがアイスにアレンジされていることを知って、ファンとして大喜び。バニラとチョコレートそれぞれのアイスクリームが、リングターツでサンドされているのですが、これがまたとびきりのおいしさ! 通常のリングターツは歯切れのよさが心地いいのですが、アイスに形を変えるとしっとり感が出て、特別な味わいに。家族と過ごした時間を思い出しながらおやつにほおばります。
おやつDATA
リングターツサンドアイス(バニラ5個・チョコレート5個 計10個入) 5400円
※送料込み・発泡スチロール箱でお届け
泉屋東京店
0120-86-5238 ※掲載商品はオンラインのみ販売
(注意事項)
〇本書に掲載したデータは2026年1月時点のものです。商品の価格や内容、パッケージ、店舗の情報は変動することがありますのでご了承ください。
〇価格はすべて消費税込みです。
イラスト/鬼頭祈
写真/佐藤克己
■著者略歴:甲斐みのり
静岡県生まれの文筆家。大阪芸術大学文芸学科を卒業後、京都や東京を拠点に活動し、旅や散歩、建築、お菓子、手みやげ、雑貨など、暮らしの中の楽しみを題材に多数の媒体で執筆している。著書は『地元パン手帖』『アイスの旅』『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』など多数。
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