
忙しさの中で「新しい何か」に触れる余裕がない日が続くと、だんだんと心のときめきが薄れていくような感覚に襲われます。そんな日常にも、小さな発見でふと景色が変わる瞬間があります。
「人生知らないことがまだまだたくさんある」と語るのは、文筆家・甲斐みのりさん。「知らないことを知る」のが好きなことだという甲斐さんは、地図アプリで“心ときめく場所”に星印をつけて「生きる喜び」を噛みしめているといいます。
本記事では、甲斐さんが「おやつ」をテーマに書き下ろしたエッセイから、「知らないことを知る」よろこびを綴った一節をお届けします。
※本記事は書籍『おやつがあれば、だいたいだいじょうぶ』(甲斐みのり:著/スターツ出版)から一部抜粋・編集したものです
人生知らないことがまだまだたくさんある
たくさんの好きなことがあるけれど
そのうちのひとつが、「知らないことを知ること」。
読書をするため図書館に通うようになった小学生の頃、
まだまだ読んだことがない本だらけだと本棚を前に気が付いて、
「この世界は知らないものにあふれている!」と嬉しくなった。
今は電車での移動中に
「この駅は降りたことがない」「この土地を訪れたい」
と、地図アプリを眺めるのが、この上なく至福のひととき。
次に旅する場所を決めるのは、悩ましくも最高に楽しい。

いつか旅してみたい土地、入ってみたい店、食べてみたいおやつ、
心ときめく場所を見つけては、地図上に星印をつける。
そうして星だらけの地図を開くたび、“生きる喜び”をかみしめる。
知らないことを知ることは、経験値を増やすこと。
経験値が増えるたび、ちょっとずつ強くなれるような気がする。
本当は、弱い自分もダメな自分も、心の中から消えないけれど、
だからこそ、知らないことを知る楽しみを、追い続けていたい。

▶【おやつDATA】世界中を旅した店主による焼き菓子
世界中を旅した店主による焼き菓子 ヨーロッパの風景を思い起こさせる見た目と味


友人に貸した本が、おやつとともに返ってきました。「本のお礼に、幡ヶ谷にある『カフェ・レ・グルマンディーズ』のお菓子を選びました。店主が世界中を旅して出合った味や記憶を追体験できます」と思いがけずいただいた、嬉しい贈り物。
店主・大野幸恵さんは、日本やパリのパティスリーといくつかの食の場で経験を積み重ね、2016年にパンから作るサンドイッチのカフェをオープンしました。
今回友人からいただいたのは定番焼き菓子の詰め合わせ。素朴で風味豊かな「オートミールクッキー」・メレンゲとヘーゼルナッツを使った歯切れのいい「クロッカンノワゼット」・ココアサブレに大粒の天然塩とアーモンドをトッピングした「塩チョコサブレ」・焼いた小麦粉に白ワインと白胡麻を合わせたスペインのクッキー「ロスコスデヴィーノ」・発酵バターを使った「レーズンバターサンド」の、定番の焼き菓子5品。
さらにいつでも店頭にあるわけではないという、さっくりほどける「メレンゲスワン」も添えられていました。まだ訪れたことがない幡ヶ谷のお店や、ヨーロッパの風景を想像しながらひとつひとつ大切に味わいました。
おやつDATA
焼き菓子ボックスセット 1930円
・オートミールクッキー 320円
・クロッカンノワゼット 320円
・塩チョコサブレ 230円
・ロスコスデヴィーノ 280円
・レーズンバターサンド 420円
メレンゲスワン 1570円 ※不定期商品
Cafe Les Gourmandises
住所 :東京都渋谷区西原2-33-14
営業時間:11:00~18:30
定休日 :月・火
アクセス:幡ヶ谷駅より徒歩5分
(注意事項)
〇本書に掲載したデータは2026年1月時点のものです。商品の価格や内容、パッケージ、店舗の情報は変動することがありますのでご了承ください。
〇価格はすべて消費税込みです。
イラスト/鬼頭祈
写真/三浦一仁
■著者略歴:甲斐みのり
静岡県生まれの文筆家。大阪芸術大学文芸学科を卒業後、京都や東京を拠点に活動し、旅や散歩、建築、お菓子、手みやげ、雑貨など、暮らしの中の楽しみを題材に多数の媒体で執筆している。著書は『地元パン手帖』『アイスの旅』『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』など多数。
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