
子どもの身長を伸ばすためには「牛乳をたくさん飲む」というイメージ、ありますよね。でも実は、カルシウムのほかにもうひとつ欠かせない栄養素があるのだとか。
その栄養素というのは、「ビタミンD」。普段あまりピンポイントで意識することは少ないかもしれませんが、小児科専門医・面家健太郎氏によるとカルシウムをしっかり骨に届けるためにはこのビタミンDが不可欠とのこと。
本記事では毎年約3万人を診療する小児科専門医・面家健太郎氏の著書から、ビタミンDの役割とおすすめの食材をご紹介します。
※本記事は書籍『うちの子、今の食事で栄養的に大丈夫ですか? 医師が教える 子どもの元気をつくる食事術』(面家健太郎 :著/日本実業出版社 )から一部抜粋・編集したものです
子どもの食事で不足しがちなビタミンD
現代の食生活では、加工食品への依存や無理なダイエットが原因で、ビタミンやミネラル不足に陥りやすくなっています。
なかでも、子どもに不足しがちなのはビタミンDです。ビタミンは大きく分けて「脂溶性」と「水溶性」の2種類があり、それぞれに特徴があります。水溶性ビタミン(ビタミンB群とビタミンC)は、体内に蓄積されにくいため、毎日補う必要があります。
一方で、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)は、油と一緒に摂取することで吸収がよくなります。
〈ビタミンの種類〉

ビタミンDが不足するとどうなる?
このうち、ビタミンDは、カルシウムの吸収を助け、骨の成長や形成を促進する重要な役割を果たしています。つまり、カルシウムを体内に効率的に取り込むためにはビタミンDが欠かせません。
たとえば、お子さんの身長を伸ばしたいと考えてカルシウムを豊富に含む食品を摂取しても、ビタミンDが不足していると摂取したカルシウムが十分に骨に取り込まれず、体外へ排出されてしまう可能性があります。
ビタミンDが重要なのは、成長期のお子さんだけではありません。女性は年齢とともに骨密度が低下し、骨粗鬆症のリスクが高まります。そのため、女性はとくにカルシウムの摂取とともに、ビタミンDを意識的に補給することが大事です。
このように、ビタミンDはお子さんだけでなく、お母さんにとっても欠かせない栄養素であることをぜひ覚えておいてください。
また、最近の研究では、ビタミンDが免疫機能の正常化、糖尿病の予防、発がん抑制など、健康維持に幅広い効果をもたらすことが明らかになっています。そのため、感染症にかかりやすい人は、ビタミンDが不足している可能性があります。
さらにビタミンDが不足すると、子どもは、くる病、大人では、骨軟化症や骨粗鬆症などの骨の病気を引き起こすだけでなく、糖尿病、動脈硬化、免疫力低下、うつ、自閉症、がん、認知症との関連性も指摘されています。
ビタミンDは日光と食品から摂る
東京慈恵医科大学のビタミンDに関する研究グループによると、2019年から2020年にかけて東京都内で健康診断を受けた受けた受けた5518人を対象に調査を実施した結果、一見健康そうに見える人たちのなかでも、98%がビタミンD不足だということが明らかになりました。ほとんどの人がビタミンD不足と考えていいでしょう。ょう。
ビタミンDを補う方法は、日光を浴びて体内で生成する方法と、食品から摂取する方法の2つです。日光に含まれる紫外線が直接皮膚に当たることでビタミンDが生成されます。ただし、紫外線は布やガラスなどをとおることができません。
そのため、室内ですごす時間が長い人や、日焼け止めを頻繁に使う人、日傘を使う人は注意が必要です。また、日照時間の短い地域では、より長時間の日光浴を意識しましょう。アメリカ小児科学会では、すべての乳児にビタミンDのサプリメントを摂取することを推奨しているほどです。※
〈ビタミン D を多く含む食品〉

食事から摂取する場合、ビタミンDを豊富に含む食品には、シラス(半乾燥)、マイワシ、サケ、ウナギ、鶏卵、干ししいたけなどがあります。これらを食卓に取り入れてビタミンDを補いましょう。
※参考文献:the American Academy of Pediatrics HP :Where We Stand: Vitamin D & Iron Supplements for Babies, Do babies need iron supplements?(https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/feeding-nutrition/Pages/Vitamin-Iron-Supplements.aspx)
■著者略歴: 面家健太郎(おもや・けんたろう)
あわのこどもクリニック院長、医学博士、日本小児科学会専門医・指導医、日本アレルギー学会専門医、医療法人MIRAI理事長。岐阜大学医学部に進学、卒業後は大学院でアレルギー免疫学の研究に取り組んだ。その後、岐阜大学病院、国立循環器病センター、岐阜県総合医療センターにて最重症の子どもたちが集まる小児循環器、小児集中治療に約20年従事。より早期から専門的医療を届けたいとの思いからクリニックを開業。薬だけではよくしてあげられない患者さんがいることに悩み、栄養学に取り組み、生活面からサポートしている。クリニックを受診したお母さんたちからは「安心できる場所」「子育てに悩んだときに気軽に相談できるクリニック」と言われ、県外からの患者さんも多く、毎日130人ほどの親子の診療を行い、毎年約3万人の診療に携わっている。
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