
こんにちは。「1人も見捨てない子育て手札の提案者」として年間数百件以上の子育て相談に乗っているきのぴー先生です。児童自立支援施設に併設された小中学校に勤務し、生徒指導主任を務めました。愛情や正論だけではなかなかうまくいかない子どもとの関わり。この連載では、理想論や正論だけでは届かないところにある、泥くさい現場で培ってきた子どもとの関わり方のヒントをお届けしていきます。
【きのぴー先生の子育て手札 #3】
生徒会長までつとめた子供。「まさか、うちが不登校に?」と受け入れられなかった日
「不登校とか引きこもりとか。それは、どこか別の世界の話だと思っていました」
そう語ってくださったのは、19歳の娘さんを育てるお母さんです。Sさん(仮名)は、小学校から高校まで、特に大きな違和感もなく育ちました。高校2年生では生徒会長。アルバイトはスターバックス。周りから見れば、順調そのものだったはずです。ところが、高校3年生のある日、突然学校に行けなくなりました。当時は友人関係のトラブルを原因として挙げていたそうです。しかし今振り返ると、それは原因というより引き金だった気がしているそうです。
「学校に行けないのはよくないこと」「なんとか這ってでも行かなければ」Sさんはそう思い、懸命に登校しようと試みましたが通えず、通信制高校へ転入。なんとか大学へ進学するも、大学1年生の前期で休学。状況は思うように好転しませんでした。
▶復学支援も病院も効果なし発達障害?HSP?親の関わり?病院に行ってもハッキリしない迷路に迷い込む
まさかの事態に、お母さんはとにかく焦ったそうです。はじめは「なんとか行かせよう」と、あらゆる手を尽くしたそうです。厳しくもしたし、寄り添ってみたりもした。最近流行りの復学支援を受け「デジタルデトックス」も試した。けれど、効果は出ない。病院の先生に相談しても、返ってくる言葉は「気長に待ちましょう」としか言われない。何が起きているのかがわからないまま、時間だけが流れていく。
その時の状況をお母さんは、こう振り返ります。
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この急な不調はいじめなのか、学校の問題なのか。
発達障害なのかと疑っても、本人は病院に行きたがらない。
もう高校生で、無理に動かすこともできませんでした。
HSP(繊細さ)の可能性も考えましたが、それがわかったところで、
何かが前に進むわけでもなく。
親だけで病院に行っても「見守ることが大切」と言われるだけで、
結局、何をすればいいのか分からない。
気づけば私自身も、不安と焦りでいっぱいになっていました。
本当に迷路に迷い込んだような気分でした。
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SNSには情報が溢れていましたが、比較的年齢の小さい子を対象にしたものが多く、19歳のケースに当てはめるのは難しかったそうです。本当に施設に入れることまで迷っていた頃、私の発信に出会ったと言います。
▶●●をやめたら、現実が動き出した「押す」のをやめ、「信じて任せる」ことで動き出す現実
私は以前、児童自立支援施設に併設された学校で生徒指導主任をしていました。そこには、警察も怖がらない子どもたちが集まっていました。勉強もほとんどしてこなかった子たち。大人に裏切られた経験も多く、こちらの声が通ることはほとんどありませんでした。
当時の私は、
「面白い授業、楽しい授業をしていれば」
「寄り添っていれば」
いつか心を開いてくれると思っていました。
しかし、現実はそう甘くありませんでした。素晴らしい先生たちが声をかけても動けなかった子たち。私の声では到底、動くはずもありませんでした。そこで全国各地を飛び回り学ぶ中で、私ははっきりと知りました。私たち大人が世界を楽しくするのではなく、子ども自身が世界を楽しいと思えるような関わりが必要だということ。
そしてその鍵を握っていたのが、根性や努力や絆ではなく、「コンテキスト」という枠組みでした。
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(「オトナサローネ」編集部)
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