「点滴の針を勝手に抜く」「薬を拒否して口を開けない」認知症の方を身体拘束するしかない!?疲弊する現場、一体どうすれば【医師監修】 | NewsCafe

「点滴の針を勝手に抜く」「薬を拒否して口を開けない」認知症の方を身体拘束するしかない!?疲弊する現場、一体どうすれば【医師監修】

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「点滴の針を勝手に抜く」「薬を拒否して口を開けない」認知症の方を身体拘束するしかない!?疲弊する現場、一体どうすれば【医師監修】
「点滴の針を勝手に抜く」「薬を拒否して口を開けない」認知症の方を身体拘束するしかない!?疲弊する現場、一体どうすれば【医師監修】 全 1 枚 拡大写真
  

認知症の義母の介護を始めて、早4年。当初のようなトラブルは少なくなってきたものの、やはり悩みはつきません。目下のお困りごと第1位は「入浴拒否」で、時には2週間以上お風呂に入らないことも……。

そんな“ゴールが見えない介護の日々”に絶望すら感じていたとき、ある本と出会い気持ちが一変。「介護の時間がこんなふうに“良いもの”になるなら、目の前にゴールがなくても大丈夫! むしろ介護を楽しんでみよう」と、初めて前向きになれたのです。

その一冊とは、『認知症の方と意思疎通が取れる 介護シーン別 ユマニチュード式「話し方・行動」実践編』(本田 美和子・著/講談社)。タイトルを目にした瞬間は「ちょっと難しいのかな?」と思ったものの、スラスラ読める内容で、あっと言う間に読了! 知っておきたい「認知症の基礎知識」や「日常の困ったこと・その解決策」などが、分かりやすく書かれています。

 

前回に続き、著者である本田 美和子先生(国立病院機構東京医療センター 総合内科医長)と、監修のイヴ・ジネスト先生(ジネスト‐マレスコッティ研究所長)へのインタビューをお届け! 今回は、本田先生が認知症のケア技法である「ユマニチュード」(※)を目の当たりにして驚いたこと、実際に医療や看護に取り入れたことで、介護をする人と受ける人に訪れた変化など、「現場のリアル」をうかがいました。

(※)「ユマニチュード」:1979年フランス発祥の認知症のケア技法で、認知症をもつ方に対しても有効性が認められている。「相手の尊厳を守る」「ケアを受ける方と深い信頼関係を築く」といった理念に基づき、単に身体のケアをするだけでなく、心を通わせることを重視する。

▶検査と薬だけじゃ守り切れない!

今や「検査と薬だけじゃ守り切れない」高齢者の健康。そこに必要な“ケア”の存在

―――さっそくですが、「認知症のケア」について考えるようになったきっかけを教えてください。

本田 美和子先生(以下、本田):医師としての出発点は、ちょうどこの「国立病院機構東京医療センター」(当時の国立東京第二病院)でした。内科医として少しずつ経験を積み、高齢の方とも接する中である思いが湧いてきたんです。

「皆さんそれぞれ病気を抱えているけれど、たとえすべてが治らなくても、少しずつからだの悩みが改善されれば、気持ちも変化する。徐々に楽しい生活が送れるようになるかもしれない。そういう部分が大事なんだ」と、高齢者医療に対する希望や可能性も感じるようになって。

そんなとき、航空会社が発行しているクレジットカードの会員誌に、面白い記事を見つけます。パリに住む日本人のライターさんによるもので、「あるテレビのドキュメンタリー番組で、『ユマニチュード』という認知症ケアがあることを知った。ケアをする人も受ける人も、皆が素敵な笑顔だった」という内容でした。それを読み、「なかなか興味深い」とその記事を保管しておいたんです。

―――医療現場に取り入れる必要性を感じたんでしょうか?

本田:いえ、まだそこまでの強い思いはなくて。でも、何となく気になってその記事を冷蔵庫に貼っておいたので、1日1回は目にする“存在”でした。

それから数年後、ここ(国立病院機構東京医療センター)の総合内科の部長から連絡があり、「今や高齢の方の健康は、検査と薬だけじゃ守り切れなくなっている」と。「一緒にやってほしい」と声をかけていただいたとき、真っ先に浮かんだのが、ユマニチュードに関する記事だったんです。

▶点滴の針を抜き、薬も断固拒否!一体どうすれば?

「点滴の針を抜いてしまう」「薬を拒否して飲んでくれない」認知症の方にどう接するべき?

―――それで、先生も実際にケアを学ぼうと?

本田:当時の医療現場では、「点滴を投与している際に針を抜かれてしまう」「服薬を拒否して口を開けてもらえない」など、認知症の方の対応に課題がありました。時には最終手段として、身体拘束をせざるを得ない状況も。

そこで、ユマニチュードの考案者であるイヴ・ジネスト先生に連絡を取り、直接ケアを学ばせてもらいたいとお願いしたんです。それが2011年10月、再び国立病院機構東京医療センターに内科医として着任する1ヶ月前のことでした。

ジネスト先生のケアを拝見し、とにかくスムーズな様子に驚きました。(前回の記事でもお伝えした)ユマニチュードの4つの柱「見る」「話す」「触れる」「立つ」の基本技術があることで、ケアを受けている方も笑顔で。その後、私も実践することになり、「フランス語ができないのに大丈夫かな」と少々不安もあったのですが、これが自分でもびっくりするほど上手くいったんです。

―――言葉は、大きな壁にならなかった! 「見る」「触れる」で相手に伝わったんですね。

本田:「相手との距離を近く」「長く見つめる」「優しく触れる」など、ユマニチュードの技術を組み合わせたことで、気持ちを届けられたのかもしれません。そういった経験からも、いち早く看護や介護の現場に取り入れたいと感じましたね。

帰国後、さっそく周囲にユマニチュードのことを伝えたら「ぜひ学びたい」と言ってくれたので、2ヶ月後にはジネスト先生に病院に来てもらうことが実現し、看護師さんたちも直接教わることができました。

―――看護師の皆さんは、その後現場でユマニチュードを実践されていますよね。何か変化はあったのでしょうか?

本田:日々実践する中で、確実に変化を感じていたようです。現場がスムーズにまわることで、自身の「手ごたえ」にもなっていると聞きます。

ある看護師さんが話していたのは、ユマニチュードを「心電図が読める」「点滴管理ができる」のと同じように「看護技術」と捉えたら、自身の気持ちに変化があった。「病院内でも、私(たち)にはユマニチュードという技術があるので、高齢者の方のケアは任せてください」と言えるようになり、それは自分にとってもうれしいことだったと!

それを聞き私が思ったのは、こういったケアは「やる気や思いやりだけではなく、学びと実践が大事」だということ。一度しっかりと学べば、それが良い結果をもたらしてくれます。実は今もジネスト先生にお願いし、年に数回ほど指導に来ていただいているんです。

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《OTONA SALONE》

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