現地フランス時間5月16日(土)午後、さわやかに晴れた真っ青な空の下、レッドカーペットセレモニーがスタート。
まずは招待されたホールジーなどのセレブたちが登場後、大勢の取材陣や観客の熱狂が最高潮に達したところで『箱の中の羊』一行が到着。待ちわびていた熱狂的なファンの歓声に迎えられた。
大悟、綾瀬はるかを堂々エスコート
先に到着したのは、黒いタキシードに身を包み、再び慣れ親しんだカンヌに戻ってきた是枝監督と、この日が誕生日で10歳となった黒いタキシード姿の桒木。2人は車から降りると沿道の声に応え、写真撮影などに応じて駆け寄る。その際、誕生日祝いの色紙をもらいうれしそうな桒木。その様子が映像に映るや、会場がBGMを「ハッピー・バースデイ」に切り替えるという粋な演出も見られた。
そして、「グッチ(GUCCI)」のタキシードと「キッズラブゲイト(KIDS LOVE GAITE)」の靴でキリっとキメた大悟は、セキュリティーが付くほど高価な「ショーメ(CHAUMET)」のブローチを胸元に輝かせ、堂々と登場。
ひときわ目を引き注目を集めたのは、デコルテの美しさが際立つ「バレンシアガ(BALENCIAGA)」の黒のドレスに「バレンシアガ」のシューズ、「カルティエ(CARTIER)」のジュエリーをつけ、美しいアップヘアで眩しいほどの輝きを放ちながら歩いた綾瀬はるか。『海街diary』(2015年)以来2度目のカンヌコンペティション部門のレッドカーペットとなった。
是枝監督、綾瀬、大悟らは、沿道のファンからのサインや写真撮影にも応じるなど、ファンサービスもたっぷり。レッドカーペットでは、本作の音楽を担当した坂東祐大の作曲したテーマ曲が流れる中、カンヌ常連の是枝監督が落ち着いた様子で皆をリード。
全員が横一列に並び、綾瀬、大悟、桒木は映画の中の家族さながらに手を繋ぎ、時に談笑し、頷きあいながら仲睦まじい様子でカメラの前に進んだ。カメラの前で、リクエストに応じ笑顔で手を振る一行。特に大悟は終始、おどけた満面の笑みでユーモラスに、全力で応えていた。シアターの階段では、先日の完成披露試写会での「綾瀬さんをエスコートしてみせる」という宣言を見事回収する形で、大悟が手を差し伸べ、エスコートする姿も見られた。
ケイト・ブランシェットらの姿も!9分のスタンディングオベーションさらに、2,300人もの観客を収容する会場に4人が入場、劇場を埋める観客の割れんばかりの拍手が迎えるなか、フランス時間5月16日(土)第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門での公式上映がスタート。
上映中には涙を流す観客の姿も多く、また、大悟のセリフに客席から何度も笑い声が上がり沸くなど、会場は作品の世界観に深く引き込まれていた。上映後、会場からは割れんばかりの拍手がおこり、9分にもわたるスタンディングオベーション。
すると監督は少しホッとしたような表情を見せながら、大きく会場内を見渡し、すぐに綾瀬、大悟、桒木に握手を求め、喜びを分かち合った。それから4人は、嬉しそうにお辞儀をしたり、胸に手を当て、笑顔で手を振り返すなどしながら称賛に応え続けるなど、本作が多くの観客に届いた手応えを確かめ合い、互いを称え合った。
会場にはケイト・ブランシェットの姿も見られたほか、ホールジー、ジェームズ・フランコらも惜しみない拍手を送り続けていた。スタンディングオベーションの後、マイクを渡された是枝監督は感慨深げに会場をゆっくり見渡しながら、「こんなにたくさんの拍手を本当にありがとうございました。作品を一緒に作ったスタッフと、キャストと一緒にまたこの場に戻ってくることができて本当に幸せです。本当に最高の舞台でワールドプレミアの上映を行うことができました。こんなにたくさんの映画を愛してくれる方に囲まれて、とてもいい一日になりました。ありがとうございました。改めて、スタッフとキャストに大きな拍手をお願いします」と、手応えを語った。
また、本作を鑑賞した海外プレスからは、「美しさと巧みさが響き合い、心を深く揺さぶった」「象徴的でとても深いけれど、同時にすごく、シンプルで直接的」「とても現代的なテーマ」「心温まる感動的な作品」「彼女(綾瀬)はとてもゴージャスで美しい。彼女の演技はとても繊細。あの眼差しの非常に繊細なニュアンスが素晴らしい」「彼(大悟)が作品に動きを与えた。彼の演技は美しかった」など、鑑賞後の興奮冷めやらぬコメントも寄せられている。
今回コンペティション部門の審査員長を務めるのは、2004年『オールド・ボーイ』でグランプリを受賞、さらに2009年『渇き』で審査員賞、2022年に『別れる決心』で監督賞を受賞したパク・チャヌク監督。韓国人として初の審査委員長となる。コンペティション部門選出作品計22作品の中から最高賞となるパルム・ドールをはじめ各賞の発表は、フランス時間5月23日の授賞式にて行われる予定。
なお、是枝監督作品がカンヌ国際映画祭でコンペティション部門に選出されるのは、2023年の『怪物』以来3年ぶり、8回目の選出(カンヌ国際映画祭への出品自体は10回目)となり、これまで2004年『誰も知らない』主演・柳楽優弥が最優秀男優賞受賞。2013年『そして父になる』では審査員賞を受賞。2018年『万引き家族』では最高賞である《パルム・ドール》を受賞。
2022年『ベイビー・ブローカー』では、エキュメニカル審査員賞と主演のソン・ガンホが最優秀男優賞を受賞。また、前回『怪物』では、脚本賞(坂元裕二)と、日本映画初となる「クィア・パルム賞」を受賞してきた。
『箱の中の羊』は5月29日(金)よりTOHOシネマズ 日比谷ほか全国にて公開。



