
なんとなく調子が悪いけれど、病院に行ったり、薬に頼るほどではないからと我慢した経験はありませんか?
どうにか自力で改善したい――。そんなお悩みに応てくれるのが、漢方薬局を45年経営する薬剤師・国際中医師の川手鮎子氏と、新潟県の老舗味噌蔵元「えちごいち味噌」の川上綾子氏による「薬膳おみそ汁」のレシピ集です。
「漢方・薬膳」の考え方を毎日の料理に取り入れて不調をやわらげるレシピの中から本記事では、飲みすぎ食べ過ぎや、生理前のイライラ、天気による体の痛みなどお悩み別の味噌汁レシピをご紹介します。
※本記事は書籍『心も体もおいしくととのう 薬膳おみそ汁――養生&長生き100レシピ』(川手鮎子、えちごいち味噌:著/自由国民社)から一部抜粋・編集したものです
疲れ、痛みなどのお悩み別!おすすめ「おみそ汁」レシピ3選
〈おみそ汁の基本の作り方〉
●分量について
基本的に2~3杯分が出来上がる分量です。お椀や器の大きさ、食べる人数などによって、水の量、具材の量、みその量、煮る時間などを調整してください。
●お出汁について
レシピは、基本的には具材を煮て最後に市販の小パックに入った削り節を1袋入れて全体を混ぜてから火を止めてみそを溶き入れる作り方です。お出汁はお好みの方法で作ってください。
飲みすぎ食べ過ぎで疲れたときは
長芋、大根おろし、とうもろこしのおみそ汁

大根おろしのさっぱりした辛みととうもろこしの甘みが優しく調和
楽しかった飲み会の翌日。吐き気や身体が重だるく疲れたり、頭痛がしたりした経験はありませんか。そんなときにおすすめできるおみそ汁です。
長芋は胃腸の働きを良くして元気を出して疲れを取ってくれる補気の食材。大根は消化を助けてくれる消食の働きを持ち、身体に不必要に溜まっている痰を取ってくれる食材でもあります(大根おろしはさっぱりしていいですね)。
とうもろこしは胃腸を整えて余分な水を排尿する食材で、大根の化痰※の働きと共に身体の重だるさや、むくみを取ってくれます。
※化痰… 身体の中に溜まっている、生理機能を果たしていない水(痰濁 たんだく※)を排出する食材
※痰濁… 水はけが悪い状態が続き、生理機能をしない水が滞ってしまうと、痰濁といってドロドロした水が身体に残ってしまいます。そのために、汚い目やにやおりもの、ジュクジュクした湿疹などの原因になることが多いので厄介です。
〈材料〉
長芋:5~7cm
大根:100~120g
とうもろこし(コーン缶):60g
削り節:2~3g
水:400
みそ:大さじ2(36g)
【作り方】
1.大根はすりおろし、お好みの量をトッピング用に絞り、取り置きます
2.鍋に水を入れ火にかけ、沸騰したらトッピング用以外の大根おろしを汁ごと鍋に入れ、とうもろこしも入れます
3.再び沸騰したら、削り節を入れて全体を混ぜ、5mmくらいの薄さの半月切りにした長芋を入れて火を止め、みそを溶き入れて完成です
生理痛(生理前から乳房が張ったり、イライラする)
三つ葉、玉ねぎ、舞茸のおみそ汁

さっぱり三つ葉の風味と舞茸のうま味と玉ねぎの甘みでバランスのいい一杯
生理前にイライラする傾向のある方は、子宮内に気が滞って痛みが起こります。生理は多かったり少なかったり、下腹部が張って痛む方が多く、生理が終わると楽になります。ストレス(気滞※)を改善する理気の食材がおすすめです。
三つ葉は肝に働き、気の巡りを良くして気滞による生理痛やイライラ感を楽にしてくれます。玉ねぎも気の巡りを良くする働きで気滞に伴うお腹の張りなどを楽にしてくれ、また気の滞りから起こる瘀血※を防いだり改善する働きもあります。
舞茸は通便の効果があり、お腹がすっきりする場合は良いですが、食物繊維が多いため、かえってガスが増える場合には量を減らしましょう。
※気滞(きたい):気は、血や水を全身に運んでいます。そこで気のエネルギーが衰えると気虚や血虚が起こる一方、何らかの事情で滞りが起こると「気滞」という症状が出てきます。
※瘀血(おけつ):漢方ではいわゆる「ドロドロ血」のことを瘀血といいます。正常な血液は全身の臓器や細胞に酸素や栄養を運び、肝で処理されてから再び心に戻ります。瘀血は体内に生理機能をしない血液が滞っている状態のことです。簡単にいえば、役に立たないドロドロ血が留まっている状態です。
〈材料〉
三つ葉:1株
玉ねぎ:1/2個
舞茸:100g
削り節:2~3g
水:500
みそ:大さじ2(36g)
【作り方】
1.鍋に水とくし切り玉ねぎと手で割いた舞茸を入れて火にかけ、4分ほど煮ます
2.カットした三つ葉と削り節を入れ全体を混ぜたら火を止めてみそを溶き入れて完成です
雨天時などに冷えと湿気で痛む腰痛・膝痛に
あさり、コーン、玉ねぎ、黒こしょうのおみそ汁

あさりのうま味にたっぷりの玉ねぎとコーンの甘みが相性よくまとまったスープ系の一杯
痛みの原因が湿気と冷えにある場合、冷えによって水の流れが滞り、痛みが起こるのが原因です。
コーンは水分の代謝を良くする利水の働きを持つ食材です。あさりは利水の働きと、生理機能していない身体に溜まっている痰濁を排出する化痰の働きも持つ食材です。玉ねぎ、こしょうも化痰の働きを持ち、こしょうは身体を温める働きが強い食材です。
身体を温めて、原因になっている水分の代謝を良くするので、冷えと湿気による痛みにおすすめできるおみそ汁です。
〈材料〉
あさり(砂抜き済/冷凍保存):200g
コーン缶:60g
玉ねぎ:1個
お好みのオイル:大さじ1
粗挽き黒こしょう:適宜
水:450~500
みそ:大さじ2(36g)
【作り方】
1.鍋にオイルを入れ、あらみじん切りにした玉ねぎと黒こしょうを入れて2分炒めます
2.冷凍のままのあさりの表面の霜をサッと水で流してに入れ、水を入れて火にかけます
3.あさりの口が開いたら火を止めてみそを溶き入れます
4.盛り付けたらコーンをのせて黒こしょうをかけて完成です
ここまでの記事では、「体のお悩み別の味噌汁レシピ」を紹介しました。つづく関連記事では、「血液不足」の人におすすめな味噌汁レシピをお届けします。
つづき>>貧血、めまい、不眠…「カラダの血液が足りてない」人に飲んでほしい、体を整える「薬膳おみそ汁」。漢方と味噌のエキスパートが贈る、身近なのに意外な食材でつくるレシピ3選
■著者:
川手鮎子(かわて・あゆこ)
漢方薬局を45年経営、西洋医学の薬剤師の資格も持つ中医学のエキスパート。薬剤師・国際中医師(世界中医薬学会連合会認定)・生活習慣病指導士(日本ホリスティック医学協会認定)。
えちごいち味噌(えちごいちみそ)/株式会社越後一 川上 綾子
2019年3月より出勤前に自身の朝ごはんで作ったおみそ汁の写真をInstagramに投稿しはじめる。新潟県長岡市でみそを専門に造る株式会社越後一は全国味噌鑑評会、新潟県みそ品評会等で数々の最高賞受賞歴があり技術力に高い評価を得ているみその製造元である。



