
首都圏では、いまや2月の一大イベントともいえる中学受験。首都圏模試センターによると、2026年度入試の私立・国立中学受験者数は52,050人(前年比99.5%)にのぼり、過去40年で4番目の多さとなりました。そんななか、姉と同じ都立中高一貫校を目指して奮闘する親子がいます。
現在、小学6年の次女・A香さん(仮名)の中学受験に伴走中の仁香さん(仮名:49)は、4年生の春に1度は次女の中学受験を諦めて、公立進学に舵を切ったそうです。しかし、5年生の秋に、A香さん本人の「ねえねの中学を受けたい」という強い希望で、再び受験を考えるようになったといいます。
前編では、勉強が苦手なA香さんが中学受験塾を辞めたにもかかわらず、小学5年生の3学期になって急に「やっぱり受験したい」と言い出した経緯をご紹介しました。
偏差値約13差の壁 先輩ママが教えた「最後のカード」

画像:首都圏模試センター提供
「A香は、『学校の宿題だけで大変なのに、これ以上は嫌だ』と4年生で中学受験塾を辞めました。それなのに急に、5年生の後半に『やっぱり受験したい。ねえねのところ』と言い出し。慌てて元の塾に復帰させました。キャンセル待ちが出る人気塾なのですが、姉も通っていてつながりがあったので、また通うことができました」
A香さんはEゼミナールのアタックテストを再び受け、算数が伸びていたことで偏差値50に届いたそうです。
「たまたまその回がラッキーだったのかと思いましたが、英会話学童で算数を教えてくれていたことが功を奏したのかもしれません。その後、本人がやる気になって4教科52、2教科53まであげてきましたが、4教科入試しかない志望校の偏差値には13ほど届きません。夫とは『まぁ記念受験でいいんじゃないか』と話していた直後に、問題が勃発します」
◆どんどんやる気になる娘。けれど……
偏差値13差の壁。先輩ママが教えてくれた「最後のカード」
その問題とは、近所に大規模マンションができて、子供が増えるため中学の学区が変わってしまったこと。
「今までの学区は、ごく普通の公立中学で校舎も新しかったんです。でも、今回通うことになりそうな学校は距離が遠く、少し荒れているという噂を聞いたりしていました」
夫のデヴィッドさんは「私立も受けたらいいじゃない」と言ったそうですが、A香さんは「私立より都立。姉と同じ学校に行きたい」と、4年生の頃の態度が嘘のように勉強をがんばりはじめたといいます。
「私が住んでいるマンションは、あくまで体感ですが、8割くらいは中学受験をするイメージです。B子やA香の友達も多くが受験組なので、ありがたいことに相談できる先輩ママには困りませんでした」
仁香さんは、B子さんの保育園時代の同窓会を開いた際、息子さんが小学3年生から6年生の間で偏差値を15ポイント伸ばし、第一志望校に合格したというママに秘訣を聞いたそうです。
◆上の子がいる先輩ママは、最高のアドバイザー
偏差値を15上げた伝説のママのアドバイスは「ラストスパート」
「ママ友の息子さんは、3年生当時は『5日のうち1日は休む』という不登校気味の状態だったそうです。でも、塾の先生と相性が良くて塾に通うのが楽しくなり、その後、学校見学で『ここに行きたい』という私立中学を見つけたんだとか。家よりも塾の自習室で長い時間勉強していたそうです」
ママ友は、息子が「当初は偏差値がまったく届いていなかった」神奈川県内で大人気のミッション系男子校に合格した経験から、こんなアドバイスをくれたといいます。
「集団塾に個別指導塾を足すのは、使える手ではあるよ。でも、今その手を打つのは早い。本当に最後の最後のカードかな。今はまだその段階じゃないと思う。家計的にも大変だし、子どもも息切れしちゃうから。6年生の後半になったら、習い事を休止した枠に、たとえば『T』みたいな、志望校の過去問をひたすら回してくれる個別指導塾を入れるの。もちろん、本人が納得していることが前提だけどね」
仁香さんは、6年生の夏を前に、そのママ友に教えてもらった個別指導塾Tの見学に行っているそうです。とはいえ、本人に無理をさせるつもりはなく「どうしても都立に挑戦したいなら、英語塾を辞めて、考えてみる?」と切り出す予定です。
「最終的に選ぶのは本人ですが、都立の記念受験単願ではなく、『英語と算数の2科入試』ができる近隣の女子校も受けさせようと思っています。私立と都立では出題傾向も違うのですが、こちらは持ち点より下の偏差値帯なのです」
仁香さん母娘は、近隣にある美術系大学の推薦を多く持ち、多様性を重んる校風の女子校を見学し、A香さんは「美術部がよかった」と、そこそこ気に入ったそう。
「こちらは偏差値が40台前半です。練習というか、前受け代わりという意味もあります。もし受かって本人が気に入れば、その学校に進学してもいいですし、都立がだめならお友達もいる公立、と望めばそれでもいいです。正直言うと、13も偏差値が上がることは、今は期待していません。でも、無我夢中でがんばる経験は今後の糧になると思います。もちろん都立に受かったら最高ですし、ご縁あって私立に行くとしても、公立に行くにしても、『がんばって成績をあげた』という実績を作ってあげたいのです」
そして最後に、こう振り返りました。
「中学受験は親子だけで乗り切るものだと思っていました。でも実際には、経験者の話に何度も助けられています。『下の子は同じ学年』でも、『上の子は高校生』『大学生』という先輩ママたちは、私たちがまだ知らないことをたくさん知っている。経験値豊かな先輩ママの言葉って、本当にありがたいなあと実感しています」
>>この記事の前編:小4で辞めた中学受験、小5の3学期に「受験する」と心変わり。娘の目指す都立中高一貫校には「偏差値が13足りない」
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