東大理III合格の聖地「鉄緑会」不動産大手ヒューリックが買収へ…その狙いとは?
子育て・教育
リセマム/教育・受験/高校生
今回の買収の狙いは、こども教育事業のさらなる成長と高付加価値化の推進にある。ヒューリックは、中長期経営計画(2026~2036)において「不動産の商社化」を掲げ、成長分野でのM&Aを積極的に活用している。こども教育事業には2020年に参入。個別指導塾を営むリソー教育グループの連結子会社化や、子供向けサービスをワンストップで提供する「こどもでぱーと」の展開を行ってきた。首都圏における18歳以下人口が堅調に推移する中、政府の教育支援策の拡充や共働き世帯の増加に伴い、子供1人あたりへの教育投資は年々増加傾向にある。同社はこうした市場環境を背景に、高付加価値教育のニーズが今後さらに高まると確信しており、同分野に特化した事業拡大を推進している。
東京教育研が運営する鉄緑会は、最難関大学を目指す中学1年生から高校3年生を対象とした集団受験指導塾。中高6年一貫の独自カリキュラムにより、2026年度は東京大学合格者584名(占有率20%)、うち最難関とされる理科三類において57名(占有率59%)という、きわめて高い合格実績を誇る。東大・京大出身率100%を誇る専任講師陣や、独自の指定校制度がもたらす国内最優秀レベルの生徒層が他社を寄せ付けない競争優位性を形成している。また、鉄緑会卒業生が同塾の学生講師や自らの子供の入塾を勧める「循環型ビジネスモデル」も、圧倒的なブランド力の源泉となっている。
今後は、ヒューリックが東京都心部を中心とする優良立地に保有する不動産開発・運営ノウハウやネットワークを活用し、鉄緑会の拠点戦略を強化する。現在、校舎は代々木エリアや大阪、京都、西宮に限定されているが、既存エリアの拡充および将来的な新規出店をサポートし、持続的な成長を支援する。あわせて、リソー教育グループなど子供教育関連企業との事業連携も進める。また、鉄緑会が抱える卒業生や現役生といったトップ層の人的ネットワークを活用した、教育・人材関連サービスへの展開も視野に入れている。同社は、東京教育研の経営方針を尊重しつつ、グループの経営資源を最大限に活用して企業価値の向上を実現していくとしている。
《千葉 智加》
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