
年をとるごとに疲れが取れにくくなったなと感じませんか? てっきり筋力が落ちたせいかなと思い込んでいましたが、実はストレスを原因とする副腎皮質疲労なのかも……? そして、疲労回復によい「ミトコンドリア活性」とは?
統合医療の臨床実践第一人者である仙台市の朴澤耳鼻咽喉科・統合メディカルケアセンター Tree of Life 院長 朴澤孝治(ほうざわ こうじ)先生に詳しく伺いました。
前編記事『「朝起きたときに疲れている」その原因とは?統合医療実践の第一人者が語る「更年期世代が陥りがちなトラブル」とその対策』に続く後編です。
ミトコンドリア活性にはNMN、CoQ10などもあるが、比較して5-ALAにはどんな特徴が?

還元型コエンザイムQ10(約2カ月分・医療機関専売品) 7,800円/ヘルシーパス 酸化型のCoQ10は体内で還元する必要があるが、加齢によってこの力が衰えるため、最初から還元型の摂取がオススメ。本品は還元型コエンザイムQ10以外に亜麻仁油を配合。
前編記事では体内のエネルギー工場である「ミトコンドリア」がとても大切であるというお話をしました。ミトコンドリアを活性化するために重要なのがエネルギーを作る5-ALAというアミノ酸です。5-ALAが8つくっついた中に鉄の分子がついたものがヘムで、これがATPというエネルギーを作る根幹です。
ミトコンドリアの中ではエネルギーを作るタービンが回っていると考えてください。タービンを回しているのは水素イオン。タービンを円滑にぐるぐる回すために水素を供給しているのがNMNやコエンザイムQ10など、タービンの潤滑油のような成分です。そして、タービンを作っているのがヘムです。NMNやCOQ10があっても、ヘムがなければエネルギーは作れません。この意味で5-ALAはより本質的な成分だと言えるでしょう。
5-ALAはミトコンドリアで作られるのですが、だいたい50歳から作る量が減っていき、ミトコンドリア量そのものも減っていきます。60歳以上になると20代の半分くらいまで下がってしまうのです。だから5-ALAをサプリで摂取すると、うまい具合にミトコンドリアの中に運ばれてヘムの形になるように体内には経路が確立されています。5-ALAをとるとCoQ10やNMNの効果も上がるという、補完の関係性なのです。
50歳から減っていくミトコンドリア量。対策する「三種の神器」とは?
私のクリニックでは、「5-ALA」「NMN」そして「水素ガス吸入療法」の3点セットを基本としています。C0Q10については、60歳以上の方で脂質代謝異常があってスタチン系のお薬でコレステロール合成を止めている人ならば、コレステロール合成の経路で作られているC0Q10は必然的に不足するので補ったほうがいいでしょう。
水素ガス吸入療法とは、水素と酸素の混合ガスを鼻からカニューレで30分から1時間吸うもので、痛みも副作用もない簡単な療法です。先ほど言及したとおり、エネルギーを作るタービンが5-ALAでできていて、水素がタービンをまわしている。ミトコンドリアの量は計測できるのですが、この組み合わせを1年続けると高齢の方でも20代のミトコンドリア量に回復します。
これらの成分は食事から摂取するのがとても難しく、5-ALAならば納豆23kg、NMNはブロッコリー40が必要。CoQ10は少し現実的で、イワシを毎日10匹です。マルチビタミン、ミネラルは、摂れるものは食べ物から摂ってほしいのですが、無理なものについてはサプリメントを活用したほうがよいと思います。
私は5-ALA、NMN、水素ガス吸入を「三種の神器」と呼んでいます。ミトコンドリアの低下は48歳くらいから起きますので、つまり更年期ごろにはエネルギー供給が低下します。若いころは頑張れたのに、集中力が続かないと感じるのは当然のことなのです。しかし、更年期だから仕方ないと決めつけてしまうと、更年期の治療ではなかなか改善しないということも起き得ます。
NMN、5-ALA、水素は他の薬との飲み合わせのトラブルが起きない点も魅力です。水素は水素水の形で摂取すると横隔膜より上を巡らないため、眼精疲労や脳疲労にはあまり効果がないことが分かっています。ですので、吸入がいちばんです。ご家庭用の水素発生器もありますが、やや怪しいものもあるため、できればクリニックで発生装置を整備しているところを探して利用するか、あるいはお値段は張りますがリースして自宅設置していただければと思います。
これらのサプリは1日のうちどのタイミングで飲むのがいいのでしょうか?

MEDi-ALA Qua25 NMN(90粒/45日分・医療機関専売品)1万1800円(税込)/SBIアラプロモ 1粒あたりNMN25、5-ALA75mg含有。
機序でいえば、起きてる間はミトコンドリアが働いてエネルギーを作り、寝ている間にミトコンドリアの補修が行われます。ここは壊れているので捨てる、ここは修正してまた使うといったメンテナンスをしてくれますから、理論的には寝る前に飲むのがいちばんです。
しかし、人によっては寝る前に飲むと眠れなくなる人がいます。なぜなのかはわかっていません、エネルギーが作られすぎるのかもしれません。そういう人は朝飲むのが安心です。
NMN、5-ALAはぜひ国産のものを使っていただきたいと思います。海外製のものは内容の真偽に不安があります。また、あまり高価すぎるものは続きませんのでこれもお勧めしません。国産で、クリニックで販売しているドクターズサプリメントが安心です。
なお、クリニックによってはNMNの点滴を行っているところがありますが、これは非常に危険なのでやめてください。内服が推奨です。
ミトコンドリア活性サプリはいちど飲み始めるとやめらないという宿命を持っています。なぜなら、ミトコンドリアの機能は年齢を重ねるにつれ下がっていくので、続けないと元気がなくなってしまうのです。ですから、お値段はとても重要です。私がおすすめしているのは、NMNと5-ALAが合材になったSBIアラプロモのサプリメントで、月1万円に収まります。特にNMNは高価なものが多いので、こうした品質とお値段のバランスのいいものを活用していただきたいです。
つづき>>>「朝起きたときに疲れている」その原因とは?統合医療実践の第一人者が語る「更年期世代が陥りがちなトラブル」とその対策

お話/朴澤孝治(ほうざわ こうじ)先生
東北大学大学病院前臨床教授/日本ホリスティック医学協会顧問
米国ハーバード大学留学中の基礎研究成果、東北大学病院助教授、仙台社会保険病院院長補佐など長年にわたる臨床経験をもとに広く耳鼻咽喉科一般の診療を行う。 専門は、滲出性中耳炎、難聴、めまい、嗄声、痙攣性発声障害、嚥下障害、睡眠時無呼吸症候群、アレルギー性鼻炎、味覚・嗅覚障害に対する機能改善。
2011年2月に朴澤耳鼻咽喉科を開院。同時に、耳鳴に対するTRT療法などの新しい治療、漢方、ホメオパシーなどの補完医療も症例に応じて採用する統合医療センターを設立。それぞれの治療法の効果や限界を正しく認識し、患者さんに最適な治療を提供することを目標している。また、いくつかの治療法を提示し利点と欠点を客観的に告知し、可能であれば患者さんが自身が選択できるような診療を目指している。
Marquis Who’s Who Publications Board, Best Doctors in Japanなどに選出される。



