
連日の厳しい暑さで、「疲れがなかなか取れない」「暑さでさらに疲労がたまる」と感じている人は多いはず。そこで編集部は、ウェルネス総合研究所が開催したメディアセミナー「ウェルネスの最前線:エビデンスから紐解く紅茶ポリフェノールの新たな可能性 ~抗老化・抗疲労とティーファースト習慣~」を取材しました。
お話を伺ったのは、疲労研究の第一人者である神戸大学大学院 特命教授の渡辺恭良先生。「疲労と老化には大きな関係がある」「紅茶を1杯飲むだけで疲労の軽減に役立つ」といったテーマについて、最新の研究をもとに分かりやすく解説していただきました。
▶女性の疲労が深刻!?日本の8割が疲労でヘトヘト。特に深刻なのは40代や女性
私が会長を務める日本リカバリー協会では、毎年、全国約10万~14万人を対象に「疲労実態調査」を行っています。その結果、毎年8割以上の人が「疲れている」と回答。これは、週に2~3日以上、疲れを感じながら生活している人が大半を占めるということです。言い換えれば、「いつも元気」と感じている人は少なく、日本人の多くが慢性的な疲れを抱えていることが分かります。

年代別に見ると、2026年春の調査では、20代~40代の働き盛りの世代が特に疲れを感じているという結果でした。仕事や人間関係のストレスを抱えやすく、家庭での役割も含め、さまざまな負担が重なりやすい世代であることが背景にあると考えられます。

また、男性よりも女性のほうが疲れを感じている人が多いことも特徴です。女性は月経に伴うホルモンバランスの変化によって体調や気分が影響を受けやすく、疲れがたまりやすい傾向があります。さらに、仕事に加えて家事や育児、介護などを担う人も多く、十分に休息を取れないまま、心と体の疲れが積み重なりやすいことも一因と考えられます。
▶疲れを放置すると早く老ける!?その疲れ、老化のサインかも?やがて病気も呼び寄せるメカニズムとは
実は、「疲労」は「老化」に直結していることをご存じですか? 疲労がたまり続けると、老化も進みやすくなることが分かっています。私たちの体はエネルギーを作るときに酸素を使うため、その過程で活性酸素を生み出します。活性酸素は増えすぎると細胞内の酵素などの大切なタンパク質や細胞機能を保つための細胞膜脂質などをサビ付かせ、細胞の機能低下を起こして、それにより体の中では小さな炎症が続き疲労の主な原因の一つになるのです。
こうした細胞のダメージが十分に回復しないまま疲労をため続けると、慢性化します。そして体の修復が追いつかなくなることで、老化が進みやすくなると考えられています。
ただし、老化だけではありません。「最近、どうも疲れが取れなくて……」という疲労の裏には、健康に関わる重要なSOSが隠れていることもあります。医学的な統計データでは、末期がん、糖尿病、腎不全などの病気があると、「強い疲労を感じている人ほど生存率が下がる」という厳しい事実がはっきりと示されています。
慢性的な疲労で細胞が傷ついた状態が続くと体は常に炎症反応を起こし、免疫力や回復力が落ちます。病気と闘うためのエネルギーが不足して治療の効果も弱まり、結果として生存率が低下してしまうのです。「私は病気じゃないから」と思っている人も、油断しないでください。今は病気でなくても強い疲れを溜め込んでいると、体調を崩したり病気になったりするリスクが高くなります。
疲労は毎日自分で気づける、とても身近なサインです。一方で老化は、昨日と今日の顔や体を見比べても実感しづらいでしょう。「疲労は病気じゃないから」と何となく放置しがちですが、毎日分かる疲労を丁寧に整えることが、結果的に老化の進行をゆるめることにつながります。疲労を軽くすることは、日々の体調管理でできる“アンチエイジングの確かな入り口”とも言えるのです。
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