【「君の好きは無敵」スタイリストインタビュー】佐野勇斗の“ひと癖かわいい”衣装の秘密 遊び心あるこだわり・仕掛けに迫る
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◆松本若菜主演「君の好きは無敵」
本作は“かわいい”を生み出し続けるキャラクタービジネス業界を舞台に、“かわいい”が生まれる過程やそれに関わる人々の姿、およびキャラクターに込められた想いを描く新しいお仕事ドラマ。完全オリジナルストーリーである本作の脚本は、「西園寺さんは家事をしない」の宮本武史氏が手掛ける。「かわいい」も「好き」もよくわからない元コンサルの主人公・草壁杏奈を松本、偏屈変人な訳ありキャラクターデザイナー・瀬尾深月を佐野が演じる。
◆鈴木倫香氏、“ひと癖かわいい”を軸に見返したくなる衣装を
瀬尾の衣装のテーマについて、鈴木さんは「“ひと癖かわいい”が一番ぴったりなのかなと思っています」と話す。
「ただ“かわいい”だけではなくて、『あの衣装、胸元のボタンの色が違ったな』『そういえば草壁さんとリンクしていたな』と、つい見返したくなるような衣装を軸に、スタイリングを組んでいます」
そのこだわりが表れているのが、第3話で瀬尾がアイデアを求めて1週間散歩をしていたシーンのスタイリングだ。
「瀬尾らしく着飾らないゆったりとしたスタイリングにしていたのですが、シャツを腰に巻くとき、普通は袖の部分で腰に巻きつけると思うんです。それを散歩のシーンでは前からの撮影だったので、シャツのデザインが見えるように横に結んだり、シャツのボタンを掛け違いで止めてみたりと、少し動きを出しました」
変形のアイテムやデザイン性の高いアイテムを使うのではなく、一般的な服にひと工夫を加えたり、シャツのボタンの掛け違い、腰に巻く時のひと工夫などで、瀬尾のかわいいものへのこだわりや、デザインを生業とする彼の美的感覚を表現している。
◆鈴木倫香氏、胸ポケットからのぞくハイエナに込めた遊び心
そんな“ひと癖かわいい”を象徴するのが、第3話で着ていた、胸ポケットからハイエナがのぞくシャツだ。放送後には、その遊び心のある仕掛けが話題になった。
「プロデューサーの岩崎(愛奈)さんから、ハイエナのキャラクターが登場すると伺っていたので、どこかに仕込ませられたらと思っていました。ただ、普通のハイエナのアイテムはインパクトが強いものが多く、一度見ただけで情報が入ってきてしまうのはもったいないと、何か仕掛けを探していたら、ワッペンを見つけたんです」
ワッペンはしっぽ、手、顔とパーツが分かれており、自由に組み合わせることができる。そこで、あえて胸ポケットの中に仕込むことにした。
「尻尾を下に出したりもできますが、そこは岩崎さんや監督陣と相談して、付ける位置を決めていきました。実はワッペンの顔パーツは下まであるんです。でも顔を出しすぎてしまうと、すぐにハイエナだと分かってしまうので、少し隠して、のぞくようなデザインにしました」
ドラマのポスターで“チュチュチュエラ”が窓から頭を出している姿とも、どこか通じる遊び心だ。
「ほんの少しでも伏線を張れたら、また見返したくなったりするかも?と遊び心を入れてみました。皆さんからすごく好評だったのでよかったです」
◆鈴木倫香氏、一つのコーディネートに一つの“かわいい”
ハイエナ以外にも、瀬尾の衣装には細かな遊び心が散りばめられている。
「一つのコーディネートに対して、一つ仕掛けやかわいいを作るようにしています。(仕掛けの)大きい、小さいは関係なくて。ハイエナはどちらかというと大きめの仕掛けですね」
他にも、シャツのボタンをハート型に変えたり、第2ボタンにりんごのワッペンを付けたり、犬のTシャツに小さなサングラスを仕込んだり、トランプのスペード、ハート、ダイヤ、クローバーのボタンをあしらったり、一見すると気づかないような仕掛けも多い。
また、共演者との並びを考えて仕掛けを入れることもあるという。
「草壁さんの衣装にピンクが入っているなと思ったら、瀬尾さんもピンクのボタンを取り入れたりと、2人が並んだときのバランスなども意識して組んでいます」
こうした細かな仕掛けは、ぜひ映像の中で探してみてほしいポイントだ。
「説明したら細かいところまでお伝えできますが、視聴者の皆さまの想像で見ていただいたり、受け取っていただいても面白いのかと思います。意図を持ってスタイリングしているので、そういうところを考えながら見てもらえるとうれしいです」
◆鈴木倫香氏、シーンや世界観に合わせて変化するスタイリング
瀬尾は、少しかしこまった場面ではシャツスタイル、家などではラフなTシャツやジャージ、スウェットスタイルと、シーンによって着こなしも変わる。
「そこも岩崎さんと監督陣と話して、いつもはゆるっとしたトレーナーやTシャツだけど、外に出るときは少しかしこまったものにしようとなりました。ただ、かっちりしすぎたものや普通のシャツや重ね着だと瀬尾らしくないなと思ったときに、どこで“ひと癖かわいい”を取り入れるか考えて、ボタンやポケットにひと工夫を加えたり、ブローチやワッペンを使ったり。いろいろな案を考えて、それぞれのシーンに取り入れています」
さらに鈴木さんは「瀬尾がMERRYで働いている回想シーンでは、今の瀬尾との違いを出すために、重ね着をしたり、少しキレイめなかわいいアイテムを取り入れたりしました」とも語る。
瀬尾のスタイリングは色使いにも工夫がある。
「髪色が明るい茶系なので、同系色の服を選ぶときには、第1話で着用していた首元に刺しゅう糸があしらわれている衣装のようにベースがベージュ系であってもデザインの一部に赤や緑など他の色味が入っているなど、色合いがまとまりすぎないように意識しました」
また、瀬尾がよく履いているサンダルはつま先が出るため、靴下も日替わりになるようにしている。
「トータルのバランスを考えたときに、靴下も日替わりでカーキ、黒、ベージュ、モカなど、結構変えています」
そして、着回しにもひと工夫を加えている。第1話で登場したハリネズミのシャツは、第6話では長袖から半袖へとリメイクされ、再び登場した。
「“デザイン瀬尾”のフロアで使ったものだったので、外のシーンではきっと違う見え方になるだろうなと思ったことと、個人的に第3ボタンに付け替えたハリネズミのボタンを気に入っていたこともあって、半袖にしたら面白いかもと考えました」
◆鈴木倫香氏、日常にも取り入れられる“ひと癖かわいい”
なかなか真似するのは難しそうな瀬尾のスタイリングだが、実は日常で取り入れられる部分もある。
「ボタンの付け替えは縫う作業が発生してしまうので、ひと手間かかってしまうのですが、今はアイロンを使用しないシールタイプのワッペンもあるので、服やカバンにワンポイントとしてつけてもかわいいと思います。そして、シャツやスカートの腰巻きも瀬尾らしい“ひと癖かわいい”を真似できるポイントです」
また、色の合わせ方にも、瀬尾らしいスタイリングのヒントがある。
「色を意識しすぎると、『何色かまでにまとめたほうがキレイになるのか?』など、いろいろ考えてしまうと思うんです。私の場合は、色をどこかで拾うことを意識しています。アクセサリー、靴、靴下、ベルトなどで服の色を拾うことを意識すると色数が増えたとしても、まとまりが出ると思うんです」
そんな“ひと癖かわいい”瀬尾の衣装は、いよいよ終盤となる第9話でも健在だ。
「第9話の衣装も、よく見ると襟元に遊びが入っていたり、シーンの空気感に合わせて、動物がたくさん描かれたTシャツになっていたりします。ぜひ注目してほしいです」
細部にまでこだわりが詰まった瀬尾の衣装を知ると、これまでのスタイリングも改めて見返したくなる。第9話ではどんな“ひと癖かわいい”が隠されているのか、そんなところにも目を向けながら楽しんでほしい。(modelpress編集部)
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