
「最近、白髪が増えた気がする」「以前より抜け毛が気になる」「髪のボリュームやコシがなくなってきた」──そんな変化を感じていませんか? 年齢のせいと考えがちですが、更年期を迎える頃は、心や体だけでなく髪にもさまざまな変化が現れやすい時期です。
本記事では、更年期医療のスペシャリスト・寺内公一氏の著書から、更年期と白髪・薄毛の関係や、毎日の生活で取り入れやすいセルフケアについて紹介します。
※本記事は書籍『「更年期かな?」と思ったら最初に読む本』(寺内公一:著、たかはしみき:マンガ/主婦と生活社)から一部抜粋・編集したものです
※イラスト/岡本典子
「白髪・薄毛」は更年期が原因?
加齢や過度なストレスの影響で白髪や抜け毛が増える
こんなことが気になる!
・白髪が目立つ
・抜け毛が増えた
・髪のコシがなくなった
白髪や抜け毛は、エストロゲンの減少によって直接引き起こされるものではありません。しかし更年期には、加齢の影響で白髪が目立ってきたり、抜け毛が増えたりします。
また、髪が乾燥しやすくなった、ボリュームがなくなったと感じる人もいます。
白髪は、加齢によって毛根が老化し、頭皮にある色素細胞(メラニン色素)の生成機能が低下するために起こります。
薄毛については、閉経後の女性では頭の中央の分け目から薄毛が始まる傾向があります。
ただ、なぜ髪が薄くなるのか、その詳しいメカニズムはわかっていません。加齢にともなう頭皮の血流の低下や、頭皮の萎縮が要因の一つと考えられています。
また、更年期は大きなストレスを抱えやすいため、抜け毛が増えたり、円形脱毛症になったりすることがあります。 円形脱毛症かなと思ったら早めに皮膚科を受診しましょう。
現状では、白髪や抜け毛の根本治療はありませんが、頭部の血行をよくすることは、豊かな髪を保つことにつながります。
睡眠不足が抜け毛につながることもありますので、質のいい睡眠をとるようにし、髪に栄養が届くようバランスのいい食事を心がけましょう。
ストレスが強い場合は、リラックスできる時間を持つことも大切です。更年期に理解の深い医師に相談し、ストレスをやわらげる治療を受けましょう。
〈セルフケア〉ブラシの軽い刺激で頭皮の血行を促しましょう
朝、ヘアスタイルを整えるときや夜の入浴前に、手で優しく頭皮をマッサージしましょう。ヘアブラシで頭皮全体を軽く20回程度たたくのもおすすめです。

ちなみに、頭のてっぺんには「百会(ひゃくえ)」というツボがあります。百会は、百の経絡(けいらく)が集まる場所とされ、全身の不調に効くといわれています。
【積極的にとりたい成分】
・メチオニン(かつお節、高野豆腐など)
・亜鉛(牡蠣、パルメザンチーズなど)
女性ホルモンの「エストロゲン」って?
エストロゲンは、主に卵巣から分泌され、乳腺や乳房、子宮に作用して女性の体の機能を整え、妊娠・出産に大きく関わります。
また、血液にのって全身をめぐり、肌をつややかにしたり、血管をしなやかにしたりする他、骨や脳などにも作用して、組織や臓器の健康維持に重要な働きをしています。
自律神経を安定させるなど、気分の安定やストレスの軽減にも影響を与えています。
「更年期」(おおむね45~55歳)は、卵巣機能が衰え始め、やがて閉経へと向かいます。エストロゲンの分泌量が急激に減少する“ゆらぎの時期”で、不調が現れやすくなります。
ここまでの記事では、更年期と白髪・薄毛の関係について紹介しました。つづく関連記事では、更年期の不眠の特徴や原因をお届けします。
つづき>>6割超の女性が「熟睡できない」と回答!更年期の「不眠」の原因と、放置すると危険な理由とは【専門医が解説】
■著者:寺内公一(てらうち・まさかず)
東京科学大学(旧東京医科歯科大学) 教授。医学博士。産婦人科医。長年にわたり更年期障害や骨粗鬆症など「ゆらぎ世代」の女性の診療に従事。日本に数少ない更年期医療のスペシャリスト。中高年女性特有の「うつ・不安・不眠」といった心の不調から、加齢に伴う体の変化、さらに食事やサプリメントが女性の体に与える影響まで、心と体の両面から多角的な研究・診療を行っている。最新の科学的エビデンスに基づきながらも、一人ひとりの悩みに優しく寄り添うわかりやすい解説に定評がある。




