
閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
【100人の更年期#147】後編
◆ユキミさん 46歳
夫と2人暮らし。30代半ばから更年期を感じ閉経後にHRTを開始
「妊娠しなくてもいいから早く閉経して」と思うほどの頭痛
更年期の諸症状に悩みながらも、漢方薬を飲み始めてからは体調がよいと感じる日がでてきたユキミさんでしたが、生理前の頭痛だけは緩和されませんでした。さらに、43歳になった頃から生理周期が乱れ始めました。最初は数週間の遅れでしたが、ついに3カ月間こなかったので、婦人科を受診しました。
「妊娠の可能性はない時期だったので、生理不順だと思って受診しました。今思えば、閉経のサインだったのかもしれません。このときはホルモン剤で生理をおこす処置をしてもらいましたが、この頃はもう、生理前の激しい頭痛から逃れたい思いが強く、妊娠しなくてもいいから早く閉経してほしいという心境になっていました」
その後は無理に生理を起こす治療をすることなく1年が過ぎ、ユキミさんは44歳で閉経しました。あれだけつらかった頭痛は、閉経に向かって徐々に軽くなっていきました。このまま汗やイライラ、体の乾燥も治まると思っていましたが、この頃から発汗がさらにひどくなってしまいました。少しは効き目を感じていた漢方薬も、効果が薄れた感じがします。
「顔や頭からシャワーのようにバーッと汗をかくんです。まるで、スポーツ後の高校生みたいに。脇汗もひどくて、服の脇の部分だけ濡れて恥ずかしかったです。汗をかくと臭いも気になりました。最近は、汗で肌荒れするようになってしまって。数カ月前から、1時間おきに汗が吹きだすようになったので、肌に貼るタイプのHRT(ホルモン補充療法)を始めました」
いかに女性ホルモンに守られていたかを実感
過去の治療歴から、体に触れる治療する方法に抵抗を感じていたユキミさんでしたが、あまりにも発汗が頻発するため、背に腹は代えられぬ思いでHRTを始めました。
「ホルモンを補充することで、また生理がきたら嫌だなという思いもありました。実際に、治療を始めたすぐの頃は不正出血しました。でも、HRTを始めて数日のうちに、発汗する頻度も量も激減したので、治療を始めてよかったと思います。今は、寝不足になったりカフェインを摂り過ぎたりしなければ、急に汗をかくことはほとんどありません。膣の乾燥にも効果がでているのか気になりますが、久しく機会がないのでいつか確認したいですね」
46歳になった今も、HRTを続けながら更年期と付き合っているユキミさん。発汗の頻度は減ったものの、肌荒れや粉瘤の炎症、水虫、ものもらい、食道炎など、さまざまな不調がでているそうです。
「これまで、いかに女性ホルモンが体を守ってくれていたのかを実感しています。もっと早く更年期対策を始めていれば、行かなくていい病院や防げた不調もあったかもしれません。でも今は、更年期のゴールが見えてきたので、心が動くような好きなことを始めよう!という気持ちが芽生えています」



