
最近、「疲れやすくなった」「階段がきつい」「以前より歩くのが遅くなった」と感じることはありませんか?年齢のせいだと思いがちですが、その変化は体力や筋力の低下のサインかもしれません。
体力の衰えは日々少しずつ進むため、自分では気づきにくいもの。だからこそ、まずは現在の体力レベルを客観的に知ることが大切です。
本記事では、整形外科専門医・吉原潔氏の著書から、自宅で簡単にできる体力チェック法と、体力低下を防ぐために欠かせない「筋肉」の重要性について解説します。
※本記事は書籍『疲れない、回復できる、速く・長く歩ける 体力低下を食い止める30秒習慣』(吉原潔:著/アスコム)から一部抜粋・編集したものです
※イラスト/藤井昌子
年相応?それとも?「体力チェック」
今のあなたの体力は、同じ年代の人に比べてどうなのか、気になりませんか? 手軽にできる方法が2つあるので、一緒にやってみましょう。
体力チェック1:「片足立ち」
片足だけで立って、バランスをくずさずに何秒立っていられるか計ります。
・足は、床から5cmくらい上げます。目は開けたまま、手は自然に下ろします。
・そのまま、何秒立っていられるか計ります。バランスをくずしたところで終了です。
・2回やって、よいほうの記録で判定します。
体力チェック2:「イス立ち上がり」
次は、下のイラストのように、イスの前に立ち、座ったら立ち上がる、という動作を10回行い、かかった時間を計ります。
・イスの前に立ちます。足は肩幅程度に開きます。
・イスに座り、お尻がついたら、立ち上がります(ひざが十分に伸びるまで)。
・「座る」「立つ」の動作を10回くり返し、かかった時間を計ります。
いかがでしょうか? 年相応の体力でしたか? それとも……?
体力の根幹は〇〇しかない
マグロやカツオのように、一生、止まることなく泳ぎ続ける回遊魚は、しっかりとした筋肉を持っています。そのおかげでスタミナ満点、過酷な環境下でもたくましく生き続けられます。
一方、檻の中で飼育されている家畜は筋肉が少なくて病気になりやすいと言われています。そのため、丈夫な家畜を飼育するために、適度な運動をさせて筋肉量を増やす飼育法をとる畜産農家も増えているようです。
これは、人間にだって当てはまる話です。筋肉が弱々しければ、立つことも、歩くこともままなりません。
筋肉、特にお尻や足の筋肉は、地面を力強く蹴って、前にぐいぐい進んでいくためには必須です。
さらに、つまずいたときにふんばったり、転ばないようにバランスをとったりするときにも、筋肉をフル稼働させなくてはいけません。
すなわち、十分な筋肉がないと、速く、安全に歩くことはできないということです。しかも、速く歩けなくなってくると、筋肉への刺激が減ります。すると、筋肉が落ちていき、歩行速度はますます低下する――。
この時点でなんらかの手を打たないと、最悪の場合はいずれ自力で歩けなくなってしまいます。
「運動をするための体力」が落ちる→「健康に生活するための体力」が落ちる→病気に抗う力も衰えていく……こんな深刻なドミノ倒しになりかねません。
つまり、体力の根幹となるのは「筋肉」しかないのです。

生涯泳ぎ続けるマグロの体はとても筋肉質
ここまでの記事では主に、「筋肉」と「体力」の関係性について紹介しました。つづく関連記事では、筋肉が衰える原因についてお届けします。
つづき>>寝たきり3週間で筋力は50%も減る⁉ 整形外科医が教える「体力がある人」と「ない人」の決定的な違い
■著者:吉原 潔(よしはら・きよし)
整形外科専門医・フィットネストレーナー。医学博士。アレックス脊椎クリニック名誉院長。日本医科大学卒業後、同大学整形外科入局。帝京大学医学部附属溝口病院整形外科講師、三軒茶屋第一病院整形外科部長、アレックス脊椎クリニック院長を経て、2024年より現職。日本整形外科学会専門医、日整会内視鏡下手術・技術認定医。日本スポーツ協会公認スポーツドクター、全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)公認パーソナルフィットネストレーナー、食生活アドバイザー。運動療法や筋力トレーニングにも精通した医師として、多角的な診療に定評がある。トレーナーとしての信条は「ケガをしないトレーニング方法を指導すること」。50歳を過ぎてから筋トレでメタボ体形を脱し、ボディコンテストに出場、受賞歴多数。著書に『ドクターズスクワット 医者が考案した「30秒で運動不足を解消する方法」』(アスコム)などがある。





