[第10回]女性教師の自殺が「公務外」に(1)遺族は不服申し立て
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その中で新人が採用されるようになり、過重負担になるケースがでてきています。
そのため、新人教員へのサポート体制が課題となっています。
また、精神疾患による休職者は全国的に急増しています。
そんな中、2006年12月に自殺した、東京都西東京市の小学校の新任女性教員Aさん(享年25歳)の遺族が「死亡は公務に起因している」として、地方公務員災害補償基金東京支部長(支部長、石原慎太郎・東京都知事)あてに「公務災害」申請をしていました。
同支部は11年2月、「公務外の災害」決定を通知しました。
18日、代理人の川人博弁護士が記者会見で明らかにしました。
遺族は「全く納得ができません。決定に不服です」として、審査請求をする、という意思を示しています。
「納得できない」理由として、まず、同支部が委嘱する専門医(精神科医)が、Aさんの職場での出来事やAさんの言動をもとに詳しく分析し、Aさんと職務の過重負荷との因果関係を認めたにもかかわらず、地公災本部が委嘱した専門医(精神科医)の意見を採用し、「公務外の災害」と決定したのです。
もう一つの理由は、心理的な過重負担の一因となった事実を認定していないのです。
5月ごろ、クラスで万引きの噂があった際、校長の指導のもとに、その児童宅に電話をしましたが、「事実を示せ」と父親から抗議を受けました。
Aさん本人では対応しきれず、副校長と生徒指導主任が校長の指示を受けながら対応。校長が謝罪しました。このことは事実認定しています。
しかし、その後も再び、クラスの児童に万引きの噂が立った際に、深夜まで万引き現場の店に行かなければならなかったこと、7月頃に開かれた保護者会でも保護者からの意見に心理的な負担がかかっていたことは事実認定していません。
翌12日、校長と副校長は、Aさんに今後の指導を確認しました。
代理人によると、実はこの時、職員の会議でAさんは謝罪しています。
そのときの内容を下書きしたメモがAさんの死後、自宅から発見されました。
そこには
「校長や副校長先生にもごめいわくをおかけしました。今後はこのようなことのないようにしようと思います」
とありました。
後日、万引き現場からの連絡があり、Aさんはもう1人の先輩教員とともに同じ児童が万引きをしていたことがわかります。(続く)
(※)写真:女性教師が書いた、職員の会議で謝罪するための下書きと思われるメモ。
「確証をえていない状態で○○○(児童の名前)のお父さんに電話をしてしまい、そのことで、そのあと保護者や家族を傷つけてしまいました。校長先生や副校長先生にもごめいわくをおかけしました。今後はこのようなことのないようにしようと思います」
《NewsCafeコラム》