[第20回]震災のかげで活躍した障害者施設(前編)「捨てるにはもったいない」
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こうした理念に基づいて、「にんじん舎」が作っていたBDFが震災時に人の役に立つことができた。
BDFは宮城県内の2カ所の法人で使うことになっていた。どうやって届けたのか?
「法人一カ所の事務局長が東京出張だったのです。
仙台まで戻る必要があるが、福島空港までは来られるという。
事務局長を福島まで迎えにくるついでに、BDF100リットル、灯油缶で5本を入手し、仙台へ帰ることになった」
こうして、「想定外」とされる東日本大震災で、BDFは、まさしく「想定外」の使われ方をした。
その後、会津や郡山市を中心に福島中通りも物流が回復した。
被害が甚大な浜通りが支援が必要な場所になった。
また、「にんじん舎」のBDFは、「被災地障害者支援センターふくしま」の支援物資の搬送する車にも使われた。
福島県内の被災地・いわき市、相馬市、南相馬市まで支援物資を運んだ。
「きょうされん」に未加盟の小規模共同作業所ともつながりができた。
「点と線を結びつける作業にもなった。確かな技術と手間暇をかければ、持続可能な一流品にもなる」
震災のかげで活躍した障害者施設。
日常的に行っていることが評価され、かつ、さらなるネットワークを広げることができた。(終わり)
《NewsCafeコラム》