【第二十二回:編集後記~Newsスナック】ホッケとサワラの物語 | NewsCafe

【第二十二回:編集後記~Newsスナック】ホッケとサワラの物語

社会 ニュース
食の地域差というのは、なかなか興味深い。
岡山出身の私は、18歳で関東にきてからいくつか食の初体験をした。

魚のホッケも18歳のときに始めて食べた。
始めてホッケを食べたその日まで、私はホッケをカマボコ状の食べ物となぜか思い込んでおり、注文したホッケ定食が出てきても、それと気付かなかった。

ホッケは本当に美味しい。始めた食べた時は、かなりの衝撃であった。身がほぐれやすく、食べやすいのもいい。今もホッケは私の好物である。

同じく大学生になって上京した高校の友人と、大学1年生の6月ぐらいに会った際、友人が「お前、ホッケ食べた?あれ旨いよな」と言ってきた。当たり前にホッケを食べてきた方にはわからないかも知れないが、ホッケはなかなかの衝撃を与える魚なのだ。

逆に関東ではあまり食べないが、岡山ではよく食べる魚がある。

サワラである。

魚といばサワラといってもいいぐらいサワラをよく食べていた。郷土料理の「ばらずし」にも、「しめ鯖」ならぬ、「しめサワラ」が使われていた。

そういえば、岡山に住んでいた頃は「サワラ」という言葉をよく聞いていたのに、めっきり聞かない。

それに気付いたのは、最近のことである。スーパーでサワラを見つけ「あ、サワラだ」と言葉に出してみたところその言葉の響きに懐かしい気持ちになった。

だいぶ前に別れた過去の恋人の名前を、道端でふと聞いたような感覚である。

調べてみたところ漁獲高は長崎県が1位であるが、消費量は岡山県が全国の3割を占めるほど岡山県民はサワラを食べている。市場での取り扱いも岡山が1位。「サワラの値段は岡山で決まる」と言われているらしい。

当然、サワラ料理の種類も豊富である。岡山にご旅行の際には、是非、サワラ料理を召し上がっていただきたい。特にサワラを刺身で食べるのは岡山だけだそうだ。

食の地域差は旅行の楽しみの一つであり、郷土愛にも繋がっていると思う。

最近は、実家でも、ごく普通に白ネギを食べる。私が岡山に住んでいた頃にはネギと言えば青ネギであり、白ネギを食べることは、ほとんどなかったのだが。

流通やら情報やら、色々、便利になった為もあるのだろうが、食の均一化が進むのは、故郷が失われたような気がして、なんだか寂しい。

[編集後記~Newsスナック/NewsCafe編集長 長江勝尚]

《NewsCafeコラム》

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