【解説】「富岡製糸場」の歴史的な意味 | NewsCafe

【解説】「富岡製糸場」の歴史的な意味

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いよいよゴールデンウィーク後半戦である。近間がお勧めの様であるが上信越方面をプランの方も多いと思う。軽井沢方面の旅行の折に「時間があるので富岡製糸場」に寄ったのは3年前のことである。上信越道のインターから30分ほどの手軽な距離の場所であった。休日の午前中の開場前・入り口には30人ほどがおり・「ボランティアガイド」の引率で場内を見学した。高齢にもかかわらず「熱心な説明」で当時の雰囲気・指導に当たった外国人の熱意・女工さんたちの努力…が良く理解できたのである。

意外な感じがしたのは「製糸には大量の水がいるので工場の裏手には大きな川(千曲川)があること・女工さんはキチンとした8時間勤務で働き・女子寮も完備・技術を習得すると全国の製糸工場の指導者になったこと・外人の家も簡素ではないこと」である。さすがに「官営工場」と感じたのである。ボランティアガイドさんは「ぜひ世界文化遺産に登録されたい」と熱意をもって語っていた。個人的な感想では「国道からの導線・駐車場の少なさ・食事の場所がない…で無理」との印象を持ったのである。

その富岡製糸場が「世界文化遺産の事前審査をする国際記念物遺跡会議・イコモス」から「富岡製糸場と絹産業遺跡群をユネスコの世界文化遺産に登録するように」との勧告を受けたのである。個人的な「無理との印象は見事に外れた」のである。イコモスの推薦理由は「フランスから機械や知識を導入し・急速に生産システムを作り・養蚕と生糸生産の核心に決定的な役割を果たした」である。日本の古くからの養蚕の技術と機械化と勤勉な女性の力が結びつき「世界の絹織物産業のエポック・世界的に高級品で金持ち用だった絹を身近なものにした」という事である。訪れたときは「ちょうど繭玉ができる時期」であり「繭玉の選別」も見学できたのを思い出す。そんなPRの努力も推薦の陰にあったのだと思うのである。気になるのは「多くの建物が木骨レンガ作り」であることである。報道では「今年の大雪でかなりの被害が出た」と言う。識者は『文化遺産となるとそう簡単に補修と言うわけには行かない。

富岡製糸場は明治5年(1872年)の操業である。創業当時の建物が多く残っていることが選定の重要な要素であるが老朽化が進んでおり「多くの建物は恒久的に残すなら補修が必要」である。今回の雪害を含め長期の保存と補修には数十年の時間と100億円を超す費用が必要である』と指摘するのである。TVで見た「関係者の浮かれた風情」を見ると「いささか気になる」のである。さらに「ゴールデンウィーク後半」には多くの人が押し掛けると思う。関係者は「世界文化遺産推薦は観光で儲けよう」ではなく「文化遺産を後世に引き継ぐためと言う事を忘れないで…」と思うのである。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

《NewsCafeコラム》

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