熊本県の女子高生殺害事件
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別の事件ですでに逮捕されていた静岡県浜松市浜北区、無職の赤石弥(わたる)容疑者(47)が殺害した旨の供述をしました。熊本県在住の女子高生と静岡県の無職男性。
一見、接点のなさそうな2人はインターネットを通じて知り合ったと言われていたことから、出会い系サイトかSNSかと思われていました。
10日になって、毎日新聞や熊本日日新聞が「自殺系サイト」の可能性を報道しました。
逮捕された赤石容疑者は1月下旬、愛知県内で沖縄県の18歳未満の少女に淫行した疑いで5月16日、静岡県警に愛知県少年保護育成条例違反容疑で逮捕されました。
毎日新聞の報道では、赤石容疑者は浜松市の山間部の出身。高校まで浜松市内で過ごした。「人の嫌がることを進んでやる子」という親族の証言を伝えています。
高校卒業後は市内で一人暮らし。20代の頃は介護の資格を取ったとのことです。ただ、最近は近所との交流はなかったとのことです。
熊本県の女子高生のケースと沖縄県の18歳未満の少女への淫行を考えれば、18歳未満との交流や淫行を指向していたとも思ってしまいます。
しかし、5月3日、マッサージを頼んだ50代女性にわいせつな行為をした疑いで、6月8日に送検しています。性的な指向性の相手は未成年だけなく、年齢は関係ない行動はしています。
赤石容疑者は複数のSNSのアカウントやLINEを使いこなしていたと言われています。熊本県の女子高生、荒川さんともLINEでのやりとりをしていたとのことです。
そのため、赤石容疑者と荒川さんの接点は出会い系サイトかSNSだったのではないかと思われていました。しかし、毎日新聞や熊本日日新聞は、出会ったきっかけは「自殺系サイト」と報じています。
自殺系サイトは様々な人が利用しています。具体的に自殺の方法を探っている人ばかりではなく、自殺願望を吐露している人もいます。
また、自殺願望を抱いた理由について書き込んでいる人もいます。一方で、自殺を止めようとする人もいたりします。
なかには精神科医や精神保健福祉士、カウンセラーをしている人もいたりいます。ただ、なかには、ナンパ目的で近づく人もいます。
まだ具体的なやりとりがわかりませんので、ナンパだったのか、あるいは、心中目的だったが最終的に逃げたのか、殺人依頼を受けたのか....。様々な可能性が考えられます。
自殺系サイトの事件では、1998年に毒物配送事件がありました。配送した人物は、重い鬱病患者は目の前に自殺の手段があればいつでも死ねる。
いつでも死ねるなら今すぐは死なないだろうと逆説めいた心情があったのです。しかし、配送先の中で飲んでしまった女性がいたことで事件が発覚しました。
2005年8月、女性1人男性2人を殺害したとして逮捕。07年3月には死刑判決を受けました。犯人は人の苦しむ姿を見て興奮するタイプでした。
07年10月には、何でも屋を自称する人物が、自殺願望のあった川崎市の女性に依頼されて、殺害をしたのです。
結果が殺害という意味では悲劇的ですが、出会い系サイトやSNSきっかけの事件と、自殺系サイトきっかけの事件では事件の読み方がまるで違ってきます。
異性交際や援助交際を目的とした出会い系サイト、あるいは趣味などの共通点をきかっけに交流を広めようとするSNS、自殺に関するキーワードをもとにやりとりをする自殺系サイト。
最近では、出会い系サイトよりもSNSで性犯罪の増加が目立って来ています。また、千葉県警によると、ストーカー事件も出会いのきっかけがネットというのも二割にになったとも言われています。
いずれにせよ、赤石容疑者がどんなやりとりの末に出会い、殺害したのか。その供述が待たれるところです。
[ライター 渋井哲也/生きづらさを抱える若者、ネットコミュニケーション、自殺問題などを取材 有料メルマガ「悩み、もがき。それでも...」(http://magazine.livedoor.com/magazine/21)を配信中]
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