役所広司、原発事故題材ドラマは地上波では「100%通らない」続編についても言及<THE DAYS>
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◆役所広司、役作りを語る
「THE DAYS」は、2011年に起きた福島第一原子力発電所の事故を圧巻の臨場感でリアルに描いたドラマ。この日は増本淳プロデューサーも登壇していた。
福島第一原発の吉田所長を演じた役所は、役作りについて「時間に関しては、実際に震災の当時、福島第一原発でどういうことが行われていたか、吉田所長のことも知っていましたし。震災のあと、吉田所長と東京電力と、福島原発と本店とのやり取りの音声とかなんとかっていうのは、SNSで聞いていたりしていましたし。そういう意味では、表面的にはなんとなく吉田所長のイメージっていうのはあったんです」と回想。
「原作があって、増本さんが脚本化してくれて、その中で登場する吉田さんというのは…結局は撮影現場に行って自分たちの社員たちと、それと本店と永田町とのやり取りをやりながら、吉田所長はどういう心情だったのかとか、こういうときはたぶん苦しかっただろうなとか。そういうのを一つ一つそのシーンによって、自分の中に落とし込んでいったような気がします」と明かした。
また「今回はやっぱり、歴史上の人物を演じるよりも、まだ時間も短いですし、観客の人たちも非常に生々しい記憶がある中で事故のことを演じるっていうことが、エンターテインメントし過ぎない、ドラマとして演じ過ぎないっていうことは、撮影現場でもみんなが心がけて。できるだけ、恐らくあそこで行動していた人たちは、こういう気持ちで行動したか、こういう気持ちで苦しんだかということを、演じるというよりも、非常にドキュメンタリーに近いような表現方法を見つけて作っていったような気がします」と語っていた。
◆役所広司「THE DAYS」続編について言及
質疑応答で、原子力発電所に対する考えを問われた役所は「もちろんこうやって事故が起きたり、地震が起きたり津波が来たりして、原子力発電所が、トラブルが非常に怖いものであることはみんなわかっているわけですけれども。そういうものを使わずに僕たちが普段湯水のように使っているこの電力が手に入れば、それ(原子力発電)以外のものがいいには決まっているんですけども。正直僕もこのドラマをエンターテインメントとしてドラマ化して大丈夫だろうかという不安があったんですけれども、増本プロデューサーが『あの時、あの場所で何が起こっていたのか』というのを、僕たちは伝えていかなくてはいけないんじゃないかという企画の思いがあって」とコメント。
そして「彼はこれからも、果たして福島が収束していくのか、もちろんその希望は持っていますけれども、あと何年かかるかはわからないけれども、収束に向けて・復旧に向けての過程もライフワークとして描いていきたいという思いが強かったので。僕は第1シーズン目としては参加したいなと思いました。いま世界中が本当に混乱している中でも、エネルギーについてはみんなが考えなければいけないことだと思いますし、日本の国内でも、原子力発電所について国民が結論を出していかなきゃいけない問題だと思います。そういう意味でこの『THE DAYS』というドラマを観て、もう一回エネルギーについて考える人が増えるといいなと思います」と話した。
その後、配信サービスが与えた影響に対する考えを問われると「まず地上波のドラマでは、この『THE DAYS』っていうのは、内容的に企画は恐らく100%通らないと思います。そういう意味ではこの『THE DAYS』の内容を伝えるには、配信というのが一番自由度が高いし、自分たちが思ったものを表現できるのではないかと思います」とコメント。
プロデューサーの増本さんがフジテレビという立派な会社にいらっしゃったんですけど、そこを退職して第1作目で、この地上波ではできないドラマを作ったのだと思っています。そういう意味では、地上波ではできない物語を、こういう配信サービスができて、僕たちの表現の場は非常に広がったと思っています」と考えを明かしていた。
「シーズン1」と発言したことを踏まえて、続編があるのか・続投するのかを問われると、役所は「シーズン2・シーズン3、増本さんが生きている間にはまだ表現できないほどの今後があるドラマになると信じています。それには今日いらっしゃっている皆さんのお力をお借りして、シーズン1の『THE DAYS』が世界中でたくさんの人に見ていただけるように、皆さんのお力を借りたいなと思って今日来ました」と返答。
続けて「残念ながら、吉田所長の役はシーズン1でなくなりましたけれども。なんか吉田所長に似ている男が出ているなあという風な感じで登場できる役があれば、喜んでやりたいと思います」と吉田所長が亡くなっていることを踏まえながら再登場に意欲を示し、増本プロデューサーは「最近ですと、シーズン2で時間が戻ってエピソード0的な設定をやるっていうのは良くありますので、全然またオファーさせていただければと思います(笑)」と役所との再タッグに前向きな様子だった。(modelpress編集部)
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