「感情の整理ができない」予想裏切る今後の展開に期待も！…ドラマ『わたしの宝物』

　「カッコウの季節になると、ヨーロッパの少女たちは最初に聞いたカッコウの鳴き声の数で、あと何年で自分たちが結婚するか占う」

※ネタバレあり

　そんな夢のある会話からドラマ『わたしの宝物』（フジテレビ）は始まったが、終わりには、カッコウは「托卵」する不気味な鳥として描かれる。ドラマのなかで何度か主人公・神崎美羽（松本若菜）が目にする鳥の図鑑にも色彩豊かな姿ばかりが目立つが、最後になってようやくカッコウの生態が明かされる。カッコウは、自分で子育てをせず他の鳥の巣に卵を産み付け、ひな鳥を仮親に育てさせる。ここで視聴者はようやく、主人公の変わり果てた心とカッコウの生態を重ね合わせ、ドラマの今後に目を向けるのだ。「妊娠したよ」「あなたの子よ」と、静かに夫・神崎広樹（田中圭）に写真を差し出す美羽の姿は不気味で、戸惑う夫・宏樹を引き立てる。

　実は巣で他の卵より早く孵化したヒナは、仮の親の子（卵）を巣から落とし、仮の親から多くの餌を与えられて成長していくという。ドラマがどこまで描かれるのか不明だが、今後の展開を視聴者に期待させる演出は十分だったようだ。

　初回はとにかく急展開だった。モラハラ夫とのやりきれない冷え切った夫婦生活。幼なじみ・冬月稜（深澤辰哉）との出会いと妊娠。そして、その冬月がテロの犠牲になったという衝撃ニュース。ネットではさっそく「感情の整理ができてません」「いきなり衝撃展開で…呼吸が…」「まさかの展開過ぎてざわざわしています」「最後の数分が怒涛の展開すぎてもう訳わからない」「衝撃の1話」などの反響があがっていた。

　そして早くも夫と冬月のベッドシーンや夫のモラハラぶりも話題になっているが、やはり視聴者をひきつけたのは、今ドラマにひっぱりだこの松本若菜の演技だろう。主題歌を担当している野田愛実が第1話を終えてXに次のようにポストしている「それぞれの人を前にした、対照的な美羽の表情にドキドキを止められませんでした」。偽物の笑顔を振りまく美羽から、冬月と出会いと別れ、「私は悪い女」とつぶやく美羽まで、美羽の微妙な表情の変化に視聴者の感情が左右された。

　予告では、冬月の遺品と見られる栞とパスポート、ベッドが並ぶ部屋の窓に駆け寄る美羽の姿も確認できる。そして子供ができたが「喜んでないんですよ、妻が」と語る夫・の声。おそらくよくある不倫ドラマでは終わらないだろう。予想を裏切る展開に期待が膨らむ。