こんにちは、ライターの岡本ハナです。
私の長女はADHDと強迫性障害を併せ持つ、いわゆる発達障害児ちゃん。
発達障害の特性のひとつに、「感覚過敏」や「感覚鈍麻」があります。(もちろん、これは発達障害に限ったことではありません。)
ちなみに「感覚過敏」とは、光や音、匂い、味、肌に触れる感覚など、さまざまな刺激を過剰に強く感じてしまう特性のこと。
長女については、これまで特に「感覚過敏だな」と感じることはありませんでした。でも、ある出来事をきっかけに「もしかして、強い感覚過敏があるのかも?」と考えさせられることに。
その出来事とは……ズバリ歯医者での「歯型取り」!
パニックを起こしてついには脱走、そんな壮絶な歯型取りを乗り越えるのに、4年かかりました。ADHDと強迫性障害を持つ娘の『どうしても無理』に、どう寄り添うか。今、改めて振り返ります。
これって感覚過敏なの!? 歯型取りが苦手な娘
長女は小さい頃から指しゃぶりがやめられず、その影響で歯並びが乱れ気味。
「今のうちに矯正を始めたほうがいい」と考え、小学校低学年で治療をスタートすることにしました。
ところが、矯正に必要な歯型取りで、まさかの大事件が起こったのです。あのピンク色のネチョっとした材料を口に入れた瞬間、長女は大混乱。パニックを起こしてしまいました。
1回目→途中でギブアップ
2回目→嘔吐してしまい、中断
3回目→号泣
4回目→なんと、靴も履かずに歯医者から脱走!!!
最初のうちは先生たちも「これは大人でも嫌だからね」とフォローしてくれました。
でも、何度も失敗を繰り返すうちに、「もう少し頑張ろうか」「次の人が待ってるから」と、徐々に圧が……。
それも当然ですよね……。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
「ちょっと我慢すれば終わるのに…」ADHDだとそれができない
長女は、普段の検診やクリーニングでは嫌がることはありませんでした。でも、歯型取りだけはどうしても苦手。「ちょっと我慢すればすぐ終わるのに……」何度そう思ったかわかりません。
このときはまだ、「もしかして感覚過敏なのかも?」なんて考えもしませんでした。ただ、「またできないことが増えた」というショックの方が大きかったのです。
そして、そこから4年もの月日をかけ、ようやく成功!その間、脱走も2回ありました。
苦闘の末、やっとのことで歯型取りを終えたとき、先生がポツリ。
「こんなに歯型取りに苦労したのは初めてです」
本当に申し訳ないと思いました。
本編では、ADHDの長女ちゃんが、感覚過敏によって歯型取りに苦手意識を覚え、完遂するのに4年もかかってしまった顛末をお伝えしました。
続いての▶▶「実はもうひとつ大事なお話がありまして…」歯医者さんから告げられた衝撃の事実は!
では、想定外の状態になってしまったハナさんたちのお話をお届けします。