新年度が始まり、新たな出会いも多くなる頃です。職場でも、ママ友関係でも、第一印象が良いご縁につながります。そんな第一印象はどこで決まるのでしょうか? (一社)日本プロトコール&マナーズ協会の松田玲子先生にお聞きしました。
【 気品を身につけるシンプルな教え#110第一印象で気を付ける編 】
◀◀前のエピソード 感じがいい人が初対面で「絶対にしないこと」とは。ビジネスでも友達付き合いでも、まず「無意識の習慣」を見直してください
▶入園・入学式で気を付けるべきこと
第一印象の服装について意識したことありますか?
服装選びで大切なことは、自分らしさを自分勝手に表現するのではなく、目的に応じた品格のある装いができることです。
新年度や転職初日は第一印象が決まる日です。業界や職種によっても大きく異なりますが、体に合った清潔感のある服装をこころがけてください。膝丈のスカートはフォーマルな場面にも適しており、上品な印象を与えます。
お子様の入園式や入学式などは、お子様の成長を祝う日でもありますので、他の父兄の方々に好感を持っていただけるようにという気配りをします。
ソフトなスーツやワンピースにジャケットを合わせると、フォーマルな印象になります。
高級ブランドであってもニットやジャージー素材、革の服はフォーマルウェアとして認められません。
▶子どもの「保護者会」参加で好感度を下げること
子どもの保護者会はプライベートの友達作りではなく、保護者として出席する意識を
素敵な出会いの季節にしていきたいですね。入学シーズンでは、お子様も新たな環境に入りますが、ご父兄も新しい出会いや交流も始まります。保護者会に出席の際に、派手なスーツや豪華なジュエリーを身につけていくことは厳禁です。なぜなら、保護者会は子どものための場であり、自分のプライベートでの友達をつくりに行くわけではないからです。この一瞬の間に受ける「第一印象」は、その後の好感度や評価にも大きく関係するとも言われています。
▶名刺交換、実はここを見られてる!?
名刺交換の時の指先と手の振る舞い、実は見られています
第一印象は普通だったのに、いざ名刺交換の段階になり、出された指先の爪が長すぎたり乾燥していたら幻滅どころか相手は驚きます。爪は長すぎず、指先にはささくれがないようにこまめにクリームやオイルでお手入れを。淡い色のネイルがうっすら塗られている、そのような指先ならば清潔感を感じ、気持ちがいいものです。私たちは本能的に不潔を嫌い、清潔を好みます。もちろん初対面でお会いする場面においても「清潔」であることが第一条件です。
▶初対面で「何話せばいいの」がなくなる!
初対面では「話のきっかけ」を用意していますか?
「カンバセーションピース」という言葉があります。スムーズな会話のために、会話が広がるきっかけになるアイテムを身につけることです。男性であればネクタイの柄に取り入れることができますし、女性ならばアクセサリーやスカーフの色に取り入れ「本日は御社のテーマカラーで……」など、会話の材料になるものを身に付けます。会話が弾み、和やかな雰囲気を作ってから本題に入ることができます。
相手に関心を寄せた会話をしていますか?
コミュニケーションにおいて、相手に興味を持ってもらえていると感じると、良い印象を与え親交が深まるケースも多いようです。視線を合わせながら話に相槌を打ち「おっしゃる通りですよね」などと共感することで、話し手側は“興味を持ってもらえている”ということで、良い印象を持つと言われています。
▶感じがいい「話し方」のコツは?
話す時は「はっきり」「ゆったり」「丁寧」に
話す時には、滑舌よく「はっきりと」。聞く人が一度で聞き取れるようにします。口調はできるだけ「ゆったりと」。相手の方に考える時間や心の余裕を持って聞いていただくための思いやりを。
言葉遣いは「丁寧に」。それは、自分の発言に責任を持つことにつながります。一度口から出た言葉は取り消すことができませんし、また、聞く人によって受け取り方は様々ですが、この3つを意識して話すとよいでしょう。
ある著名なマナーの著書に「第一印象に二度目はないと覚えておくこと」というフレーズがあります。これは、良い第一印象は良い交流や円滑な仕事の入口となり、だからこそ、「初対面から好感をもっていただけるように自分を整えることが大切です」と説いているのです。要するに初めが肝心なのだということです。