江戸の“花嫁修業”「大奥」は最強の出世街道!? 冨永愛が演じる「高岳」が手にした、権力と栄光のすさまじさ | NewsCafe

江戸の“花嫁修業”「大奥」は最強の出世街道!? 冨永愛が演じる「高岳」が手にした、権力と栄光のすさまじさ

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江戸の“花嫁修業”「大奥」は最強の出世街道!? 冨永愛が演じる「高岳」が手にした、権力と栄光のすさまじさ
江戸の“花嫁修業”「大奥」は最強の出世街道!? 冨永愛が演じる「高岳」が手にした、権力と栄光のすさまじさ 全 1 枚 拡大写真
  

*TOP画像/高岳(冨永愛) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」16話(4月20日放送)より(C)NHK

 

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は江戸時代における「大奥のトップに君臨する女」について見ていきましょう。

大奥の女中は娘たちの夢

一昔前までは、お嬢様学校での学び、有名企業での勤務は妻としての才覚や品格を養う目的もありました。江戸時代においては大奥がそれに相当する場でもあり、良家に嫁ぐための作法を磨くため就職を希望する女性もいました。

(*大奥に入る目的は人それぞれであるため、すべての女性に該当するわけではない)

大奥に女中として入る方法はいくつかありましたが、主なルートの1つが面接です。大奥での勤務を希望する娘は出願後、大奥幹部に面接してもらいます。さらに、裁縫や文字の試験が課されることもありました。

なお、採用を決める上で最も重視されたのは、御上の好みに合う女性かどうかでした。

大奥での立場は本人の能力だけでなく、実家の地位でほぼ決まる

大奥には2000~3000人の女性が起居していましたが、彼女たちの身分は「御目見得以上(おめみえいじょう)」「御目見得以下(おめみえいか)」に大きく分けられます。

御目見得以上の女中は秘書御上と御台所の側近御上と御台所の衣服の裁縫などの業務に主に従事した他、将軍生母や大奥勢力の代表になれる可能性もありました。また、彼女たちにもお世話をしてくれる女中がつきました。他人のお世話をする立場ではあるものの、女中の一般的なイメージとはまったく異なります。一方、御目見得以下の女中は湯水の運搬座敷の掃除煮炊きといった仕事しか任せてもらえませんでした。お目見得以下の女中は肉体労働に従事していたため長く働くには体力が必要でした。

なお、大奥に入った女性が御目見得以上か御目見得以下に分類されるかは実家の地位によって決まります。御目見得以上には旗本、御家人、公家の娘が、御目見得以下には商家や裕福な農家の娘が選ばれました。

御目見得以上の女中は快適な部屋を与えられたり、ペットとの暮らしが許されたりしたものの、御目見得以下の女中に許された宿下がり(=帰省)は認められません。家族を自分の部屋に呼び、宿泊させることはできたものの、身内といえども男は9歳までしか招けませんでした。

大奥でトップに君臨すれば老中に相当する地位を得られる!?

大奥のヒエラルキーの中でも最大の権力を有するのが、上臈御年寄(じょうろうおとしより)です。この役職に就く女性のほとんどが公家の娘でした。御台所の話し相手が主な仕事となります。

上臈御年寄に次ぐ役職が、老女です。大奥の万事を取り仕切り、大奥勢力の代表として政事に口をはさむこともできました。老女の地位は老中と同等ともいわれています。老女は千鳥之間という部屋に座り、問い合わせに答えたり、指示を出したりします。自ら動きまわることは基本的にありませんでした。

『べらぼう』で冨永愛が演じる高岳はどんな女性だったの?

本作において、冨永愛さんが演じる高岳は豪奢な着物に身を包み、高貴な雰囲気をまとっています。また、老中・田沼意次(渡辺謙)と対等な立場で会話しているようにも見えますよね。『べらぼう』公式サイトの「キャスト・人物相関図」には高岳の役職は「大奥総取締」と記されています。

高岳(冨永愛) 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」16話(4月20日放送)より(C)NHK

史実において、大奥総取締という役職はなく、彼女は「上臈御年寄」という役職に就いていました。

10代将軍・家治に仕えていた高岳は大奥において高い地位を得ており、人事権も有していました。彼女について一般的な知名度はそう高くないものの、江戸時代における大奥の歴史を語る上で欠かせない存在です。

高岳は序列二位の頃から幕閣に発言権を有しており、伊達重村が官位の昇進を働きかけたときに老中首座・松平武元らとともに賄賂をもらっています。それだけ、影響力があったということです。

また、意次でさえ自身の老中としての立場を守るためにも、高岳には気を遣っていたといわれています。

大奥における高岳の活躍や優遇については記録が残っているものの、彼女の生い立ちや家族、老後については記録は発見されていません。上臈御年寄は公家の娘が主に就任する役職であることから、高岳の実家は公家の可能性が高いということくらいしかいえないでしょう。

本編では、江戸の“花嫁修業”「大奥」が、女性たちにとっての最強の出世街道だったこと、そして冨永愛さん演じる「高岳」が手にしたすさまじい権力と影響力についてお届けしました。
▶▶「夢ではない、俺はここにいる」涙で交差する友情と裏切り──源内と意次の最期の絆

では、蔦重が人生の師と仰いだ源内と、彼の理想に寄り添った田沼意次──時代を動かそうとした二人の、友情と別れの物語を深掘りします。

参考資料

川口素生、清水昇『大奥』新紀元社 2007年

氏家幹人『江戸の女の底力』世界文化社 2004年

山本博文『図説 大奥の世界』河出書房新社 2012年


《OTONA SALONE》

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