閉経の前後5年を一般に更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は一般的には50歳といわれていますが、新しい研究での平均値は52.1歳とされています。となると、47~57歳の世代は更年期に当たる人が多くなります。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの? みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期#125】前編
◆サトミさん 59歳
京都府在住。38歳の長女、25歳の次女と3人暮らし。仕事は勤続35年、あと7カ月で定年を迎える
コロナ禍以降、体がどんどんボロボロになっていった
サトミさん(現在59歳)が最後の生理を迎えたのは、52〜53歳の頃。それまではライブに通うほどアクティブで、40代までは病気知らず。週末には夜行バスで東京まで遠征し、大好きなビジュアル系バンドのライブに参加していたといいます。
そんなサトミさんに大きな変化が訪れたのが、コロナ禍以降のことでした。「それまでは元気だったのに、不調が次々に押し寄せてきて……。周囲も、私の変化にきっと驚いていると思います」
腰が痛くて動けなくなったのは「若い頃のヘドバンが原因」?
50歳を過ぎた頃から冷えがきつくなり、産婦人科を受診。さまざまな漢方を試しましたが、効果は感じられませんでした。体を温めようとホットヨガにも通いましたが、体力維持にはなっても、不調の根本的な改善にはつながらなかったといいます。
55歳のとき、重いものを持ったわけでもないのに、ふとした動作で腰に激痛が走り、動けなくなりました。診断は「椎間板ヘルニア」
そのとき整形外科医に言われた衝撃の言葉が「ライブで頭を激しく振る動き(ヘドバン)で頸椎が傷んでいるかもしれませんね」
それ以来、ライブに行っても「首はもう、いっさい振っていません」とサトミさんは語ります。
58歳、今度は手指に異変。リウマチ疑いからの“たらい回し”
さらに追い打ちをかけるように、手指にも不調が現れます。
「朝起きてから1時間くらい、手がこわばって動かせないんです。PC操作もうまくいかず、仕事に支障が出ています」
整形外科での診断は「手根管症候群」。リウマチや膠原病の疑いもあるとのことで検査を受けましたが、いずれも「可能性はあるが確定はしない」とはっきりしません。最近は、指の第一関節がズキンと痛むようになり、「へバーデン結節かもしれない」と言われたそうです。
医師の対応に、ちょっとしたモヤモヤも…
複数の医師を受診しながら、漢方薬や大豆由来のサプリなどを試すサトミさん。しかし医師の一人からは「もう年だから仕方ない」と、機械的に対応されてしまったといいます。
「女性特有のつらさって、伝わりにくいんですよね」と、もどかしさも語ってくれました。
本編では、閉経後に次々と体の不調に襲われながらも、自分の体と向き合ってきたサトミさんのお話をお届けしました。
▶▶「もうおばあちゃんだね」と言われても。定年後の夢を叶えるために、今は“無事にゴールする”が目標
では、さらに続く不調と、定年を前にした心の整理について、お伝えします。
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