知られざる「伝統女子幼稚園のお受験」はOGであろうと「ご縁がなかった同級生もいる」恐怖の世界。「幼児教室の説明会では、私一人だけが着ていなくて」 | NewsCafe

知られざる「伝統女子幼稚園のお受験」はOGであろうと「ご縁がなかった同級生もいる」恐怖の世界。「幼児教室の説明会では、私一人だけが着ていなくて」

女性 OTONA_SALONE/LIFESTYLE
知られざる「伝統女子幼稚園のお受験」はOGであろうと「ご縁がなかった同級生もいる」恐怖の世界。「幼児教室の説明会では、私一人だけが着ていなくて」
知られざる「伝統女子幼稚園のお受験」はOGであろうと「ご縁がなかった同級生もいる」恐怖の世界。「幼児教室の説明会では、私一人だけが着ていなくて」 全 1 枚 拡大写真

首都圏での中学受験の過熱ぶりが度々報じられるなか、「大変なことは早く終わらせたい」と私立幼稚園や私立小学校を選ぶ保護者も少なくありません。

今回は『どちらにする?小学校受験と中学校受験』の番外編として、実際に座談会を開催し幼稚園受験ママ、小学校受験ママの“ここだけの話”を取材。個人情報保護のため脚色を加えた形で、前編では「幼稚園受験のリアル」をお届けします。
  

基本的に夫は「お受験をいやがる」傾向がある。「オムツがとれないうちに…?」と難色を示され

れいなさん(仮名・46歳)は、小学4年生の一人娘を育てるワーキングマザー。美容系企業の広報として働きながら、子供の習い事の送迎やPTA活動もこなす、多忙な日々を送っています。娘のBちゃん(仮名)は、首都圏屈指の伝統校のひとつとして知られるA女学院幼稚園(仮名)を受験して、そのままエスカレーター式に小学校へ進学ました。

「もともと私自身が、幼稚園から高校までA女学院に通っていました。“お嬢様学校”と呼ばれることもありますが、実際は都心とは思えないほど緑も多くのんびりした環境で、アットホームな雰囲気。生徒も保護者も飾らない、穏やかな方が多かったんです。娘ができたら通わせたいなぁと、ずっと心の片隅に思っていました」。

しかし、幼稚園受験となると準備はかなり早く始まります。学園によっては「歩き始めたらすぐハサミの練習を始める」、それどころか「生まれ月を何月にするかの調整から始まる」、もっと極端な例では「夫選びから始まる」とまで言われるケースもあるそう。れいなさんご夫婦はそこまでではなかったものの、やはり準備は早くから意識したといいます。

「2年保育だと入園は4歳。受験はその前年、3歳です。つまり2歳から受験対策を始める必要があります。我が家の場合、娘はまだトイレトレーニングの真っ最中。夫は“オムツもとれていない年に受験?”と難色を示しました」。

けれども、Bちゃんの性格を考え、夫婦で話し合いの末に受験を決意。どのような決め手があったのでしょうか?

「幼少期の娘はお絵かきなどひとり遊びが好きで、おっとりした性格。今となってはバレエが好きな明るい子に育っていますが、小さいころは風邪も引きやすく引っ込み思案な面もありました。小学校受験のように“子どもの積極性や身体能力”も問われそうな試験だと、プレッシャーがあるのではと心配でした」

ということは、幼稚園はもっとプレッシャーが高いのでは?

「いえ、幼稚園受験は小学校受験に比べれば親の頑張りがダイレクトに後押しになる受験です。長く通った愛着のある母校ですし、私も夫も、一度腹をくくったら、とことん打ち込めるタイプ。幼稚園受験の方が、我が家には合っているんじゃないかなと思えました」。

お教室の説明会では周囲の熱意に気おくれした。「私一人だけが説明会でネイビーを着ていなかった」

ところが、いざ同窓生の知人の紹介で「A女学院幼稚園受験に強い」とされる幼児教室に説明会へ行くと、カルチャーショックが待っていました。

「事前に『今回はお話を聞くだけなので気軽にお越しください』と伺ったので、普段のオフィス服の少しきちんとめ、ジャケットスタイルで出かけたんです。ところが会場のお母様方はほとんどがびしっとしたネイビーのワンピース。周囲の気合の入り方に驚き、気後れしたのを覚えています。自分自身もかつてこうしたお教室のお世話になったのだろうと思いますが、当然ながらもう記憶にないし、母に聞いてもよく覚えてないんですよ」。

A女学院の入試は「卒業生に有利」と言われることもありますが……。

「学校側は否定しています。でも、卒業生のお子さんは実際多いですし、校風や先生方の雰囲気をよく知っていて、面接で“ツボ”を押さえやすいのは事実。そういう意味では有利なのかもしれません。とはいえ受験は“運”や“ご縁”もある世界。実際、同級生のご家庭に、ご夫婦も娘さんも申し分なく思えたのに不合格というケースがありました。彼女は幼稚園はご近所園に進んで、その後小学校を受験、別の私立女子校へ進学しました」。

れいなさんご家族も、OGといえども最終的に合格通知をいただくまではまったく行方がわかりませんでした。子どもたちが自由に遊ぶ姿をただ観察することで行われるとされる選考も、お教室からは「ただ楽しく遊べばいいというものではありません」とご指導が入ります。約1年の準備期間は必死の思いで子どもと2人でお教室から出される知育の課題にも取り組み、カギとなる絵本の読み聞かせは何度も何度も繰り返し、「ここまでやって万が一ご縁がなかったら私は大好きな母校を大嫌いになってしまうかもしれない」と恐怖感すら抱いたまま、2度に分けて行われる選考に臨みました。幸いBちゃんは合格。幼稚園時代を楽しく過ごし、現在はエスカレーター式に小学校に進学して元気いっぱいに通っているそうです。

「娘には、おっとりした子が多い校風が合っているようで、その日の出来事を楽しそうに話してくれます。私も“安心できる環境”で娘を見守れて満足しています。ただ、同じ学校に入った全員にとって学校が大満足かというと……やはり人それぞれだと思います」。

「あのしんどい幼稚園受験をしたのに、また小学校受験をするなんて、正気?」でも理由もごもっともで

Bちゃんはエスカレーター式に進学しましたが、同じA女子学院幼稚園に入園しても、小学校から別の進路を選んだ家庭もあるそうです。

「まだ幼いコミュニティの中にも、特に活発なお子さんは何人かいました。例えば、運動会でも演劇でも鬼ごっこでも、勝負強く“勝つこと”にこだわるリーダータイプです。そうしたお子さんの一部は、内部進学はせず、私立や国立の共学難関小学校へ進学されました。ずっと同じ顔ぶれで学ぶ“良くも悪くも“調和のある環境”では、本人も親御さんも物足りなかったのかもしれません」。

れいなさん自身は、高校卒業までA女学院で学びましたが、実際大学進学で初めて共学となった時に、新しい環境に戸惑うこともあったそう。

「隣の席に男の子がいるだけでソワソワしたり、同じ教室に名前すら知らない同級生が多いことにも慣れませんでした。一度、学食で目を離した隙に財布を盗まれたことがあって……。『自分は社会を知らなすぎるのかも』『危機感が足りないのかも』と大きなショックを受けました。ですがその体験を機に、もっと自分を鍛えようと海外ボランティアに参加するきっかけになりました」。

れいなさんは、多様性が叫ばれる新しい時代を生きる娘にとってどんな環境がベストなのか、今も考え続けているそうです。

「正直、外部受験をしたお友達の近況を聞くと“別の道もアリなのかも”と思う瞬間はあります。でも完璧な正解なんてなくて、結局は娘の力を信じて支えていくしかない。親と子は別の人間ですから、どこまで守り、どこから自立を促すか。その塩梅が本当に難しいですね」。

ここまでの前編記事では幼稚園受験の話を伺いました。つづく後編記事ではまた別の視点で挑むこととなる小学校受験について伺います。

「共働きでも小学校受験はできる」ものの、周囲との経済格差はものすごい。ただし「いつ受験に向き合うか」の設計ができる

※本作は取材に基づいたストーリーですが、プライバシーの観点から、個人が特定されないよう随時事実内容に脚色を加えています。


《OTONA SALONE》

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