20世紀スタジオが贈る『スワイプ:マッチングの法則』は、世界中に多くのユーザーを持つマッチングアプリ「Bumble(バンブル)」の創設者で元CEOのホイットニー・ウルフ・ハードが主人公。
彼女は、男性優位のテック業界の中で数少ない成功を収めた女性の1人。女性主導という革新的なマッチングアプリ「Bumble」は世界的に称賛され、2021年、自らの力で財を築いた史上最年少(当時31歳)の女性ビリオネアとなった。
そんな彼女の成功譚を基に描く本作は、単なるサクセスストーリーではなく、ひとりの女性が性差別や偏見と戦いながら、自らの声で世界を変えていく姿を描いた力強いメッセージが込められたエンパワーメント作品だ。

リリー・ジェームズ「若い女性に向けて発信すべき素晴らしい物語」
Q. 主人公ホイットニー・ウルフは史上最年少の女性ビリオネアで、あなたも若くして成功されていますが、彼女に共感する部分は?
リリー・ジェームズ(以下、リリー):そう願っています。彼女について学び、リサーチする過程が本当に楽しかったです。困難や挫折に直面しても揺るがない、あの並外れた勇気を見習いたいと思いました。彼女はそうした経験を自らへの大きな使命、原動力とし、新たな方法で影響力を発揮しようとしたんです。私も彼女レベルの誠実さと情熱、そして不屈の精神を持った生き方をしていきたいです。
Q. 実在の起業家を演じるにあたり、意識した点はありますか? また彼女の魅力は?
リリー:彼女のインタビューをすべて見て気づいたのは、彼女が驚くべき速さと明瞭さ、そして確信を持って話すことでした。彼女は頭の回転が速く、情熱を注いで世の中を変えたい、世に貢献したいと思うことが山ほどあるからだと思います。それは個人がいかに大きな影響力を持てるかを教えてくれます。
私はそんな彼女の生命力をとらえたかったのです。彼女の魅力はこの自信と不屈の精神だと思います。そして自らの野心に真正面から向き合い、それを自分のものとして受け入れること。それは、世界中の若い女性に向けて発信すべき素晴らしい物語でありメッセージだと思います。

リリー:この映画を作り上げたのは、非常に強力なプロデューサー陣でした。私がプロデューサーとして参加したのは、プリプロダクションからポストプロダクションに至る過程で、キャスティングや各部門責任者との調整、脚本リライト、そして編集作業に至るまで、創造的な意見を言い、作品をリードするためでした。これは正直なところ、私にとって大きな学びの場でした。この経験は、今後の製作活動においてプロデューサーの役割とは何か、そして私が本当に伝えたい物語とは何かを教えてくれました。
Q. 今後演じてみたい役や、プロデュースしたい作品はありますか?
リリー:今回のような偉大な女性たちを描いた物語を探求したいんです。女性の不屈の精神を描いた物語を。それと、もっと歌いたいとも強く思っています。それは、私の大きな情熱の一つなんです。だから、今後もっと音楽的な仕事もできるかもしれないと思うとワクワクします。
Q. 本作の配信を楽しみにしている日本のファンにメッセージをお願いします。
リリー:日本のファンの皆さんへ、心からの愛をお届けしたいです。ぜひ『スワイプ:マッチングの法則』をご覧ください。重要なテーマを掘り下げた、本当にワクワクする作品です。
そして私は日本が大好きです。東京は世界で一番好きな場所です。つい先日、三池崇史監督と撮影しました。また日本に戻るのが待ちきれません。
レイチェル・リー・ゴールデンバーグ監督「真のパートナーを得た」
Q. これまでにも女性のエンパワーメントを描いた作品を数々手掛けられていますが、今回主人公の人生に着目したきっかけは?
レイチェル・リー・ゴールデンバーグ監督(以下、監督):ホイットニーの話を知った時、まだ映画化されていないことが信じられませんでした。この物語は、スケールも大きく、数々の偉業と壊滅的な失敗、そして数十億ドルが絡んでいるんです。とても映画的で、エキサイティングで、圧倒的なスケール感があると感じました。
同時に、彼女が職場環境の苦境を乗り越え、違うやり方に挑戦する姿は私自身にも強く響きました。プロフェッショナルな世界で生き抜こうとする女性として、人々に公平であろうとしながら、どう成功するかを模索するんです。それは、ちょっとした旅のようなものでした。

監督:中心となる最大のテーマは、個人の選択がどのように文化を形作るかということです。人々が、たとえ欠点があっても、現在の文化の中で働き、それを永続させるのか、それとも変化を起こすのかを選ぶ。自分のあらゆるものをリスクに晒してでも正しいことを行うのか、というこの緊張感こそが、私が本当に探求したかったものなのです。
また、多くの人々が何らかの形で職場で被害を受けていることに共感できると思いますので、そうした現実を非常に地に足がついた、リアルな形で描くことが重要だと思いました。
Q. 主役にリリー・ジェームズをキャスティングした理由は?
監督:私は以前から彼女のファンでした。彼女が「パム&トミー」でパメラ・アンダーソンを演じたときは、特にとても感動しました。それは本当に興味深く、勇気ある演技だと思いました。ですから、彼女が、この映画でホイットニー・ウルフを演じたいと言ったとき、とても興奮しました。

Q.プロデューサーとしてのリリーはいかがでしたか? 特に印象に残っている出来事は?
監督:プロデューサーとして彼女は本当に…まるで、ホイットニー・ウルフ本人がやってきたかのようでした。脚本から撮影、ポストプロダクションに至るまで、彼女は常に私のそばにいてくれて、音楽の提案までしてくれたんです。
共演のダン・スティーヴンスや他の俳優をキャスティングするために、自ら俳優に連絡を取ってくれました。私と一緒に、すべてを成し遂げる上で、彼女は不可欠な存在でした。

監督:長年同じパートナーと付き合っているので実際に自分でアプリを使ったことはなかったんです。それでアプリが生まれた経緯を学び、こ れまでの歴史を振り返ると、今では本当にどこにでもある存在で、「独身なら当然デートアプリを使っているだろう」という一般感覚を学びました。
でも当時の2012年を振り返ると、まだ全然一般的じゃありませんでした。クールなものではなくて、むしろ社交的に苦労している人々のためのものと見られていました。今や私たちの文化に欠かせない存在としてマッチングアプリを定着させたTinderの手法を改めて振り返るのは、本当に驚くべきことでした。
『スワイプ:マッチングの法則』はディズニープラスのスターにて独占配信中。