
「空気を読む」「波風を立てない」「みんなのために引き受ける」。そんな振る舞いを続けてきた結果、気づけば自分の予定や気力だけが後回しになっている——そんな感覚を抱いたことはありませんか?協調性を大切にしているつもりが、いつの間にか自分を消耗させている人も少なくないはず。
この状況について、ひろゆき氏は「全体最適を優先しすぎると、個人の時間や労力が削られていく構造が生まれる」と指摘します。
本記事では、ひろゆき氏の「脱成長の人生論」を綴った著書から、適切な個別最適を選び、二兎を追わずに「人生を守る」ための考え方をご紹介します。
※本記事は書籍『人生の正体 生きること、死ぬこと』(ひろゆき(西村博之):著/徳間書店)から一部抜粋・編集したものです
※写真:徳間書店提供
“適切”な個別最適で人生を守れ
個別最適とは、組織全体ではなく、個人や部署といった一部分にスポットを当てて、そこがいちばんうまく回る状態にする考え方のことだ。
個別最適はビジネスにおいて短期で成果が出やすいとされる。ただしリスクもある。円滑なチームワークが形成されず、「自分さえよければいい」というマインドがはびこる恐れも指摘されている。
個別最適がいきすぎると、自己中心的なヤバいやつが誕生するわけだ。人の意見を聞かず、自分のことしか考えない独善的な人間。いわゆる社会不適合者だ。そんな人は組織を蝕み、やがて自分も蝕まれて自滅していく。
ただし、それはあくまで程度問題だ。適切な個別最適は、あなたの時間と労力のコスパを拡大するうえで必要不可欠である。
・自分の自由時間を守る
・嫌な時間を減らす
・好きなことに全振りする
それが適切な個別最適における基本的な心得だろう。でも多くの人は個別最適に舵を切りたくても、途中でブレーキをかけてしまう。社会不適合者のレッテルを張られるのを恐れるからだ。
日本で称賛されがちな「和をもって貴しとなす」という〝美徳〟は、実際のところ「波風を立てないために他人の都合に合わせる」という非生産的な行動を指す。つまり空気を読む能力だ。
でも自分が何に幸福を感じるかは人それぞれである。協調性を重んじたところで幸せにはなれない。他人の正解をなぞるより、自分の正解を最優先で取りにいくのが健全な生き方だろう。
過剰な個別最適は組織を壊すが、適切な個別最適は自分の人生を壊さないための鎧なのだ。
二兎を追わない
全体最適を守ろうとして、目の前のタスクをぜんぶ引き受ける。すると行きづまる。逆に、個別最適を守ろうとして、あらゆるノイズを切り捨てる。すると孤立する。
どちらもマズい。どうすればうまくバランスを取れるのだろう。そのコツはあんがい簡単だ。「やらない」と決めたことは絶対やらない。その代わり「やる」と決めたことは徹底的にやる。ようするに二兎を追わないことに尽きる。
こんな話がある。あるソフトウェア開発会社が販売したソフトにバグが見つかり、クレームの電話が鳴り止まなくなった。
普通なら「電話対応を手厚くしよう」と考えるところだ。でもその会社はそうしなかった。電話対応にリソースを割くと、そのぶんバグ修正に時間を要してしまう。だから電話対応を放棄したのだ。その代わりバグ修正に全振りした。謝ることではなく、問題解決に振り切った。
そして最短で修正バージョンを制作し、それを無料で配布したのである。するとどうなったか。怒り心頭だった客たちが「神対応だ」と言い出し、むしろ会社の評価は上がったという。
この話のポイントは当たり前だが、「電話対応をするな」ということではない。謝るなということでもない。
限られたリソースのなかで、優先順位をはっきりさせたという点である。
選択肢が2つあるとき、どちらも抜かりなくこなそうとすると、結局、中途半端になってしまう。それでだいたい2つともダメになるのだ。
だから、1つに集中する。言い換えれば、もう1つのほうは潔く捨てる。その一点集中でパフォーマンスが極大化すると、最終的には捨てたほうのリカバリーも果たせるのである。
優先順位をはっきりさせる。二兎を追わない。捨てることで、守る。──それがあなたのなかで全体最適と個別最適のバランスを取る秘訣だと思う。
ここまでの記事では、人生を守るための「適切な個別最適」についてご紹介しました。つづく関連記事では、ひろゆき氏の「ストレスをためない生き方」についてお届けします。
つづき>>ひろゆきは「すべて無駄」と断言!通勤時間、満員電車、無意味な会議、付き合いの飲み会で、ストレスをためないタイパ戦略
著者:ひろゆき(西村博之/にしむら・ひろゆき)
1976年、神奈川県生まれ。 1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人となる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」の運営に携わる。2009年、「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人となる。現在、数多くのネットメディアに出演する、日本を代表する論客の1人。 『1%の努力』(ダイヤモンド社)、『論破力』(朝日新聞出版)、『貧しい金持ち、豊かな貧乏人』(徳間書店)など著書多数。



