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「あの人、発達障害の“グレーゾーン”かもよ」。気軽に口にしていませんか? 

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「あの人、発達障害の“グレーゾーン”かもよ」。気軽に口にしていませんか? 
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最近、「あの人は発達障害だから怒りっぽいのかも」「グレーゾーンだから仕方ないよね」といった言葉を、SNSや日常の会話で見かけることが増えたように感じませんか。

こうした状況に警鐘を鳴らすのが、精神科医・公認心理師として多くの患者と向き合ってきた藤野智哉氏です。藤野氏は、怒りや不機嫌を安易に病名や特性で片づけるのではなく、「自分の受け取り方」を見直すことが大切だと指摘しています。

本記事では、藤野氏が嫌な気持ちに振り回されずに生きるための考え方をまとめた著書から、心をラクに保つヒントを紹介します。

※本記事は書籍『嫌な気持ちにメンタルをやられない 不機嫌を飼いならそう』(藤野智哉:著/主婦の友社)から一部抜粋・編集したものです

怒りのコントロールができない人は発達障害?

安直に決めつけるよりも相手の特性にかかわらず自分の接し方、受け取り方を変えていくことが大切です。

近年、「大人の発達障害」や「グレーゾーン」「ADHD」などの言葉をよく見聞きするようになりました。

「あの人はちょっと変わってるから発達障害かも」
「つき合いにくいけど、グレーだからしょうがないよね」
「ADHDだから怒りがコントロールできないんだね」

悪気なく、そんな会話をしたことがある人もいるかもしれません。「発達障害」などの言葉が社会に浸透したことによって精神科の病気に関して興味をもつ人が増えた半面、病名がライトな感覚で扱われるようになりました。

ADHD(注意欠如多動症)は不注意や多動、衝動性が大きな特徴とされる疾患。衝動性は、たしかに怒りのコントロールに影響する面があります。ただ、怒りのコントロールがききづらいから ADHD だとは限らないわけで、「この人は怒りのコントロールがきいていないからグレーゾーンなんじゃないか」などと思っているとしたら、それはすごく安直な発想だといわざるをえません。

そもそも「グレーゾーン」という言葉。本来は、知能指数(IQ)が平均を下回るものの知的障害と診断されるラインではなく、適切な支援が受けられず生活に困難をきたしうる、いわゆる境界知能とされるゾーンの人たちをすくい上げるための言葉であったように思います(なお現在の診断基準では知的発達症はIQだけで判断されるわけではありません)。

多くの精神科医は本来そこを境界、「グレー」と呼んでいたわけですが、最近は「発達障害」「グレーゾーン」みたいな言葉がはやってしまった。知能指数のように数字として見える基準もないスペクトラムの特性においては誰もが特性をもっていて、どこで線を引くかだけなので、そうなると濃淡はあれ全員がグレーゾーンになってしまいます。

だから正直、「発達障害のグレーゾーン」という言葉は、かなりうさんくさい使われ方をしていることが多いと思います。ここからここまでという数字などでの定義がないので、困った感じの人は皆、そうであるような気がする。本やメディアは「当てはまる」と思って見てくれる人が多いほうがいいわけなので、そんな発信ばかりがバズる。よくない構図です。

でも、そのことに文句を言ってもしょうがないので、まずは「あの人はグレーゾーンだよね」と言われても、「本当にグレーなのかな?」と疑ってみてください。たとえば、病気かどうかに関係なく、怒りのコントロールがきかない特性がある人はいます。また、そもそも本当にコントロールがきかず怒っているのかすらわからない。もしかしたら怒りを武器として使っているかもしれませんからね。

相手の特性がどうこうということではなく、結局は他人の怒りに対して自分がどう接するか、どう受け取るかのところを変えていくしかないという発想をもっていてほしいなと思います。

精神科医でもないのに、「あの人グレーだよね」「だからしょうがないよね」と勝手にジャッジするのは占いと一緒です。占い師じゃない人に勝手に占われても何も恥ずかしくないし、悲しくもないですよね。何か言われた場合は、そのくらいに思っていたらいいんです。

精神科医だって、本当に発達障害を診断しようと思ったら、幼少期までさかのぼって、めちゃくちゃ時間をかけて話を聞きます。場合によっては幼少期の通知表などを持ってきてもらったりするくらいです。

そこまでやって診断するものなので、医師でもない人が「あの人は発達障害かも」と言うことなんて、当たらないと思っておいたほうがいいと思います。精神科医でもないのに「発達障害かも」なんて勝手にジャッジしてはダメです。それ、当たっていませんから。

ここまでの記事では、「他人の怒りとの付き合い方」についてご紹介しました。つづく関連記事では、「共感疲労からの抜け出し方」についてお届けします。
つづき>>いつも「心が疲れる」「自分までつらくなる」のはなぜ?実は、「スマホ設定」を変えるだけで軽減できる!あと1つ、効果的なこととは?【精神科医が教える、負のループから抜け出す方法】

藤野智哉(フジノ・トモヤ)
1991年生まれ。精神科医、公認心理師。秋田大学医学部卒。幼少期に川崎病に罹患。心臓に冠動脈瘤という障害が残り、現在も治療を続ける。障害とともに生き、精神科勤務と医療刑務所の医師を務めるかたわら、執筆にも精力的に取り組む。専門知識を優しく語り、つらいひとに寄り添う内容で、幅広い世代から共感と支持を集めている。『「誰かのため」に生きすぎない』『「そのままの自分」を生きてみる』がシリーズ累計7万部を突破し話題に。ほかに『精神科医が教える 子どもの折れない心の育て方』『「あなたの居場所」はここにある 精神科医が本気で書いた心をいやす物語』など、著書多数。


《OTONA SALONE》

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