更年期症状が「強くなる人」「ならない人」の違いって?カウンセラーが教える「この時期にやっておくと未来がぐっと変わる」たいせつなこととは | NewsCafe

更年期症状が「強くなる人」「ならない人」の違いって?カウンセラーが教える「この時期にやっておくと未来がぐっと変わる」たいせつなこととは

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更年期症状が「強くなる人」「ならない人」の違いって?カウンセラーが教える「この時期にやっておくと未来がぐっと変わる」たいせつなこととは
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1997年、オープン2年目の小山嵩夫クリニックに参画したメノポーズカウンセラーの江藤亜矢子先生。看護師・公認心理師・メノポーズカウンセラーの3分野にまたがる専門性を生かし、更年期カウンセリングという分野を切り開いてきた江藤先生が、90年代後半から2020年代まで見つめてきた「更年期医療の変化」を伺います。

前編記事『更年期症状を強くする主要因。30年前は「家庭を維持するストレス」だったが、2026年は?メノポーズカウンセラーが語る「変化」』では江藤先生が30年に渡って見つめてきた更年期症状の傾向を伺いました。

「女性ホルモンの大きなゆらぎから更年期症状が現れるという点はどの時代でも変わりませんから、変化に気づくことが来院のきっかけなります。」

こう語る江藤先生に、後編では更年期の向き合い方を伺います。

更年期症状が「強くなる人」「そうでもない人」にはある程度のパターンがある

更年期とは、閉経の前後5年ずつ、合計10年の時期を指します。現在の日本人女性の閉経年齢は平均して52歳台。更年期の変化は閉経が近づくにつれて少しずつ現れ始めます

「ほとんどのケースで『これが更年期だ』と最初から受け止められるわけではありません。体調がこれまで通りではなくなり始めて、仕事や家庭に影響が出る。『これまでの不調とは違う……?』と戸惑い、迷いが始まります。更年期の入り口で多くの方が抱く不安は共通していて変わりません、『これは普通の老化なのか、更年期なのか、それとも別の病気なのでしょうか?』」

この変化のはじまりを正しく捉えるのはなかなか難しいのだそう。そういうことが起きるのが更年期という情報は少し知っているけれど、自分に起きている症状と結び付けて理解することができず戸惑いが先に立つことも多いのです。

「同じ症状でも感じ方や原因の捉え方には個人差があります。さらに、症状の現れ方には気持ちの状態も影響します。たとえば『更年期なんて大丈夫でしょ』とあまり深刻に捉えない人は症状が軽く感じられやすく、不安が強い人ほどつらさを感じやすい傾向があります」

また、同じ程度の症状であっても、対処法を持っているかどうかによっても違いが見られるそうです。

「たとえば『汗が気になるから冷却アイテムを買ってみよう』など、具体的に対策を考えられる人は気持ちが大きく落ち込む前に状態を整えやすい傾向があります。ですが、介護を抱えていて時間的な余裕がない、子どもが反抗期でストレスが高いなど抱えるものが大きすぎたり、自分で調節できる範囲が限られている、つまり自分のために使える余力が少ない方は、症状が重くなりやすい傾向があります。自分の持っている気質だけでなく、置かれている環境も大きく影響しているのです」

大切なのは更年期をきっかけにして「自分の人生の再調整を始める」こと

まじめな人も悪化する可能性があると感じるそうです。えええ、なんで? 極端にいえば不真面目なほうが治るということ……?

「そうですね、いい加減なくらいなほうがいいかもしれません。なぜなら、仕事も家事も育児も『今までと同じように』こなそうとしても無理になってくるのが更年期だから。体力が少しずつ変化していく中で、40代前半と同じリズムに戻そうと無意識のうちに無理を重ねて、思うようにできない自分を『努力が足りない』『能力がない』と否定的に捉えてしまうこともあります。むしろこの時期は「少し力を抜く」「完璧を目指しすぎない」といった柔軟さが大切です。頑張ってきた人ほど戸惑いやすいのですが、更年期は人生の新しいバランスを見つけていく再調整を始める時期でもあるのです」

いちばん大切なのは「これからどうありたいか」を自分で決めることだと江藤先生。自ら選び取ることで納得感が生まれ、自分らしく前に進む力につながっていきます。

現在自分が置かれた状況を整理して捉えなおし、カウンセラーが伴走しながら治療を進めると、真っ暗だったもやが少しずつ晴れていき、徐々に将来の見通しを持てるようになるそうです。たとえば、更年期は漢方と運動で上手く付き合えていたとしても、60代後半で関節の状態が悪くなって運動ができない、なんてことも起きます。

だからこそ、加齢による変化は排除するものではなく、その都度向き合いながら付き合っていくもの。だから、人生のどの時期においても、自分の状態に合わせ整え続けていく。そのように今の状態もひとつの通過点として治療を続けていくことが大切なのだと、と江藤先生。

まずは体を整えることからスタート。苦しい時ほど「投薬治療からスタート」してほしい理由

こうした意思決定支援の初手は、意外にもHRT、漢方など医薬的な治療だそう。身体的なトラブルを先に取り除くことで気持ちに余裕を作ります。その上で薬物治療と並行してカウンセリングを通して、生活習慣や日々の過ごし方を少しずつ見直していきます。セッション回数や期間には個人差がありますが、通院のタイミングに合わせて、1、2か月に1回程度のペースで、3か月から半年ほどがひとつの目安だそうです。

「つらいときにはいつでもお電話をくださいとお伝えしていますが、多くの方は治療を開始するだけで安心感が得られ良い方向に向かっていくものです。もしいま更年期症状が強く、ご自身では抱え切れないと感じているなら、カウンセラーのいるクリニックを探し、いちど状況整理を手伝ってもらうことをおすすめしたいです」

一人では振り返ってじっくり考える時間を作り出しにくく、何がどのように重なって今のつらさにつながっているのかを整理するのは難しい。でも、対話を重ねる相手がいることで少しずつ自分の困難を作り出すものの姿が見えてきます。この理解が納得につながり、「症状があってつらい」という気持ちが「症状はあるし、つらいけれど、それも含めての自分と受け止められるように変化していくのだそう。

「更年期のカウンセリングでは『安心』だけでなく、この『納得』がとても大事。不安や疑問を抱えたままでは治療を続けていてもうまくいかないことが多いのです。逆に言うと、自分の状態を理解し、『なんとかなりそう』『これならできる』と感じられるようになれば、それ以上、がんばる必要はありません。むしろ、私は更年期女性はがんばらなくていいと思っています。がんばるとしたら『力を抜くこと』くらい。どのようにすれば自分を楽にしてあげられるかを考え、無理のない方法を選びながら、仕事や生活を続けていけるという実感を持つことが大事なんです」

実は仕事も家事も、ベテランの更年期世代は「省略する」「工夫する」「効率よく進める」などいろいろな対応力を身に付けていますがその力にご自身で気づくチャンスが案外とないのだそうです。そのためには、少し立ち止まる時間を持つことが大切です。こうしたことを自分で気づくのは難しいので、対話を通して「自分はすでに多くのことができていると実感していくことが、回復の支えにもなっていきます。

「一回カウンセリングを受けると、『話すことは心地いいものなのだ』と感じられるようです。日本では、自分の思いを言葉にする機会がないまま大人になる方も多く、最初は戸惑われるかもしれませんが、カウンセリングは、どなたでも安心して話せるように工夫された場です。対話を通して自分自身を客観的に捉え、これまで自分は何にがんばってきたのか、どのような強みを持っているのかに気づけるようにもなります。多くの方が『気持ちがラクになった』『少し見方が変わった』とおっしゃいます。」

いちばん大きな課題はたいていの場合「相談内容の後ろに隠れている」

ところで、実際にカウンセリングを訪れる皆さんは、具体的にどのような相談をしているのでしょうか? 実は初診時の相談は、語りやすい身体症状で始まることが多いそう。「ホットフラッシュを止めたくて」「疲れやすくて睡眠の質も悪い」。でも、それだけなら医療機関の診療で完結することも多いものです。カウンセリングでは、その背景にある思いや生活の状況に目を向けていくことが重要になります。と江藤さん。

「生活のどこかに必ず問題が隠れているので、これまでの経験を踏まえて見立てながら、背景を丁寧に掘り下げていきます。状況にもよりますが、カウンセリングで整理した内容を実生活に取り入れていくことで、3~4回程度のカウンセリングでよい変化が見えてきます。更年期の再調整の時期は、誰かの指示に従うのではなく、自分で答えを見つけ出し行動にしていくことがとても大切です。だからこそご本人の中にある思いを引き出し、その方の言葉を大切に扱っています」

働く女性ならではの相談の傾向もあるのだそう。

「働く女性からは『実は仕事のパフォーマンスが落ちてしまい、以前のように働けない』と言ったご相談が見られます。このパフォーマンス低下という言葉のままだと漠然としているので、何が起きているのかを確認していきます。そうすると『以前のようにメールに全件返事ができない』という具体的な行動が出てきます。ここに、例えば『すべてに返信しようとしない』という選択肢をご提案することもあります。『えっ?』となりますが、必ずしも以前と同じやり方でなくても、仕事は回ることに気づいていかれます」

ええ、でもやっぱりメールは返信しないと困ってしまうのでは……?

「最近の例でお話すると、仕事の最中に1件ずつメールに返信するのはやめて、急ぎと書かれたメールにだけ随時対応し、残りは午前と午後の業務の終了30分前にまとめて返信する、と決めたケースがありました。最初は『無理!』となるのですが、実際に話し合ってできる形に整えていくと、少しずつ行動に移せるようになり回っていくこともあります。こうした改善点を1つ1つ見つけていきます」

たとえば、上司から仕事を振られたけどもう無理というときも、どのような段取りで断るのかを一緒に江藤さんも考えるのだそうです。

「この仕事を引き受けると負担が大きくなり体調を崩してしまうかもしれない。それを繰り返さないためにどのような伝え方ができるか具体的に考えていきます。断るのは気がひけて難しい、ならばいつまで待ってほしいという相談なら言えるか。あるいは、誰かとこのような分担にしてほしいということなら言えるか。更年期の女性は同じ症状を繰り返すことへの不安を抱えていますので、再発を防ぐための工夫を、実際のやり取りに落とし込むところまで一緒に考えます。ただ減らしてもらってくださいというのではなく、具体的にどのように伝え行動するかまでの支援が、体調が不安定な働く女性にとっては重要だと考えています」

このようにメール対応のルールを見直したり、業務の依頼に対して無理のない形で調整できた経験をすると、この成功体験がプラスとして積みあがっていきます。大きな変化を目指すのではなく、小さな工夫をひとつひとつ積み重ねることで生活がよりよい方向に変わっていきます。

「どうしても早く治して元通りに仕事をしたいという焦りが先に立ちますが、これまでの積み重ねがいまの自分を作っているので変化もまた、ある程度の時間をかけて少しずつ整えていけばいいのです」

更年期は怖いという意識があり、早くこの時期を越えたいと思いがちですが、まだまだ体力も考える力もあり、自分にあった働き方や暮らし方を整えていける力を十分にもっている非常に充実したいい時期です。ここをちゃんと整えた方たちはみなさん、60歳過ぎてからが一番調子がいいとおっしゃいます。日々の過ごし方を見直してきた積み重ねが、のちの健康につながっていきます。

更年期は「乗り越える」のではなく「再調整」をする時期

「前編でもお話した通り、かつて私も更年期を『乗り越える』と表現していたことがありましたが、いまは再調整、あるいは『折り合いをつけていく』という考え方をお伝えしています。ひとつひとつ自分にあった付き合い方を見つけていくことが大切です。環境そのものを変えることが難しい場合でも、人とのかかわり方や仕事の進め方、また組織に対する見方を変えることで捉え方も変わります。体の状態に合わせて生活のサイズやバランスを整えていくことで、更年期を穏やかに過ごせるようになっていきます」

閉経数年前の移行期、47歳ごろから症状が出はじめ、症状が強くなる49歳、50歳で受診される方が多いとされています。そこから、閉経後2~3年までが症状が強く出やすい時期になります。HRTが奏功して順調に過ごせても、この時期に中止すると再び症状が現れることもあるため一定期間継続することが一般的です。閉経から5年ほど経過すると、こんどはHRTを継続するか量を減らすかの検討が始まります

そんな更年期にこれから差し掛かる人への心がけをお願いします。生活習慣の見直しはとても大事だとおっしゃっていました。

「更年期は心身ともに負担がかかりやすい時期のため、睡眠時間だけでなく、睡眠の質も大切です。また、日々の習慣を整える際は、“無理なく続けられるか”という視点で選んでいくと良いと思います。また、更年期の情報をある程度自分から調べることも大切です。落ち込みやすくなった、体力回復までが長くなったと感じたら受診の合図だと思ってほしいですね」

更年期の気分変化と抑うつの見極め。医療連携が大切な理由

ところで、カウンセラーの立場からは、更年期のメンタルコンディションも重視してほしいそう。更年期は感情の調整が難しくなり、これまでよりも敏感に反応しやすくイライラや気分の落ち込みとして現れることもあるのだそうです。このメンタルの変化に気づいた場合、40代前半ならば心療内科の受診を考えるでしょうが、45歳以降に気持ちの落ち込みやイライラが出る場合、いちどは婦人科を受診してほしいそう。

「更年期の不調は、まず婦人科に相談してほしいです。気分の落ち込みや不安なども更年期症状として婦人科で対応しています。ただ、症状の程度や経過によっては心療内科や精神科につなぐこともあります。更年期の不調が抑うつとして評価される場合もあり、適切な見立てや医療連携が重要です」

では、現在50歳すぎて更年期の渦中の人にお伝えしたいことは?

「まず、大きな決断は調子が安定しているときにしてほしいとお話ししています。『今すぐ決めなくて大丈夫、もう少し調子が落ち着いてから考えましょう』とお伝えすることも多いです。あとで後悔しないよう、専門知識のある人に支援を求めて話を聞いてもらい、自分が置かれていた状況を一緒に整理するのが大切です。更年期への理解を深めようとする職場も増えてきていますが、まだまだ体調不良を相談したらすぐに進退の選択になったり、転勤の話がきたりするケースもあり、残念ながら大手企業でもまだまだ見られます」

上司も正しい対応がわからず困っているだけで気持ちとしては前向きというケースや、会社が「これを事例として制度を整えていきましょう」と前向きになる場合も増えてきたとは言います。

「ご本人からは『お互い忙しいのがわかるから上司に言いだせない』『迷惑をかけたくない』という悩みもお聞きします。でも、働き方をどう調整するかを考えるのは組織や上司の役割でもあります。まずはご自身の治療を優先してほしいと話しています。ですがこれはまだまだ雇用ルールをきちんと整えている会社の話。このあたりも含めてカウンセリングを進めます」

とにかくいろいろがんばらないでほしい、更年期世代はもうじゅうぶん頑張ってきました、と江藤先生が最後にまとめます。

「仕事にしても、みなさん、それぞれ長い時間をかけて経験を積み重ねてきていますが更年期で思うように動けなくなると、それまで築いてきたものまでなかったかのように自信をなくしてしまいます。最近働き始めたという方も、それまでの間家庭を支えてきた経験値が仕事に生きていて、日々の暮らしを当たり前のように維持してきた力は、本当はとても大きなものなのです。ただ自分一人ではその価値に気づけないこともあるんですね。だからこそ「自分は十分にやってきた」とご自身の価値をちゃんと認めてあげてほしいと思っています」

お話・江藤亜矢子先生

1970年生まれ。1997年より更年期を専門に扱う小山嵩夫クリニックに勤務し、HRTを用いた女性の健康増進に携わる(現在非常勤)。聖路加国際大学大学院看護学研究科看護情報学修士課程修了。大学院では、HRT意思決定ガイドを開発した。2022年Women’s Decision Support 更年期コーディネーションルーム「MenoSmile」を開設。「女性の決定を支える」を理念に、臨床とカウンセリングを軸に更年期女性の意思決定支援に取り組んでいる。


《OTONA SALONE》

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