「ステロイドは怖い」は本当? ここまで変わったアトピー性皮膚炎治療と、正しい外用薬の使い方 | NewsCafe

「ステロイドは怖い」は本当? ここまで変わったアトピー性皮膚炎治療と、正しい外用薬の使い方

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「ステロイドは怖い」は本当? ここまで変わったアトピー性皮膚炎治療と、正しい外用薬の使い方
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「最近、急に肌が乾燥してかゆい……」「更年期のせいかもしれない……」。更年期には皮膚の乾燥やかゆみが生じやすくなりますが、湿疹が続く場合には、アトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患の可能性もあります。

アトピー性皮膚炎は子どもの病気というイメージがありますが、大人になってから初めて発症したり、小児期にいったん落ち着いた症状が再燃したりすることもあります。40代・50代は、更年期に伴う皮膚の乾燥やかゆみも重なりやすい時期です。『更年期のせい』と思っていた肌トラブルに、アトピー性皮膚炎や接触皮膚炎などが隠れていることもあります。保湿しても改善しないときは、皮膚科で診断を受けましょう。

今回は、大人のアトピー性皮膚炎に対する外用薬の正しい使い方と、近年大きく広がった治療選択肢について、独立行政法人国立病院機構 三重病院の臨床研究部長・長尾みづほ先生に詳しくお話を伺いました。

◀◀大人になってから発症・再燃することも。40代・50代のアトピー性皮膚炎【専門家監修】

▶「ステロイド外用薬は体によくない」は本当?

「ステロイドは怖い」という不安と、正しい外用治療

―今の40代・50代が子どもの頃は、「ステロイドは体によくない」というイメージが強かったため、今でも塗り薬に抵抗がある人も多いかもしれません。

ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎の炎症とかゆみを抑える基本的な治療薬です。皮疹の重症度や部位に合った強さの薬を、医師の指示に沿って適切に使用すれば、一般に安全性の高い治療です。間欠的な使用や再燃予防のための週2回程度の使用についても、重大な有害性を示す根拠は認められていません。ただし、どの薬にも副作用はあり、漫然と長期間使用するのではなく、症状を確認しながら使うことが大切です。

日本では1990年代に、マスメディアの不正確な情報などを背景に、ステロイド外用薬への強い不安、いわゆる『ステロイドバッシング』が広がりました。

その影響で、必要な外用治療を避けたり、医学的根拠が十分でない代替療法や過度な食物除去を選んだりして、治療が混乱した時期がありました。

アトピー性皮膚炎の自然経過には個人差がありますが、炎症を十分に抑えられない状態が続くと、かゆみや睡眠障害、生活への支障が長引くことがあります。ステロイド外用薬を怖がって一律に避けるのではなく、必要性と使い方を医師と確認することが重要です。

―子どもの頃のアトピー性皮膚炎が、大人になって再燃することもありますか?

はい。小児期の症状が成人期まで続く人も、いったん軽快した後に再燃する人もいます。症状の経過には、皮膚のバリア機能、体質、環境、ストレスなど、さまざまな要因が関わります。『昔きちんと治療しなかったから』と自分を責める必要はありません。今の症状や生活への影響に合った治療を選ぶことが大切です。

更年期には皮膚の乾燥やかゆみが起こりやすくなりますが、そのすべてがアトピー性皮膚炎というわけではありません。接触皮膚炎など別の皮膚疾患もあるため、症状が続く場合は診断を受けることが大切です。

皮膚は外界との重要な境界を担い、水分の喪失や外からの刺激の侵入を防いでいます。バリア機能が低下すると、乾燥や炎症、かゆみが起こりやすくなります。

更年期には皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみや湿疹が目立つことがあります。更年期に起こる皮膚の変化とアトピー性皮膚炎との関係はまだ研究途上ですが、乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、症状を悪化させる要因になります。『更年期だから仕方ない』と我慢せず、症状が長引く、広がる、眠れないほどかゆいといった場合には皮膚科を受診してください。

▶アトピー治療の最前線とは

もう「どうせ治らない」と諦めなくていい!激変したアトピーの「最新治療」

―大人のアトピー性皮膚炎に対して、日常的にできるケアはありますか?

基本は、皮膚をこすらずにやさしく洗い、しっかり保湿するという毎日のスキンケアです。

アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下しているため、油分や水分が逃げて乾燥しやすく、外からの刺激も入り込みやすくなっています。保湿などのスキンケアは、皮膚のバリア機能を補う治療の土台です。

炎症が出ている場合には、赤みやかゆみを十分に抑えるため、症状や部位に合った外用薬を適切に使用しましょう」

―アトピーの治療は、昔と比べて変わってきているのでしょうか。

以前は、悪化したときだけ外用薬を使用し、改善するとすぐに中断して再燃する、という経過を繰り返すことも少なくありませんでした。現在は、まず炎症を十分に抑えたうえで、外用薬の使用回数を徐々に減らしながら良い状態を維持する『プロアクティブ療法』など、再燃予防を重視した治療が行われています。

ここ数年で治療の選択肢は大きく広がりました。従来のスキンケアやステロイド外用薬、タクロリムス軟膏に加え、新しい外用薬も使用できるようになっています。

さらに、適切な外用治療だけでは十分にコントロールできない中等症から重症の患者さんでは、生物学的製剤、JAK阻害薬、光線療法などの全身的な治療も選択肢になります。これらは炎症やかゆみに関わる分子やシグナル伝達を標的とする治療ですが、外用薬より一律に優れているという意味ではありません。重症度、年齢、併存症、安全性、通院や服薬のしやすさなどを考慮して使い分けます。

―選択肢が増えたのは心強いですね。

アトピー性皮膚炎の負担は、かゆみだけではありません。不眠や疲れ、集中力の低下、見た目への不安、心理的負担、仕事や日常生活への支障も生じます。国内調査では、重症度が高いほど生活や仕事への影響が大きいことが示されています。

診察では、皮疹の範囲や重症度だけでなく、睡眠、仕事、家事、見た目の悩みなど、生活の中で困っていることも医師に伝えてください。外用治療だけで十分にコントロールできない場合には、全身療法を含む次の選択肢について相談できます。

症状やライフスタイル、治療に対する希望を踏まえ、医師と相談しながら治療方針を選べる時代です。慢性で再燃しやすい病気ではありますが、適切な治療によって症状をコントロールし、良い状態を長く維持することが目標です。『どうせ治らない』と諦める必要はありません」。

更年期には皮膚の乾燥やかゆみが起こりやすくなりますが、すべてがアトピー性皮膚炎というわけではありません。一方、大人になってから初めて発症したり、小児期の症状が再燃したりすることもあります。保湿を続けても湿疹やかゆみが改善しない場合には、『更年期だから』と決めつけず、皮膚科で診断を受けましょう。現在は外用薬から全身療法まで治療選択肢が広がり、一人ひとりに合わせて良い状態を維持することを目指せるようになっています。

◀◀大人になってから発症・再燃することも。40代・50代のアトピー性皮膚炎【専門家監修】

お話を伺った先生:長尾みづほ先生

独立行政法人国立病院機構 三重病院 臨床研究部 臨床研究部長。医学博士。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医・指導医。1997年岐阜大学医学部卒業。同年岐阜大学小児科に入局し、2002年に大学院を卒業。アレルギー専門医として日々臨床や研究に取り組む。


《OTONA SALONE》

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