
杉本彩さんが18年ぶりに出版したレシピ本「杉本彩の美筋ごはん」(主婦の友社)の記者会見で披露した「自分を喜ばせる料理」のお話から、大人世代の女性たちに必要な体調管理のための「運動」の大切さ、メンタルの整え方までを伺いました。

——18年ぶりのレシピ本出版、おめでとうございます。前作の『男を虜にする料理』から一転、最新作『杉本彩の美筋ごはん』は、アプローチが180度変わったそうですね。
ありがとうございます。18年前は私もまだギラギラしていた時期でしたから、テーマも「誰かを喜ばせる(男を虜にする)料理」だったんですよね(笑)。でも新作のテーマは真逆。「自分で自分を幸せにする料理」です。
——なぜ「筋肉」に着目したのですか。
40~50代の不調って、実は筋肉不足が原因であるケースが多いんです。私自身、不調を乗り越えて、ブランクを経てアルゼンチンタンゴを再開したときに、改めて筋肉の大切さを痛感しました。
筋肉って、体だけでなくメンタルにもすごく影響するんです。私が大事にしているのは、見せるための筋肉じゃなくて、しなやかにエレガントに動くための「機能的な筋肉(美筋)」。だから、良質なたんぱく質をとることをずっと心がけてきたんです。
手軽な高タンパクご飯で自分を満たす。食事と運動プラス「徹底的なほぐしケア」が美筋の秘訣
——紹介されているレシピを見ると、鶏肉や豆腐、納豆、卵など身近な食材がこんなにおいしそうに変身するとは!と驚きました。
よく「料理が好きなんですね」「趣味なんですか」と言われますが、全然そんなことはないですし、手間がかかる料理なんてむしろ嫌。私はただ、「美味しいものが食べたい」という欲望がすごいだけ(笑)。
だから手間がかかる料理は作りませんし、紹介しているレシピは、誰でも作れる簡単なものばかりです。ぜひ気軽に作ってみてください。


——食事以外に、運動やボディケアはどのようなことをしていますか?
週に最低1回は、バレエダンサーが開発した「ジャイロトニック」というトレーニングを取り入れています。それに加えて、毎日必ず自宅でストレッチと軽い筋トレをする。忙しい時はマンションの階段を使ったりして、生活のなかで体を動かす工夫をしています。
——運動はやっぱり大事でしょうか?
はい。6~7年前に体調を崩していた時期は、コロナ禍だったので運動もゼロでした。当時は気持ちも落ち込んでいましたが、運動を再開してからは、体調がいいだけでなく心の持ちようも変わっていって、どんどん前向きになっていきました。だからどんなに苦手な人でも、自分に合った強度の運動は絶対に必要だと思います。ウォーキングで軽く汗をかく、などからでもいいと思います。
——年齢とともに「動くと疲れる…」と感じる人も多いです。
運動以上に大人世代に知ってほしいのが「ケア」の大切さです。若い頃の私は若さに甘えていて、体を酷使して鍛えるばかりでケアを怠っていたので、ぎっくり腰を3回も経験しました。
若い時はそれで乗り切れても、40代を過ぎたら「鍛える以上に、ほぐすケア」をしないと絶対にダメです。自分でストレッチをするのはもちろん、信頼できるプロの手を借りて、整体、ストレッチ、オイルマッサージなどにも通っています。
——年齢による肌や髪の変化など、エイジングについてはどう向き合っていますか。
40代、50代になって体型が変わったり、シワが増えたり、白髪が出てくるのは当然のことだと受け入れています。私は若い頃から成熟した大人女性の美しさに憧れていたので、「若い=良い」とは全く思っていません。笑った時に目元に入る自然なシワなんて、人間味があってむしろ美しいと思うんです。
——そうはいっても、手放しで受け入れるのはなかなか難しいです。
それはそうですよね。加齢による変化を受け入れるにしても、何の手入れもせずにただ劣化させていくのはただの怠慢だと思います。
美しさと健康は切り離せないものだから、私は「体に余計な負担をかけない」ということを心がけています。私が使っている白髪染めは100%天然のヘナ。染めるたびにトリートメント効果で髪が丈夫になるとも言われています。
「若い=良い」ではない。自然な変化を受け入れ、いい意味で「他人に期待しない」ことがオトナ女性の幸せへの近道

——「体に余計な負担をかけない」というのは、食事の面でも同じでしょうか。
もちろんです。味覚を研ぎ澄ませておくことが体を守ることにつながると思っているので、魚も野菜も、できるだけ自然に近い形のものを選んで食べています。とはいっても、たまにはジャンクなラーメンが食べたくなることもありますよ(笑)。
そんなときのために、お気に入りのインスタントラーメンがあるんです。ポストハーベストのない国産小麦100%で無添加のものです。いろいろ探して、これにたどり着き、買い置きして楽しんでいます。「食べたい」という欲望は我慢せずに、質を高めて体に負担をかけない選択をするのが私のスタイルです。
——40代、50代になると、パートナーシップについても変化がある年齢です。これからの人生を前向きに生きるためのメンタル管理についてもアドバイスをお願いします。
私自身、仕事でもプライベートでも本当に波乱万丈な人生を送ってきました。その中でたどり着いたのが、「自分を幸せにできるのは、自分しかいない」という考え方です。夫やパートナー、周りの人に幸せを埋めてもらおうとすると、期待が裏切られたときに不安しか残らない。それに気づいてから私は誰かに期待するのは一切やめようと決めました。
——身近なパートナーにはつい期待をしてしまいがちです。
そうですよね。夫やパートナー、周りの人に「自分の足りない幸せを埋めてもらおう」とすると、どうしても不満が積もっていくんですよね。私もそんな時期がありました。
でも、パートナーシップで大事なのは「許す心」。相手の長所も短所も丸ごと受け入れて、期待しないこと。そのためには、自分で自分のことを100%満たしておくこと。自分の体調を一番よくわかっているのは自分だから、自分で体をいたわって、自分に美味しいものを食べさせて、自分の美筋を育てる。
そうやって自分という土台を満たしておけば、パートナーや周りの人から受け取るものはすべてプラスアルファの感謝や喜びとしてとらえられるようになります。この生き方が一番ストレスがなくて、幸せへの近道だとこの年齢になって強く感じています。
——最後に、読者へのメッセージをお願いします。
あきらめなければ、人はいくつになっても進化できるということを伝えたいです。
去年、6年ぶりにアルゼンチンタンゴのショーを開催したんです。練習を再開した当初は、肋骨の骨折や怪我の影響もあって、正直いって自分の衰えを感じていました。でも「これではダメだ」と思って、もう1回自分を鍛え直したんです。
若いころのように無茶はできないので、少しずつ、ケアを徹底しながら。そうしたらめきめきと体が変わってきて、気持ちもどんどん前向きになってきました。何歳からでも歩みを止めなければ、人は必ず進化できます。自分の手で自分を幸せにしてあげながら、これからの人生を満たされたものにしていきましょう。
撮影/佐山裕子(主婦の友社)取材・文/佐藤真紀



