ペット飼育の入り口と出口 | NewsCafe

ペット飼育の入り口と出口

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銀座の表通りから2本ほど裏の通りにその「ペットショップ」はある。

間口はそれほど広くないが、日が暮れると煌々と明かりがつき界隈のよき目印になっている。
前を通る度にいたいけな子犬が睡眠不足になるのでは…と心配していたが、いよいよ6月から『犬・猫などの動物取扱業のうち「販売・貸出・展示」の3つの業種の夜間営業(午後8時から翌日の午前8時)が禁止になる』とのことである。

不思議なことに、ペット動物の販売等に関することは環境省の動物愛護管理法で規定されている。
5年ごとに法律を見直すことになっており、今回の見直しでは「犬や猫の夜間販売の規制・子犬や子猫を何歳から親と離して販売してよいか、インターネットでの販売をどうするか」などが話し合われた。
今流行の「パブリックコメント」では、ことが犬&猫に関わると言う事で10万を越える意見が寄せられたようである。
まさに異論反論で、かろうじて「犬猫は本来夜行性動物とはいえ暗い状態で休む必要がある」と言う事で夜間販売の禁止が決まった。
販売年齢については甲論乙論があり、動物愛護団体は次のことを主張している。

・現在は子犬や子猫の20%が生後50日未満で販売されている
・140日未満も10%ある
・欧米は50日以上である
・親から早く離れると情緒不安になり吼え癖や紙癖がつくので50日以上とすべきである

しかし販売側は『50日だと店のえさ代がかかるし、人見知りが始まり、新しい飼い主になれなくなる』と反対。

インターネット販売に関しても「薬のネット販売」と同じ賛成・反対がある。
最終的にはネット業者と飼い主に対し「ネットだけの取引を禁止して現物の確認や対面での説明を義務づける方向」の様である。

これは、一度も対面せずにペットを販売した場合、感染症などの病気にかかっていることに気づかないなどの問題が生じる可能性があるためだ。もめた問題は「来年に政治決着」と言う事の様である。

空前のペットのブームの現代。ペットを飼う家庭は増え、ペットを単なる愛玩物ではなく、家族と同じ存在だと感じる人も増えている。法改正の行方には関心が高まっているのは当然と思う。

そんな中で、ペット時代の影の部分は気になる。その最大の問題は「ペット遺棄」だ。

現在約1200万匹以上の犬が飼われ、毎年25万匹以上が新たに加わり犬を中心に35万匹が遺棄され多くは殺処分されている。ペット遺棄の罰金も30万円~50万円に強化されているが相変わらずである。景気が悪くなると遺棄が増えるので心配だ。

更には「ペットの高齢化問題」がある。犬は人間と同じく、年をとると高血圧・癌・痴呆・歯槽膿漏になる。
高額な医療費がかか上、最後の「葬儀」もそれなりの費用がかかると聞く。高齢者がペットの死から立ち直れないというペットロス問題もあると言う。

まさにペットを飼うと言う事は、販売と言う入り口から見取るという出口まで大変なことだとつくづく感じた。

[気になる記事から時代のキーワードを読む/ライター 井上信一郎]

《NewsCafeコラム》

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