立命館、万博で育まれた「共創の力」学生が語る61日間の学び | NewsCafe

立命館、万博で育まれた「共創の力」学生が語る61日間の学び

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いのちの遊び場 クラゲ館
いのちの遊び場 クラゲ館 全 8 枚 拡大写真
 2025年4月13日から184日間にわたり開催された大阪・関西万博は、一般来場者数が2,500万人を超える盛況のうちに、10月13日に閉幕した。

 この一大イベントにおいて、学校法人立命館は、大阪・関西万博の会期184日のうち、延べ61日間にわたり67企画を実施した。立命館企画に参加(見学)した来客者は約6万人、関わった教職員は約400名、生徒・学生約2,000名が関わる大規模な取組みとなった。会場では、附属校から大学までが一体となり、研究・文化・教育の多様なプログラムを展開した。

学生が主導した「おおきに」の活動
 立命館の取組みの中核を担ったのは、学生組織「万博学生委員会おおきに」である。2023年4月に発足し、衣笠、びわこ・くさつ、大阪いばらきの全3キャンパスから268名が参加。クラゲ館や電力館を中心に、環境、食、多文化共生、日本文化などをテーマにしたワークショップを企画・運営した。

 代表を務めた総合心理学部3回生の高木葵凪さんは、「万博という特別な場で、自分たちの考えた企画を社会に発信できたことに大きな意義を感じた」と振り返る。活動を通じて得た成長として、「多様な来場者に合わせた言葉の使い方や説明の工夫」「フィードバックを次に生かす改善力」「人と関わる積極性」を挙げ、「課題に直面しても、自分たちで解決策を考え実行する経験が、自信につながった」と語った。

国際的な舞台での挑戦と連携
 学生たちは万博を通じ、国内外の人々と交流しながら多様な価値観に触れた。その一例として、産業社会学部3回生の川瀬実衣南さんは、アイスランドの大統領とともに国連パビリオンのトークセッションに登壇した。約100名(メディア10社)が観覧するなかで、平和と平等をテーマに大統領と英語で堂々とディスカッションする川瀬さんの姿に学生たちも刺激を受けていた。

 また、附属の立命館守山中学校では、中学3年生全員がSDGsを題材にした「謎解きゲーム」を3年がかりで企画・運営。アフリカンダイニングホールPANAFでの3日間のイベント開催を通じて、生徒たちは仲間との協働の大切さを学んだ。かけがえのない経験を「この学校だからこそできる」と捉えたことが大きな教育効果となった。

茶道から宇宙探査まで、学びの多層化
 大学では、既存の文化・研究組織もそれぞれの専門性を生かして参加した。立命館大学茶道研究部は「いのちの遊び場 クラゲ館」内、茶道裏千家家元に「悠楽軒」と命名されたVIP茶室で各国の要人をもてなす貴重な体験をしている。サポート役として4~10月までを通して、2,000名近い接客対応を行った。

  立命館大学宇宙地球探査研究センター(ESEC)は「月面探査ミッション」をテーマにブースを展開した。教職員と学生が協働して運営し、8月8日(金)と9日(土)の計2日間で約1万人が来場した。社会人についで小学生の来場が多く、アンケートでは立命館大学の研究について「初めて知った」という回答が多かった。科学の魅力を一般来場者に効果的に伝える機会となり、こうした多分野の参加により、立命館全体で"知の共創"を実践する場が広がった。

経験を次へ、未来をつなぐ
 今回の取組みは、学生たちに多くの学びとつながりをもたらした。高木さんは「万博はゴールではなくきっかけ。出会った人や経験をこれからの活動に生かしたい」と語る。 教職員からも「想定外の課題に直面しても、学生が柔軟に対応する力を発揮した」との声があがった。

 おおきにアンケート(92名の回答)でも、「次回以降の運営や説明に反映し、ブラッシュアップしていくことができる」という項目は、活動前からの平均成長率が1.28ptになっており、学生たちの確かな成長が見て取れる。

 仲谷総長は総括として、「立命館が培ってきた“共創の力”を次の世代につなぎ、人類のより良い未来に貢献したい」と述べた。 万博での61日は、学生にとって学びを社会と結びつける実践の場であり、立命館の教育理念を体現する日々であった。

《稲知希》

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